大ちゃんと俺の関係5

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143代打名無し@実況は実況板で:04/12/01 14:25:52 ID:DalvKNTU
>142の続き
「危ないなあ。近くで断りなく素振りするなよ」
大ちゃんは笑いながら俺をたしなめると、ティーの上にボールを置いた。
一回スタンスを取ったあと、思い出したように振り替える。
「そうだ。今日は二人で勝負しようと思ってたんだよ。
 負けた方が勝った方に牛タンをおごるんだ」
「ええっ?」
俺が渋るのも当然だと思う。
なにせ大ちゃんはヤマシタコーポレーションの跡取として、幼少の頃からゴルフの教育をされている。
当然、実力勝負なら大ちゃんの勝ちしか考えられない。
「ハンデつけるし、渋るなよ。そうだな?
 僕はイーグルスのヘッドコーチになったから、イーグルしばり。
 それ以外なら、そのホールはきみの勝ちでどう?」
「はあ?」
それでは逆に勝負にならない。100%僕の勝ちだ。
しかし、大ちゃんに勝ち目がないと指摘すると、大ちゃんはニヤリと笑った。
「果たしてそうかな? みんなが予想しない勝利、これ以上の快感はないね」
大ちゃんはスタンスを戻すと、目の覚めるようなナイスショットを放った。
俺はその姿に、横浜や楽天のようなチームに入れ込む大ちゃんの謎を知った気分になった。

そんだけ。
144代打名無し@実況は実況板で:04/12/01 14:26:44 ID:DalvKNTU
>>140
そのネタもよかったなあ。
145代打名無し@実況は実況板で:04/12/01 16:48:24 ID:PC/tCLcp
>>139、141-143
大ちゃんへの愛を感じるいいお話いつもありがとう



そんだけ
146代打名無し@実況は実況板で:04/12/04 01:15:24 ID:ob1fSFeh
147代打名無し@実況は実況板で:04/12/04 01:27:53 ID:4WEDUDrS
珍プレで、ウッズを必死になだめる、健気な大ちゃんが映ってて、 <br> なんだか胸が熱くなった。 <br> もうウッズも、大ちゃんも、横浜にはいない。 <br> <br> <br> <br> そんだけ
148代打名無し@実況は実況板で:04/12/05 23:45:43 ID:ZkG4AC7M
ウッズ、中日に行っちゃったね。


そんだけ
149代打名無し@実況は実況板で:04/12/06 00:03:10 ID:fooZ2qSj
150代打名無し@実況は実況板で:04/12/06 00:05:48 ID:fooZ2qSj
…途中で送信してしまった。

今までもそしてこれからも野球界では当たり前の風景なのに
いつも以上に寂しく感じるのはなぜだろう…

そんだけ
151代打名無し@実況は実況板で:04/12/06 16:09:14 ID:d+B53jQ4
また板に嵐が到来してるよ…

そんだけ
152代打名無し@実況は実況板で:04/12/06 19:05:56 ID:04aKJwGT
きっと、ウッズは中日でドミンゴのように花開くんだろうね。
大ちゃんも楽天で花開いてくれ



