⌒
___ ( )
⌒ /,、,、,、,、,、,、 ヽ ///
( = l w l |
〜 ,l (・)∠ |_ |
( ⊂⊃ _ 6)
_ΤΖΖ\ )/ノ
∠ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ
ヘ _ |__ ノ |
/ヽ |  ̄ ̄ ̄ ̄ |
| 7)~~ |―――――--―|
`´` ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| ̄lヽ (_ _ ノ=ヽ
|―| | ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ _))
`− ´――――――――  ̄
「仲根、御前は首だ!」
,、,、,、
| _|__
/ ___ ヽ
, −、, - 、`l | ∩- っ
| (;)|(;) |-| | /\ _3
⊂`ニc`ニ、´ 6)/ /
ヽl____) ノ / 二二二___
/7lニ/ /
| ( 三三三二二――
|_ _ )
l⌒lヽ_ --― ̄ ̄ )_
| | | ヽ )_/  ̄T -⌒\
\ |_ -―  ̄  ̄ ̄ ┴-|_ | ⌒
ヾl_ ノ 二二二== )
「西本監督、助けて下さい!」
l | /
_ __
/ _  ̄ \ /_ _ ̄_ ヽv
/ _.//|/ニヽ ヽ l, - 、, -、ヽ | |
| /ニヽ ゚ノo<_ノヽキ _ ,| (:)|(:) |-/ |
| ├__⊥_つT( ヽ |`-c`- ´ 6)_/
| l/___ / ノ/\ .ノ l ε _ノ
/  ̄7 ̄O ̄ヽ / /` V  ̄7 \
| |┌──┐| | / /| ̄  ̄ / |
「いい加減芽を出すんや!」
「どうしたんですか、監督」
| / /
, -―――- 、
/ ____ ヽL
Τ _ _ \| l
|/ V ヽ | |
|| (:)|(:) |-| l
___ {`, -c `―_´ 6) _/
(_ ヽ__ \Τ ̄ ̄ ヽ ノ
( し、 |  ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄ ) ̄ ̄ヽ
ヽ_/_ |___ |_/ \_/ _ \
ヽ |\ \
「えっ、辞任されるんですか!?」
____ (___) ☆ ☆
☆ ) /  ̄ヽ
 ̄) 。 ヽ_ ノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /\ 。
/ \ ☆
/ \ ___
。 / _ _ \ /
 ̄| |_|_| | ̄ /
 ̄ ̄ ̄| .| |_|_| |_  ̄| 田
田 |/ ̄ ̄ ´`〜~´
いよいよ西本監督の引退試合となる試合が明日と迫ってきた。相手は西本が
かって育ててきた阪急、思えば因縁深い相手であった。仲根はその日、考えていた。
かって甲子園で優勝しながらも芽が出ない自分のことを。そして西本のことを。
――――――――――――――――― 、
__ ___ |
_ / _ _ ヽ _∠___ ヽ_ |
| / ,-(_ ・b・)、| , - , -、 | | | |
| | .王ミ | 、王 |・ |・ |- | | | |
| ヽ ヽ-―┴ ´ノ | -c -´ 6) / | |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
―――――――――――――――――、 |
「監督、眠れません」
「わしもや」
「トレーニングに行って来ます」
\|\
\|\|\ |
\|\, ― 、 /XXX /
_ \|∞ヽ |/XXX //
__(∞)_ C`= ´dXX //
XX ^― l i-、ヽ O− 、_) |\\
\XX / へソ XXX |\|\\
\ \ c´`l -´ XXX |\|\|\\
\、 \ ( &)XXXXX X |\|\|\
 ̄\、 ;´ `%}XXXXXX \|\|\
 ̄ ̄\、 ヾl\XXXXXXXXXXXXXX \|\
 ̄ ̄ ̄ \ /\ \XXXXX \
仲根は深夜のトレーニングに出た。西本はそれを後ろから見守っていた。
___ _
/ ____ヽ /  ̄  ̄ \
