千葉マリーンズ・バトルロワイアル

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844 ◆QkRJTXcpFI :04/11/03 03:57:52 ID:XMjNaqxQ
貼る予定だった話を書き直してたら
マーダー成瀬だった部分を他のマーダーに変えればいいだけだと気づきました。

でも今遊んでるのって川井か・・・。川井の話って自分だけ書いてていいもんでしょうか。
845代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 05:02:38 ID:zJeK5c3p
チョン球団失せろ!
846代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 05:47:12 ID:O60w4FgQ
2003年2月5日、ソウルのロッテホテルで開催された「2003世界平和首脳会議」開幕式のとき、
創始者である文鮮明総裁が基調演説されたみ言。
847 ◆UiBYvEJPvA :04/11/03 08:11:53 ID:gaHhJTYa
>829
朝起きたら続いてたのでびっくりしました!!
凄いです、感動〜
自分じゃこんなかっこよく書けませんもん
ほんとこれがリレー小説なんだなーって嬉しすぎます

今仕事忙しくなっちゃってるんで他の職人さんたちの話に癒されてます
848代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 09:19:52 ID:LNyw9J1t
俺の雅者が・・・俺の金澤が・・・
849代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 10:12:14 ID:hz+SX10r
>>847さんはすぐ上のレス見えないの?
ちゃんと読まずにリレーして発生した矛盾の修正に先に書いた話を直すっておかしくないか。
別にどっちでもいいんだけど。
ケータイだからか気づいてないのかも知らないけど、放置はないだろ。
850代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 10:53:58 ID:JUzgE5/f
そういえばその前に成瀬は洞窟に入って行った(>722)はずなのに、
突然浅間の居る小屋に来た(>822)も矛盾と言えばそうですかね。

無理やり補完しようと思うと、洞窟の中で分かれ道があって
藤田と違うほうの分岐に浅間の小屋があったと考える。
さらにこの話の後で、成瀬と藤田がまた会う話をリレーできれば
なんとか辻褄が合わないこともないかな?
そうなると今度は里崎寺本が置いてきぼりになりかねないけど、
その二人はまだ藤田とは接触してないからってことで・・・。

作中時間軸的には

>722(成瀬藤田)
↓------------------------------↓
>809-813(藤田・放送前) ↓
↓ >822-827(成瀬・放送後)
↓    ↓
↓-------------------------------
>827の直後の作中時間に、
藤田が成瀬の居る小屋に辿り着く

こんな感じの話でリレーできれば一応なんとかできるかも・・・
結構厳しいですけど。
851代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 10:54:56 ID:JUzgE5/f
スペース忘れてて思いっきりズレータ・・・
察していただけるとうれしいです orz
852代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 11:08:11 ID:6b9aNJGX
いや言わんとすることは分かるよ。
最終的には職人さん同士で話さないとまとまらんと思うが
◆UiBYvEJPvAさんが気づいてないみたいだから>>849で言ってみた。
このスレではこういうときって職人さん達はうまいこと修正してるけどね。
853代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 11:21:14 ID:N4KULes7
もう一個疑問が。


成瀬は藤田の撒きびしを踏んで右足ケガしてるっぽいのに、浅間のいる小屋には走っていったみたい。
…ごめん、素人丸出しな疑問で。
854代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 11:27:11 ID:6b9aNJGX
いや素人丸出しとは思わないよ。
そういえばびっこ引きながらって>>722に書いてあるな。
右足ケガしてても走れなくはないとは思うが。
855847:04/11/03 12:35:48 ID:QLD8pfo4
すみません…解ってたんですけど話がかっこよくてそっちに喜んでしまいました。
でしたら浅間の話はすべてなくしていただいて結構です。
これからはrom専門になります。
本当にごめんなさいですorz
856代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 13:01:44 ID:nLTeIRmZ
>855
喜ぶのはいいけど、気づいてたなら矛盾を放置したのはどうかと。
ツッコミ入らなかったら知らないフリする気だったのかと思ってしまう。
浅間取り下げでいいですってのも違くない?
あなたは取り下げでいいかも知らんが、その取り下げ対象作品に、他の作者さんが続き書いてるんだし。
あと、「ROM専に戻ります」って書いたら「辞めないでください」「気にしないでいいですよ」→「じゃ、またがんばりまつ!」とか
お決まりの流れになるのはミエミエなんだし、本気でROM専に戻る気なら、いちいち宣言しなくていいよ
857代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 13:01:45 ID:SaEz91Tg
他の職人さんでもよくみるが、簡単に取り下げとか言うぐらいなら最初からよく読んで考えてリレーしてほしいです。
その上で、妥協点を見つけて修正していけそうならそれでいいし、
取り下げろなんて言われてないのに批判されたり矛盾を指摘されたらすぐ取り下げるのは一番無責任でないかと。
解ってて無視はさすがにいただけないが、今からでもリカバリー頑張るのがいいんジャマイカ。