そんだけ
153代打名無し@実況は実況板で:04/12/07 22:10:05 ID:kPRo7gKZ
154代打名無し@実況は実況板で:04/12/08 15:40:51 ID:6oZksBiU
また大ちゃんから突然の連絡だ。
「お願いがあるんだ」と用件から切り出された電話は俺に使い走りを頼むような内容だった。
婚約発表をした村田選手に俺の名前でお祝いを贈ってほしいというのだ。
「でも、面識のない俺の名前で送ったって、受け取った方も戸惑うだけじゃないか?」
「あなたのファンです。ご婚約おめでとうって送っておけば、
 たいていの選手は不気味がったりしないよ。
 知らない人からのプレゼントなんて日常だからね。
 それに、村田くんの性格なら『俺様が祝ってもらうのはあたり前』ぐらいにしか思わないよ」
「ああ、それはそうかもしれないけど」
俺はしぶしぶ大ちゃんのお願いを受け入れた。
155代打名無し@実況は実況板で:04/12/08 15:51:36 ID:6oZksBiU
>>154のつづき
「でも、なんで大ちゃんが直接送らないんだい?」
俺の単純な疑問に、携帯の向こう側の大ちゃんの深い息遣いが応える。
「僕は横浜を捨てて、仙台に行った人間だから……」
「そんなの関係ないじゃないか!」
知らずに俺は声を荒げていた。
「大ちゃんが捨てたんじゃないだろ? 大ちゃんが、その……古巣の横浜から…」
「そうだよ。契約を打ち切られた。でも、2年連続最下位だったんだ。
 それは当然だろ? しかも、1年目は記録的大敗。次は佐々木くんも戻ってなんだから」
大ちゃんは向けかけたかさぶたを一気に剥くように、しかし静かな口調で俺に答える。
俺はそんな大ちゃんの弱気に半ば腹を立てて怒鳴った。
「でも、とにかく大ちゃんがベイを捨てたんじゃない!
 大ちゃんがベイに捨てられたんだ!
 それなのに、どうして選手にプレゼントひとつ贈るのを遠慮しなくちゃいけないんだよ!」
「そういうもんなんだよ!」
普段は穏かな大ちゃんの怒鳴り声に俺は黙り込んだ。
156代打名無し@実況は実況板で:04/12/08 15:59:00 ID:6oZksBiU
>>155のつづき
「僕たちは勝負の世界にいるんだ。
 もちろん、敵チームでも試合前の練習で仲良く話はする。同じ野球仲間だからね。
 後輩やかつてのチームメイトに声もかけるよ。
 でも、他チームのヘッドコーチである僕が村田くんに贈り物というのは別なんだ。
 今期はなくても、来期かその次、楽天がストーブリーグで村田くんを獲得しないとも限らない。
 そんな時、山下ヘッドが裏で画策していたなんて言われるのはイヤなんだ」
黙り込んだ俺に、大ちゃんはいつもの口調に戻って諭すように言った。
「使い走りを頼むようで君には迷惑なだけかもしれないけれど、僕のわがままをきいてくれよ」
俺は黙って大ちゃんの注文を聞き、大ちゃん指定の業者に俺の名前で注文を入れた。
送り先を村田選手にして。
157代打名無し@実況は実況板で:04/12/08 16:16:57 ID:6oZksBiU
>>156のつづき
数日後、大ちゃんから電話があった。
しかし、携帯電波の向こうの声はお礼の言葉とは裏腹に妙に歯切れが悪い。
「大ちゃん、何か言いたいことがあるなら言えよ」
大ちゃんがこういう口調の時は何か不都合があるのだが、
人に任せた手前決して口にすまいとムリをしている時だ。俺にはわかる。
案の定、大ちゃんはおずおずと聞いてきた。
「きみさあ。差出人の名前をキミの名前にしてくれたよね」
「もちろんだよ。なんのための代理注文だと思ってる?
 大ちゃん、俺のことバカにしてないか?」
「いや、僕もまさかと思うんだけど……」
大ちゃんのところに村田選手からお礼の電話があったというのだ。
「監督。あ、元監督。ありがとうございます。お祝いいただきました」と。
「おかしいなあ」
俺は注文した時の記憶を辿った。
『おふたりで召し上がってください』とメッセージをそえたすっぽん鍋セットと、
村田選手が使うようにとバットとグラブを俺の名前で贈っただけだ。
まさか、俺と大ちゃんの関係は村田選手も知る公然の秘密だったのか?!