| | /, −、, -、l /、 ヽ
| _| -| ・|< || |・ |―-、 |
, ―-、 (6 _ー っ-´、} q -´ 二 ヽ |
| -⊂) \ ヽ_  ̄ ̄ノノ ノ_ ー | |
| ̄ ̄|/ (_ ∧ ̄ / 、 \ \. ̄` | /
ヽ ` ,.|  ̄ | | O===== |
`− ´ | | _| / |
| (t ) / / |
「わしの最後の近鉄への置き土産は御前のつもりやが」
「任せて下さい!明日どでかいホームラン打ちますわ!」
,-――-、 ___
{ , -_−_− / _ _ ヽ
.(6( /),(ヽ| / ,-(〃)bヾ)、l
/人 ー- ソヽ _ | /三 U |~ 三|_
/ / |  ̄_∧/ ヽ |(__.)―-、_|_つ_)
| | \/_/-、 / / /`ー--―-´ /
|-\ _|_ )_| / | // ̄( t ) ̄/
ヽ-| ̄| |_|_ / ,− | | ヽ二二/⌒l
/ l―┴、|__) | (__> -―(_ノ
/ `-―┘ / `- ´
/
「明日、頼むで」
「監督、こんなわしみたいなアホを見捨てずに教えてくれて・・・・・・有り難うございます」
, -――- 、 ,-――― -、
/ ____ ヽ l,VVV\. |
| / , - 、, - 、Τ l・)) 6) |
| |.-| +|< | | ☆ ( ) __ ヽ__|
(6U` -´っ-´、l |/ 」/∧∧/ ) /
ι \(  ̄ ̄Τノ/~~~,7 `、ー――´ /
ι /  ̄ ̄ >| ノ 7 ̄ ̄ ̄
/ ∩/7η \ /\/ ⌒
そして試合の日がやって来た。仲根はバッターボックスに入った。
「御前みたいなデクの棒が阪急から打てるかい!」
「わあっ、監督・・・・・・」
「仲根の声がしたわ・・・・・・」
「ジャンボ、行こか!?」
/ ̄ ̄_ヽ
/ , -(・)p・)|
| |三_|_つO
――――――――――――――― 、 > (__/ /
/⌒l | C´/ /  ̄0~|
, -―――-、 , -――-、 | | | (_ (__二三( )
| /VVVVV| | ,―_―_― | | |____________
| | ( ・)+{_ | |-( ゚)。_゚)| \ノノ / / / / /
(6 P| ||| (6 -―`_)‐―´‐、 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
八__⊂_/ ̄ ̄ |T∧7 ヽ| /⌒l |
/ \_∧| |  ̄ ̄ | / /| | | |
| | | / \/ | | | |
|__| | ´|爪| | \ ノノ
/, , ,ノ |
「いや、打つ。監督の為にも」
/7 /7/7
_ ⌒ /7 /ニ ニ7  ̄
__/ | ( ) | / /ニ _ ̄//7 / / /7
| 、 )ヽ/ ( \ ☆ || // /_//_/  ̄  ̄  ̄
| | ̄ | |/ / ___
| ̄ ̄l /⌒)  ̄ -――  ̄
/ ̄ ヽ、  ̄`、 ̄ ̄ ̄| ̄) / /^ヽ , -―――-、
/_ _ ヽ_|―――┴--´ (ヽ´⊂) ∨∨∨∨| | , - 、
____∠」/ | / ☆ / /| |\ / \ | >_(・) |_ | (⊃ _)
ξ⌒( // ̄ ̄/ `l / ☆ / / | | \ \ | ,`T` _ 6) \ \
 ̄∪  ̄ ̄ l´二,二 | \ 〃 〃 | | \. ( |王王土/ノ――´ ノ
|| >| < |―9) \ ( ) ./ || \ヽ二7| ̄7 /
l 二 二_/~ } \ \ _, | \ | o ̄ ~| ̄
` ―--― ´ \/^ \ ( ) | o |
し、 、_ゝ ゝ ノ | o |
しかし打てなかった。仲根は終わりかと誰もが思った。
「仲根はどうなるんや?」
__ | | | | || || | | | |
/,(・o(・)、ヽ | |=======
王 | 王| | | ||| | | | || | | | | |
ヽε ノノ | | ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄
