中村武志ファンクラブ本部スレ Part14

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558代打名無し@実況は実況板で
そして中村は静かにグラウンドを去った

名捕手が静かにユニホームを脱いだ。
昨年10月上旬、中村武志捕手が楽天から解雇を言い渡された。
それまでに18選手がチームを去っていた。
戦力調整を一通り終え、秋季練習に取り組んでいた最中の非情通告に「頭が真っ白になった」
くしくも、数日前に楽天監督就任が内定した野村監督の意向だった。
ヤクルト古田、阪神矢野を育てた名将は、ベテランの経験より、若手育成を選んだ。
「横浜では森さんからたくさんの知識を得ることが出来た。後は野村さんに学べていたら…」
一捕手として「野村の考え」を学びたかった。学べると思っていただけに、無念だった。
中日では長く正捕手として活躍し、2度のリーグ優勝に貢献した。楽天でも巧みな配球で有銘、朝井のプロ初勝利を引き出した。
だが往年の肩の強さはなく、故障がちだったのも事実。64試合に出場し、現役続行への手応えもあったが、
楽天以外に行き場はなかった。04年まで所属した横浜の2軍バッテリーコーチとして、第2の人生を歩む決断をした。
捕手で3人しか居ない2000試合出場記録まで、あと45試合だった。
球界の功労者に、引退試合などセレモニーは、何一つ行われない。
「寂しすぎる」の声が球界のあちこちから聞こえた。盛大に花道を飾るにふさわしい実績、名前もある。
ロッテ初芝が満員の観衆と涙した引退セレモニーを、テレビで複雑な思いで見つめたという。
拾ってくれた楽天には恩義を感じている。引退の場としてファン感謝デーが用意されたが、参加できなかった。
「長年支えてくれたファンには別れを告げたかった」
21年の現役生活にケジメをつけられなかったことが唯一の心残りだ。
「プロ選手は気持ちでやっている部分が大きいから。ここで骨をうずめたいと思わせる球団になってくれればいいね」
静かに現役と別れを告げたベテランからルーキー球団へ、最後の提言だった。