158代打名無し@実況は実況板で:04/12/08 16:26:24 ID:6oZksBiU
>>157のつづき
しかし、そんな背中に冷や汗をかくような疑惑は大ちゃんの話の続きに消し飛んだ。
どうやら、村田はこう言ってきたらしい。
「エラー続きで落ち込んでた俺に奢ってくれたすっぽんの店。覚えててくれたんですね。
 あの時監督に言われた言葉で俺は立ち直れたんです。
 『エラーはない方がいい。ない方がいいが人間ならエラーもする。
  しかし、キミはHRバッターだ。そのHRでエラーを帳消しにすることができるんだ。
  すっぽん食べて力つけて、スッポンスッポン打てばなんてことないんだ。ハハハハハ』
 って、額を汗で光らせる監督の駄洒落があの時だけは寒く感じなかったっす」
「大ちゃん……」
そんなに印象深いエピソードのある贈り物をいくら他人名義で贈っても村田でさえ気づく。
「それから、バットのサイズやグラブの補正もぴったりだったって喜んでたなあ」
「何も知らない一ファンがそんなプレゼントできるわけないだろっ!」
俺は呆れた。呆れたと同時に、そんな大ちゃんが愛しくてならなかった。



そんだけ。
159代打名無し@実況は実況板で:04/12/08 17:18:53 ID:MJo0IKwP
素晴らしいお話有り難う。
本出せますよ。あなたなら。
160代打名無し@実況は実況板で:04/12/08 20:12:22 ID:geACCKrn
・゚・(つД`)・゚・
161代打名無し@実況は実況板で:04/12/09 12:14:24 ID:PkD4dP/b
たまにあがってると思って見ると素敵なストーリーが投下されている
こんな素晴らしい職人さんに愛されている大ちゃんと
その職人さんの作品を大ちゃんのおかげで読めるファンは幸せだと感じた







そんだけ
162代打名無し@実況は実況板で:04/12/11 09:34:07 ID:oFC6TrzP
捕手
163∬∬´▽`)ノ教えてお兄ちゃん:04/12/12 10:18:12 ID:GZICtXpN
164何を教えろというのだ妹よ(・▽・):04/12/12 21:55:49 ID:KGdI6evZ
165代打名無し@実況は実況板で:04/12/13 01:45:06 ID:EhiUhNeb
最近大ちゃん見てないなぁ、というかテレビすら見てない。