/  ̄(t) |ヽ | |____|___
Ol´(ヽ7)|O |________
σ(__)_)
___ ---―――――  ̄ ̄ ̄ ̄ \
(  ̄ ̄\ -―――――――  ̄ ̄ ̄ \ \
\ ( ̄ \ \ ノノ ( ( ) ) \ \
\\ \ \
「仲根・・・・・・」
「どうや、これでわかったか」
, ―――-、
|∨∨∨|_.|
,-、 / (。)_(/) 6) , - 、
/ ミ | , `T` } p〃/
| ̄ |_人エエエ工フノ_| ̄ |
| ヽ∧/ /
 ̄ ̄| o | ̄
| o |
|___o____|
| ∩ |
|__ | |___|
⌒ (__| |__)
( ) γ ニ二二ヽ
, ―,ー――| / #。+ | ⌒
―――| |,-,――(6 -○○ ノ ( )
``´゛゛´´`゛゛´`´゛゛``´`゛゛´´´´゛
___
γ x ___ \
l ./, - 、, - 、⊂ ヽ
| | | +||< | {_, |
(6 ` -´っ-、´| /
人 # /二二lノ/
/ |  ̄7 ̄
_ .| | | / ̄ ̄ヽ
( _ |_| | ̄l_|___|
`-\ヽ / ̄|  ̄ |___|_
~///U |__ )
「まだだ、監督の為にも」
,-―――-、
V_V V_V
| 。 (。))
/ ⊂⊃
{ (_l__
_,_,_ \ )__ )
γ ___ ヽ/⌒
ミ / ,,, _,Τ| | |
| _| ミ ゚,l|.´+ | | | |v ι (6 #. ~^っ 、 }| _ |v ι >_ /二二7ノ / / |
/  ̄ ̄ ̄ ̄; つ
| ――――' ― ⊇
「この試合で打たないと・・・・・・」
/
, -――――- /
/ _____ミ/
ミ / /ナ=x _/ |/
| | キキ ゚キ| 十 |
(6 # xX/メ っ 、 ヽ _
\# / ̄ ̄ ̄/ ノ /∠-
ι / 二二二 ∠ -―  ̄ミ ニ
「監督が安心してユニフォームを脱いで家に・・・・・・」
____|__/
, -―  ̄  ̄ ヽ〃
\ / ヽ
|/ \v / ______ <
/ / __∠∠_  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Τ
| | [_____] # /\ |
/| | ∠/=≡x |/ #|
/ |_ | キミ .|| || |
/ ヽ_| |ハ キ -||- |
| 6 メ |ナ || |
\_ # ゛ミ=/k゛ つ # -、 |
| # _________/ /
ヽ # / / /
/ \ / / / ___
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「 | | 三| _| /| _L / _L_ヽヽ |
|┌┬┐ ,|´ | / _L \ | \ / / _ |
ノ 巾 / | |_ ( 」 ヽ | //\ノ / _ ・ 」
| | / _ _
| |  ̄| |_|_|
| | ( ⌒.) |_|_| γ⌒ ,
| | ( ) _ ( )
――― | |――――./ oo ヽ ――――――
| | | /⌒) ∩
| | C  ̄ ノ
| | (,、 _)
――― |_|――――――――――――――
「仲根ぇ、打ったんか?」
なげー割りにつまらんな
「打ったな、ホームラン。よう打った」
っ
_ __ っ
/ ⊃vvv | っ
| C>。(:) 6)- 、 ))
/~「(二つ ノノ^゙)ヽ /  ̄ ̄ ̄ \
|.γ  ̄ ξ/\ノ | /・)―- 、 ヽ
ヽ| |/ / ./ q`´ 三三 \ |
/^^^ / _/ ノノ ( _ -――、 ヽ |
/ /| ̄ | ___ ) | /
, ―、 /  ̄ ヽ /__||___| ヽ_ 二二 /__/
(__  ̄| ̄ ̄ ヽ/⌒)/(__(__| /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
 ̄ ̄ ̄ ̄/ _ / ( )_ |○
( ̄| ) ) -O.| _
 ̄ ̄ / _ -――( )
(  ̄ )  ̄
 ̄
