米国で人気ナンバー1を誇るスポーツは、ナショナル・パスタイム(国民的娯楽)と
呼ばれてた野球だと思っている日本人は多いはず。だがこの考えは今や昔。
野球がナンバー1だったのは、数十年も前のこと。70年代以降、
トップの座はアメリカズ・パッション(米国の情熱)ことアメリカンフットボールに取って代わられている。
特にプロのNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)は、テレビ視聴率、テレビ放送権料、
ライセンスグッズ売り上げなど、どれを取ってもスポーツ界で断トツの数字を挙げている。
基本的なスケジュールは、金曜がハイスクール、土曜がカレッジ、日曜がNFL、
月曜日がNFLのマンデーナイト・フットボールだが、木曜にもカレッジが数試合、
週によってはNFLのカードも木曜や土曜に組まれている。毎週行われるカレッジの
ディビジョンIーAの約60試合とNFLの試合は、7万人前後の大観衆でスタジアムが埋め尽くされ、
周辺の駐車場ではバーベキューやパーティーをしたりと試合が始まる前からお祭り騒ぎ。
カレッジの中には収容能力10万人を超えるスタジアムを持つところもあり、
入場料とテレビ放送権料が大学経営を支える最大の柱となっている。
米国人はなぜフットボールに熱狂するのか。理由は簡単。見ていて単純に面白いからだ。
「ルールがよく分からないから」などと言って敬遠する日本人がいるが、
スポーツのルールなんて見ていれば自然と分かってくるもの。
頭で理解しようとせず、体で感じればいいのだ。
フットボールにはスポーツにおけるすべての運動的な要素が取り入れられ、
そのすべての能力が世界のトップレベルに値する選手が集まっている。
NFLの選手で大学時代に陸上やレスリングでオリンピックに出場しメダルを獲得した選手も少なくない。
MLB(メジャーやきう)ではまずありえないこと。