あの顔は癒されるななんとなく。


それだけ
166代打名無し@実況は実況板で:04/12/13 18:51:51 ID:9UGiwB3Y
デニー、トライアウトでモテモテだそうだね

そんだけ
167代打名無し@実況は実況板で:04/12/14 22:11:57 ID:l2pQavJs
大ちゃん


呼んでみただけ
168代打名無し@実況は実況板で:04/12/15 14:31:04 ID:NRy9BH9h
大ちゃんが疲れた顔をして俺のマンションにやってきた。
新球団の立ち上げで忙しい最中に俺の顔を見に来るということは、
それだけ大ちゃんの中にある悩みが大きい証拠だ。
俺はシウマイの進みが遅い大ちゃんに思い切って切り出してみた。
「素人の俺からは何もアドバイスできないけど、何でも黙って聞くよ」
大ちゃんはちらりと俺をうかがうと、おずおずと切り出した。
「キミだけじゃない。僕自身にもどうにもできないことなんだ」
俺は大ちゃんの目を見ながらうなずき、先をうながした。
「今思えば、プレイヤーだった頃はラクだったなあ。
 しんどくても、自分が練習や努力をすれば、必ず道は拓けたからね。
 ヘッドコーチ、監督、それから今はフロント的な役割もこなす新球団のコーチ。
 手をこまねいて待っていなければいけないことがどんどん増える気がするよ」
大ちゃんが気にしていたのは、やはり岩隈のことだった。
「そりゃあ、岩隈が来てくれたらイーグルスにとってはうれしいだろうけど、
 来たらラッキー、来なければそれまでって考えてみるのはどうかな?」
169代打名無し@実況は実況板で:04/12/15 14:32:03 ID:NRy9BH9h
>>168のつづき
俺の一言に大ちゃんは首を振った。
「僕が考えていることは戦力的なことよりも、むしろ気持ちの問題なんだ。
 元のオリックスや近鉄からやってきた選手は、
 激動の一年を終えて心機一転となったけど、それぞれ心にキズを負ったのは確かだよ。
 その中で唯一の救いは、古田くんたちと一緒に戦って勝ち得た成果が
 ともかくも誠実に履行されているということなんだ。
 自分たちは犠牲になったけど、そのために球界がたしかに変わったという証なんだよ」
俺は今度は大ちゃんの言葉に大きくうなずいた。
そして、グラスに残ったビールを勢いよく飲み干すと、音を立ててコップを置いた。
「ちゃんと言おうよ。大ちゃん。
 球界を思う元スタープレイヤー、山下大輔の意見を!」
「そんな単純なことじゃない」
大ちゃんは早口でそういうと、目の前のシウマイを親の仇をやっつけるように口にいれた。
「今僕がそんなことを言っても、
 貧弱新球団のヘッドコーチが岩隈ほしさに言っているとしか思われないだろ」
大ちゃんは辛子をつけすぎたシウマイにむせたのか、右手で鼻をつまんで上を向いた。
目頭には少しだけ涙が浮いている。
170代打名無し@実況は実況板で:04/12/15 14:33:04 ID:NRy9BH9h
>>169のつづき
俺は大ちゃんと同じように目の前に残ったシウマイをやっつけると、ある決意を胸に立ち上がった。
「大ちゃん、ドライブ行こう」
「え? でも、僕はビール飲んじゃったし、万が一、飲酒運転でつかまったらタイヘンだよ」
「大ちゃんに迷惑はかけない。俺が俺の車を運転する。
 大ちゃんはたまたまファンの車に拾われた気のいい元スタープレイヤーさ」
俺の笑顔に、大ちゃんは大きな目をさらにぐるりとさせて驚いた。
「キミの車って、キミ車を買ったのかい?」
「本当は仙台の初ゲームに乗り付けていって驚かそうと思ったんだけど、
 傷心のヘッドコーチのためにお披露目を繰り上げるよ。さあ、行こう」
俺はつい数日前、納車されたジャガーが眠る地下駐車場へと大ちゃんを案内した。
「すごい。新しいタイプだね」
車好きの大ちゃんの頬がたちまち緩み、目は輝きを取り戻した。
「気に入ってくれた? 天下の山下大輔を乗せるタニマチの車はこのぐらいじゃなきゃおかしいだろ?
 いくら熱心なファンだからって、大ちゃんが小さなポンコツの助手席で事故ったら、
 いったいどうしてこんな車にって、俺とのことが怪しまれるからね」
「でも、いったい……」と切り出しかけた大ちゃんは言葉を濁し、そして黙り込んだ。
しかし、俺にはその先に続くであろう質問はわかった。
『どうやってこんな車を買ったんだ?』
俺は、父親のベンツで初練習にやってきた大ちゃんのような御曹司でもなければ、
自らのバットとグラブで何億円も稼ぐようなスター選手でもない。
ただの、しがない、長期ローンで家を買う月給取りだ。
171代打名無し@実況は実況板で:04/12/15 14:34:02 ID:NRy9BH9h
>>170のつづき
俺は大ちゃんを安心させるように肩にポンと手を置いた。
「オータムジャンボが当たってさ」
「え? ほんと?」
「――って言いたいとこだけど、そんな幸運もないからね。リースなんだ。
 俺がこれに乗るのは仙台に行く時か、大ちゃんを迎えに行く時だ。
 もし、大ちゃんが仙台を離れて近くに戻ってきたら、契約は解除すればいいからね」
俺は大ちゃんを助手席に乗せると、ダッシュボードから車検証入れを取り出し、
その中に入れてあったリース契約者を見せた。
「ほら、だから安心して乗ってよ」
大ちゃんはしばらくその契約書をじっと見ていた。
そのまま1分あまりが経過した頃、俺は大ちゃんの視線をたどって自分の失敗に気がついた。
大ちゃんの視線は契約書の台紙にプリントされていたリース会社のロゴに釘付けだったのだ。
そこには紺と黄色のあの会社のマークがあった。
「気分転換させるつもりがゴメン!」
俺は急いで大ちゃんの手からそれを取り上げようとした。
しかし、大ちゃんは身体をひねって俺の手を避けると、なおも契約書を精読している。
172代打名無し@実況は実況板で:04/12/15 14:35:30 ID:NRy9BH9h
>>171のつづき
そして、急にクルリと振り返ると俺に向かって告げた。
「六本木へ」
「え?」
「六本木ヒルズへ行ってくれないか?」
「ああ、いいけど。どうしたんだよ」
フフフフと大ちゃんは髭面の口から押さえ切れない含み笑いをもらした。
「閃いたんだ。岩隈くんの問題を解決する秘策を。
 でも、それには三木谷さんの資金協力が必要になるからね。善は急げだ」
俺はジャガーのエンジンキーをまわし、一路、六本木を目指した。
途中、何度も大ちゃんに秘策の内容を聞いたが、
大ちゃんは例の含み笑いをもらすばかりで答えてはくれなかった。
そうしている間に、新車のドライブを味わう間もなく、
大ちゃんの含み笑いを乗せた車は六本木へと着いてしまった。
「ありがとう」
助手席を降りた大ちゃんは俺と新車を振り返ることなく、足早にヒルズを目指して歩きだした。
俺は少しのさみしさと大ちゃんの笑顔を取り戻せた満足をかかえながら、首都高の入り口を目指した。



