今年の高校生ドラフトで、巨人から4巡目指名された愛媛・済美高の
福井優也投手(17)が5日、入団を辞退した。同投手は昨年のセンバツで
優勝したが、指名順を含めた評価が低く、球団からの指名後の対応に
誠意が見られなかったことに反発。今年から発足した高校生ドラフトでは
最初の指名拒否選手となった。巨人のドラフト指名選手では昭和55年の
瀬戸山満年捕手以来25年ぶり。再建を託された原巨人にとっては、いきなり
出ばなをくじかれた格好だ。
巨人にとってはまさに想定外の出来事となった。高校生ドラフト4巡目で指名した
福井との入団交渉のためこの日、巨人・山下スカウト部次長が済美高を訪れたが、
学校側は本人が入団する意思がないことを伝えた。巨人は交渉を断念し、
入団拒否が決定した。
この日、学校関係者を通じて発表されたコメントでは「(4巡目指名は)大学社会人を
含めると7、8巡目にあたり、入団してもやっていけるかどうか自信がない」と指名順を
理由に挙げたが、10月12日に末次スカウト部長が学校に指名のあいさつに出向いたときは、
福井は笑顔を見せていた。両者になにが起きたのか?
父・俊治さんによると拒否に傾いた要因は、その後の巨人側の対応にあったという。
10月12日には末次スカウト部長(右)から指名の挨拶。笑顔も見られたが…
「こちらから電話するまで連絡は一度もありませんでした。もし(『4巡目だが評価はもっと上』など)
そういった誠意や言葉が伝わっていれば、拒否という形にはなっていなかったと思います」と
俊治さんは憤りを隠せない。
http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200511/bt2005110601.html