「だからロッテの投手は、入ってから伸びるんじゃないですか」
WBCの代表6人が加わるロッテ二軍のキャンプ地で、他のチームでは見たことのない光景が繰り広げられた。
昨年秋にサイドにフォームを変えた田中良平の自主練習にWBCの代表6人メンバーの小林宏と渡辺俊が1時間もつきあったのだ。
ランニング中に田中が小林宏に「(新フォームの)感じが掴めない、ちょっと見てください」と依頼。
快諾した小林宏と強めのキャッチボールをはじめたのがきっかけ。
小林宏が荘コーチと共に踏み込み足の使い方をアドバイスしているところへ渡辺俊も加わった。
渡辺俊は腕の始動が遅いと指摘し、タイミングを取る練習法を教えた。
3人の「コーチ」に見守られた田中は「豪華なメンバーですね」と感激。
「一軍と二軍なので滅多に一緒に練習できない。このキャンプはチャンスだから、聞けることは全て聞きたい」と懸命に食らいついた。
渡辺俊いわく「僕も同じようにコミさん、ジョニー、直さんからよく教わった。いわばロッテの伝統です」
入団前は渡辺俊も、プロは皆我が強く、先輩から教えて貰うなどありえない世界、と考えていたそうだ。
ところが、ロッテは違っていた。入団時には特別注目されていなかった投手が次々と一人前になり、今や投手王国といわれるのも、この伝統があるからだ、と渡辺俊は言うのだ。
それで思い出した。小宮山が入団したてで、元阪神の伊良部が伸び悩んでいた頃、先輩の牛島・現横浜監督がアドバイスを送り、二人はエースの座を分け合う存在になった。
天賦の才はもちろん重要だ。だが才能も伸ばさなければ、プロではなかなか通用しない。
コーチも含めて身近にいいアドバイザーがいるかいないか、その環境が選手の成長には最も重要なのかもしれない。
冨重圭以子の納得の一言(毎日新聞2/14日スポーツ欄より)
長文スマソ。