成瀬じゃなくて川井にするとか…やっぱ俺はセンスないなorz
858代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 13:10:59 ID:K7JcCpgv
結局どうなっちゃうの?
俺も個人的に、一回書いたものにはある程度責任を持って欲しいです。
職人さんたちの苦労に水さすようで悪いとは思うけど…
話があちこちで矛盾だらけになったら、全部の流れがいつかストップしてしまうかもしれないし。
そしたら完結に持っていけなくなるかもしれない。

それにその一つ一つの話を、喜んで読んでしまう俺みたいなのもいるわけだし。
後になって「あれはナシね!」といわれるのは残念です。
859代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 13:17:42 ID:N4KULes7
850氏の説がイイ(・∀・)!!と思う
860代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 13:41:13 ID:JUzgE5/f
川井に置き換えるにしても、浅間は生存希望リストに入ってるはずなので
大幅に書き換えないといけないのが肝ですね。
帰ってきて進展がなかったら850の筋で少し考えてみようかな・・・・
他に修正案とかフォローとかあったら投下お願いします。
861代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 13:44:47 ID:JUzgE5/f
浅間じゃない成瀬だorz
ごめんなさい860は忘れて・・・
862 ◆CLM31pWOr6 :04/11/03 14:42:04 ID:bKKCeWzv
空気を読まずに提案してみるテスト。

進行の柱になるグループが大分決まってきてるんで、
それぞれのグループの職人様同士の
イワユル「書き手専用すり合わせ板」のようなものが
あった方がええのか? とか思っております。
作るのは簡単なんで職人の皆様、ご一考下さいまし。

要望スレの案件放置するな、というツッコミはなしの方向でおながいします


正直リレー小説は一人で書くよりカナーリ難しい。
自分も書こうかと思いましたが、
話遡ったり武器の資料集めたりするのがマンドクセ('A`)
で断念しましたorz
863847:04/11/03 15:01:26 ID:QLD8pfo4
宣言するってゆーか言わないで消えたらまたそれも何か言われると思いまして。
意見言われる方の通りですが自分はこれからどうしていいか解りません。
謝って取り下げ言ってそれでも何か言われるし…

自分の話としては、また成瀬が洞窟付近で藤田とばったり…みたいにつなげられたらな〜と思ってたんで
それにこんな自分にガンガレ言う人もいないと思ってまつから

混乱させてすみません
864代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 18:32:11 ID:isMUt8am
保守
865代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 19:47:12 ID:95gq41DC
「書き手専用すり合わせ板」あったら便利だと思う。
結局かみ合わない話が乱立すると、読み手も書き手も混乱してしまうし。
相談すれば、リレーしにくそうな話でも、上手くつなげられるんじゃないかな?

あと出来たら地図が欲しいですな。
島の地形とか、大体の方角・建造物などがわかるといいなあ・・・
866 ◆CLM31pWOr6 :04/11/03 19:57:06 ID:f5j8PUxR
>>865
地図、作ろうとしましたが余りにも情報少なすぎて断念しましたorz
とりあえず島の北側は断崖絶壁のようです。
地図もよってたかって作ったほうがいいのかもしれませんね。
867代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 20:02:24 ID:95gq41DC
>>866さん、お疲れ様です。やはり難しいですか・・・
何度読み返しても謎なところがあって、どうしようかなと思ってたのでした。
よってたかって作れるならそれがいいのですけどね・・・
868代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 20:50:31 ID:uFXj33sp
北側が崖ってだけだけど、

ttp://www.tokaikisen.co.jp/introduction/kozushima.html
これを、適当に縮小して、いじってみるとか。
869 ◆vWptZvc5L. :04/11/03 22:35:35 ID:isPGQ6cN
俺の将海が…
870代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 22:53:58 ID:zJeK5c3p
チョン球団失せろ!
871代打名無し@実況は実況板で:04/11/03 23:10:52 ID:N4KULes7
定期荒らし乙
872代打名無し@実況は実況板で:04/11/04 00:16:28 ID:+94sBmm4
第三者の書き手なんですが、駄文ではありますが
藤田成瀬の再遭遇までちょっと書いてみました。
とりあえず叩き台として投下してみてもいいですか?
873代打名無し@実況は実況板で:04/11/04 00:20:45 ID:+TgLoor0
俺は大歓迎です
874落とし穴(1/2) ◆h9KcvsENgk :04/11/04 00:51:42 ID:+94sBmm4
かすかな光差す、しかしそこは期待していたような出口ではなかった。
天井が崩落したのだろうか、そこから光と雨が差し込んでいる。
見上げてみると高さは5mほど、穴は草や茂みで見えづらくなっているが
人一人が通り抜けられるくらいの幅はありそうだった。
(天然の落とし穴か…こんなの見たら森の中もうかうか歩けないよな)
洞窟の先はまだ続いているようで、先は暗くて見通せない。
藤田はもうこれ以上暗闇には居たくなかった。
少しでも気持ちが揺れればもう一人の自分にまた会いそうで。
後ろからの追う足音や気配もいつの間にか感じなくなっていた。
だから、この暗い洞窟を先に進むという選択肢はなかった。
幸いに壁は上まで緩やかな傾斜で木の根や足掛かりになる岩もある。
藤田は意を決するとゆっくりと足場を定め、登り始める。
上からかすかに放送の音らしきものが聞こえる・・・急がないと・・・