そんだけ。
173代打名無し@実況は実況板で:04/12/15 20:42:27 ID:I1yrOq0e
乙です。すごく面白かったです。
174代打名無し@実況は実況板で:04/12/16 03:42:17 ID:yHZgLbzw
ラジオ聴き忘れた
orz



そんだけ
175代打名無し@実況は実況板で:04/12/16 06:12:40 ID:nvz3JSYp
>>137
何それ
176代打名無し@実況は実況板で:04/12/18 22:04:29 ID:TeCmkdIg
>175
ttp://mona-guild.hp.infoseek.co.jp/sasuga.html

ツクール2000で作られた、SaGa(GB)のパロゲー。
大ちゃん&03年横浜主要メンバーが出演してる。
大ちゃんズ以外にも、03年の野球板ネタが結構使われてる。
2ch発のRPGに抵抗がなければ楽しめるはず。

そんだけ
177代打名無し@実況は実況板で:04/12/18 23:24:57 ID:htQVQzJo
>>176
ダウンロードしたんだが、プレイしようとすると
「ファイル023は開けません」というエラーが出る。
スレ違いだけど教えてください。

そんだけ。
178177:04/12/18 23:49:25 ID:htQVQzJo
解決しました。
自分の頭の悪さにうんざりする。

そんだけ。
179代打名無し@実況は実況板で:04/12/20 21:16:25 ID:V5KpT8Kg
モー娘なんかより、
大ちゃんが見たい。


そんだけ
180代打名無し@実況は実況板で:04/12/20 21:25:43 ID:1x18kbVc
モー娘と一緒に大ちゃんも踊ってほしい。






そんだけ
181代打名無し@実況は実況板で:04/12/21 20:25:46 ID:ViKhzUkb
大ちゃんスレもうないの?
182代打名無し@実況は実況板で:04/12/21 22:35:14 ID:R15WoHVA
>>181