阪急も西本に育てられたチームである。仲根の気持ちは痛い程よくわかっていた。だからこそ
今彼のホームランを認めたのだ。そして西本はそれを見た。仲根の心を。
>-――― - 、 ___
>_____/  ̄\
|, ―、, ―、/(/o(ヽ)―-、 ヽ
|| @| + ||ニ(( | ( ( 二二ヽ |
|` -c −´|- ) )| ) )―― | |
( ー――,(__| ( ( _, | |
> 二 ´_ ヽ  ̄ ̄ / ノ
/ | { ̄ ̄ ̄ ̄ ̄二二)
/ | `− ´―――― |
/_./ | |――┐ | |
(っ ) | | ノ | |-O
「監督、やっと間に合いました!打ちました!」
「ジャンボ、御苦労さん・・・・・・」
/ ̄ ̄ ̄ ヽ
__ /ヽ)―- 、 l
,―γ ___ヽー、 q`´ハ ミ ヽ }
| ̄ ̄| | |(/),(ヽ)| | ̄ ̄| <_))_, | /
| ヽ (6 ー ) ノ | ヽ ___/_ノ
-――  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄――- (t) ̄ ̄ ̄|
| ,―  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ― 、 | (/_ )/ / |
| | | | ( ) ○ |-o
| | | | `ー―― ´
| | | |
| | | |
試合は近鉄の勝利であった。仲根のアーチによって。そして西本の引退の挨拶が行われた。
近鉄だけでなく阪急の選手達も胴上げに参加したかってない胴上げであった。
__
,―γ ___ヽー、
| ̄ ̄| | |(/),(ヽ)| | ̄ ̄|
| ヽ (6 ー ) ノ |
-――  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄――-
| ,―  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ― 、 |
| | | |
| | | |
| | | |
| | | |
西本はユニフォームを脱いだ。闘将の幕引きであった。多くの栄光と共に。
そしてファンと選手達に優勝と希望を与えてくれて。
, -―――-、
( ,、,、,、,、,、,、,、 ヽ
___ |, -、, - 、 | |
/ ___ ヽL ||・ |・ |- |_ |
|, -、, -、 .| | { `-c - ´ 6)
|| ・|・ | |_ | \ヽ 7 ノ_<
{ `-c - ´ 6) /  ̄ ̄ ̄ヽ
/⌒)=(c⌒ ~) ノ / / | _
/ ̄ / ~~ ヽ / / | | | |
\ |⊂⊃__| | | | __ ―――|) |
 ̄|| ミ_ |__ ノ \/ )ニ ―― | ̄| ̄ ̄|_|
`―´
「監督は引退されたのね」
「うん」
仲根は打った。最後の最後でようやく西本の恩に報いたのであった。
マジでなげーな
やっと終わりか
/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ――――――
| 監督、今まで有り難うございました、わしなんかに ヽ
| けど、最後の最後で打ちました |
| だから……… |
\_ これからも近鉄とわしを見守っていて下さい ____/
 ̄ ―――――――――――――――― ̄ ̄
___
__ |\__ \
/  ̄ __\ \\ \
| /,二 ,二Τ \\ \
|_|__| /| ヽ| \| ̄ ̄ ̄||\
(6 `- っ- ´})  ̄| ̄ ̄||
/ \`――`ノ | ||
ノ /^ /⌒l ~)_) l ====l | ||\
| `、_^^ ノ | | [ ] | |__||
/__/⌒l | | |_||_||__|_ ||\
XXXXXXX| |― | | ̄ |_ / || || /l ||
XXXXXXXXXXXX` ― - | | | ) /__||_||_// ||\
XXXXXXXXXXXXXXXXXX|  ̄)  ̄ └―┬┬―┘ ||
XXXXXXXX` ― ´ _| |/7 ||\
ジャンボ仲根、一人の野球人として恩を返したのであった。