山下大輔ヘッドコーチとともに苦難を乗り越えてゆくスレ5
http://ex7.2ch.net/test/read.cgi/base/1103050185/



そんだけ
183代打名無し@実況は実況板で:04/12/21 22:54:45 ID:TvHCPFQJ
家に帰ってドアを開けた。

今日も暗い部屋には水槽のポンプがこぽこぽする音だけ。

俺のところにも大ちゃんが来る日があるのだろうか。
184代打名無し@実況は実況板で:04/12/22 00:38:09 ID:juI2tAIq
>183
・゚・(ノД`)ヽ(゚Д゚ )ヨチヨチ

そんだけ。
185代打名無し@実況は実況板で:04/12/22 14:30:01 ID:k0JZ1Cp+
サンタクロースなんかいないとわかったのは何歳の時だったろうか。
もうそんなことも忘れてしまうくらに、俺は大人を長くやってきた。
大ちゃんと俺の関係が俺たちの間だけの事実という大人の事情すら、
いつのまにか当たり前のように受け止めるようになって、もう何年も経つ。
俺はクリスマスが嫌いだ。
それは大ちゃんが俺だけの存在でないことを思い知らされるから。
いや、もっと正しく言えば、
俺が大ちゃんにとってプライマルな存在でないことを思い知らされるからだ。
チームのクリスマスパーティー。家族と過ごすクリスマス。
大ちゃんを囲む人々はたくさんいるのだ。
だから、俺のサンタクロースはいつだって宅配便の格好をしてプレゼントを持ってくる。
しかも、包装の上にはカムフラージュのために「快気祝い」いうのし紙が貼られている。
「お歳暮」として贈るには奇妙な品々が多いので、大ちゃんが考えた苦肉の策だろう。
それでも、そのプレゼントの到着ですら、
ここ数年の俺のクリスマスの楽しみになってしまったのだから、大ちゃんは罪なやつだ。
186代打名無し@実況は実況板で:04/12/22 14:31:07 ID:k0JZ1Cp+
>>185のつづき
今年も俺はケーキ屋で小さなケーキを予約した。
仕事帰りにケーキを受け取る時「息子さんと楽しいクリスマスを」と言われたのは
チョコレートのプレートに「Merry X'mas 大ちゃん」と入れてもらったせいだろう。
俺はケーキ屋の女の子に礼を言うと、その足で東急ハンズに向かい食卓用のキャンドルを買った。
店も街もすっかりクリスマスムード一色だ。
東急ハンズを出る頃には身がすくむような寒さの中に雪がちらつき始めた。
俺はマフラーを巻きなおして家路を急ぐ。
最寄り駅とマンションの間のコンビニで、すでに投売り状態になっていたローストチキンを買った。
家についてからテーブルに買ってきたものをセットする。
シャンパンのボトルを買い忘れたのに気がついたが、思いなおして冷蔵庫からビールを出した。
この食卓につく人間はどうせ俺ひとりだ。
俺の向かいの席には今年も快気祝いののし紙がついたプレゼントが置かれるだけなのだから。
プレゼントが届いてから火をつけようと思っていた俺だったが、
テーブルセットから1時間が経ってついにライターを手に取った。
キャンドルに火をつけようとした時、不覚にも涙がこぼれた。
大ちゃんからのプレゼントはまだ来ない。
大ちゃん、もう夜の9時だよ。
いくら夜間の時間指定配達を頼んでいたとしても、こんなに遅くなることはないだろう。
俺のこと忘れちゃったの。忘れちゃったのかな、大ちゃん。
たしかに今年は忙しかったよ。
生涯横浜かと思っていた大ちゃんにとって、新しい職場での初めての年だよ。
でも、せめて。今日までに何か頼むことはできるだろう?
そんな時間も取れないくらい忙しいのかよ。
プレゼントさえ置かれていないからっぽの席が涙で歪んで見える。
187代打名無し@実況は実況板で:04/12/22 14:32:31 ID:k0JZ1Cp+
>>186のつづき
そのとき、誰かの来訪をつげる玄関チャイムが鳴った。
ドアの覗き窓から外をうかがうと宅配便の制服をきた若い男が立っている。
「すいません。ちょっと待ってください」
俺は涙を袖でぬぐうと、なるべく顔を伏せるようにドアを開けた。
「サインか判子をお願いします」
配達員は厚さ2cmぐらいの横浜そごうの包みを手渡した。
不思議なことに今年はのし紙が貼られていない。
しかし、贈り主にはしっかりと山下大輔の名前がある。
書類にサインをもらった配達員は次の配達先へ急ぐのかそそくさとドアを閉めた。
俺はダイニングへの廊下を歩きながら、包装紙を破って包みを開けた。
「なんだよ!」
中身をみた俺が叫んだのもムリはないだろう。
デパートの包装紙の下からはもう一つ別の見覚えのある赤い包装紙が顔を出したからだ。
そう、崎陽軒のシウマイ詰め合わせの包装だ。
「なんだよ……」
俺は包みをぎゅっと握り締めたまま、もう一度泣いた。
なるほどのし紙がついてないはずだ。
プレゼントというよりお土産と呼ぶのにふさわしいものを贈るのにカムフラージュの必要などない。
大ちゃん、ひどいよ、大ちゃん。
欲しかったゴルフクラブ。TVで大ちゃんが着ていたのとお揃いのセーター。
今までもらったプレゼントには、一緒に過ごせないなりに大ちゃんの心遣いが感じられたのに。
こんなやっつけで買ったようなプレゼントならもらわないほうがまだいいよ。
その時だ。
俺の背後から、もう一度玄関チャイムが聞こえた。
188代打名無し@実況は実況板で:04/12/22 14:33:38 ID:k0JZ1Cp+
>>187のつづき
俺ははっとして振り返る。
もしかしたら、こっちは何かのお土産で、本当のプレゼントは別のデパートから届くのか。
俺は自分の希望的観測に自分であきれながら、玄関への歩みをすすめた。
都合のいい考えだよ。まさに稀な望みってもんだ。
俺が首を振りながら玄関をあけると、そこには誰も立っていなかった。
ついに幻聴まで聞こえるようになったのか。
俺が絶望的な気分になったその時だった。
「ホッホー、メリークリスマス!」
ドアの影から突然、太ったサンタクロースが踊り出てきた。
うわっ! 驚いた俺はとっさに目の前のサンタを突き飛ばした。
「いてっ! ひどいな。何するんだよ」
尻餅をついたと同時に赤い三角帽が脱げたサンタはみごとな坊主頭だった。
白いつけ髭と帽子でごまかされてわからなかったが、サンタは大ちゃんだったのだ。
「大ちゃん」
大ちゃんサンタは尻餅をついたまま、俺を見上げると驚いたように言った。
「ごめんよ。キミが泣くほど驚くとは思わなかったんだ」
「そうだよ。こんな手の込んだおどかしを用意しやがって」
俺は涙を素早く拭うと、尻餅をついたままのサンタクロースに手を貸した。



そんだけ。
189代打名無し@実況は実況板で:04/12/22 19:54:28 ID:vcTFI3kW
いつも乙です。


そんだけ
190代打名無し@実況は実況板で:04/12/23 02:04:38 ID:a5/19HAd
今さらながら気が付いた。

>俺が大ちゃんにとってプライマルな存在でないことを思い知らされるからだ。
>家族と過ごすクリスマス。

不倫の関係だったのか。

そんだけ。
191代打名無し@実況は実況板で:04/12/23 09:02:09 ID:ZeEZefSa
昨日初めてヤマシタコーポレーションのCMを見たよ。
なんか拙いアニメ調のだった。


そんだけ
192代打名無し@実況は実況板で
大ちゃんが
「ぼくの頭を食べて元気を出して!」と
自ら頭をちぎって食べて微笑んでた

                        ・・・夢を見た

そんだけ