 ゲームの主催者に仇討ち? ハッ・・・腹に爆弾抱えて何言ってんです
 浅間さんはそんな理想論に、逃げちゃってるんですね

成瀬は浅間の背中に向けて言いたかった。しかしもう届かない。
鳩尾に一発入れられた成瀬は、なかなか立てなかった。
(こんな状況で居ない人間に悪態ついてる僕ってのは・・・惨めだな)
ようやくダメージから回復したころにはもう浅間の姿は見えなかった。
成瀬はデザートイーグルを拾いなおす。
まきびしの傷の残る足では反動に踏ん張りきれず、どうやらまともに当りそうにない。
それでも今、自分が頼り信じるものはこの銃弾だけだ。
あの人は逃がさない。自分の手で仕留める。
そう自分に言い聞かせる。
彼はバッグを担いで、洞窟ではなく今度は森の中へ
片足を引きながら浅間を追って再び歩いていった。

ただ前だけを見据えて。
875(2/2) ◆h9KcvsENgk :04/11/04 00:52:35 ID:+94sBmm4


はぁ・・・はぁ・・・は・・はぁ・・
息が切れる。
緊張感もあるが、思っていたより壁のぼりというものは消耗している。
降り始めていた雨で、岩が湿り滑りやすくなっていた。
藤田は2/3ほど登ったところで、太く突き出していた根に体を預け小休止していた。
高さにしては大したことはないのに結構な時間がかかってしまっている。
後ろから誰かが追いかけても来ていないのが幸いだった。
よし、地上まであともう少しだ。早く登ろう・・・
そう考えて上を見た矢先、足音が聞こえてきた。
さっきの新人に追いつかれた?
いや、音は上からだった。出口の近くに誰か来たのか?
藤田は身を潜める。

と、

突然目の前に穴から誰かの足が落ちてきた。。
それは藤田の肩を蹴る形になりながら落下してくる。

「うわああああああああー」
悲鳴の二重奏。
上から圧し掛かられた形の藤田はこらえきれずに足を踏み外し
二人おし重なるように下まで落ちて

ドサッ


したたかに腰を打った。誰かが折り重なるようにして上に倒れこんでいる。
藤田は混乱する頭で、落ちてきた人間に目をやった。

「背番号60」
876代打名無し@実況は実況板で:04/11/04 00:55:52 ID:+94sBmm4
とりあえず投下。駄文失礼。
指摘よろしくお願いしますです。
877 ◆QkRJTXcpFI :04/11/04 01:20:20 ID:fYhdgWAd
>>876
しっかり繋がってて良いと思います。
続きはどうされますか?


なんか自分の書き込みからエライ流れになってますがとりあえず意見を。
展開のすり合わせ板、補完地図、あと各人の行動経過表などがあれば、リレーでこんがらがりにくくなると思います。
ただし保管庫さんお一人で全部やるのは、話書くよりはるかに労力いると思うので
名無しさんで経過をまとめるだけでもやってくださる方がいるといいと思います。

人任せなのは承知してますが、職人さんも増え文章量も増えてきてるので
補完してまとめる人も増えていかないとバランスが保てませんし。

矛盾や破綻がなく書くのは、私含め職人さんには最低限の義務だと思います。
取り下げもしないような覚悟で書いてます。
でも混沌としたまま量が増えていけば、この先何度も起きる事態だと思います。
誰かまとめの補助、できる方いませんか?

自分でやれよと言われればそれまでですが、言わせてもらいました。
878 ◆h9KcvsENgk :04/11/04 01:52:19 ID:+94sBmm4
>>877
どうもthxです。

ここまで書けば、時間的にはとりあえず急いで進めなくても
いいかと思って一旦切りました。
続きはリレーしてもらえるなら、どなたか是非。
誰にもしてもらえなければそのうち自分で書きますけど。



行動経過に関しては、保管庫さんに作っていただいたエクセルを
書き手が逐一参照していくのが今のところ現実的でしょうか。
(◆CLM31pWOr6さんに手間掛けさせます orz)
地図は、ないとあとから矛盾しそうでうかつに地理に関すること書けないんですが
あったらあったでいろいろ制限が出てきちゃいそうなのが難しそうですね・・・
879 ◆QkRJTXcpFI :04/11/04 02:21:32 ID:fYhdgWAd
>878
とりあえず私が書かせてもらっていでしょうか。
四郎&里崎に藤田を挿入したり妙に関連付けて書いてる途中だったので、繋げないとどうにも収まりが・・・
私の個人的な感情ですけど。


地図は・・・序盤に適当に地形に関することも書きましたが
なんといっても適当で・・・orz
880代打名無し@実況は実況板で:04/11/04 02:51:17 ID:+94sBmm4
>879
どうぞどうぞお願いします。むしろお借りしましたというか。

あんまり予約っぽいのも微妙かなとは思いますけど
構想もあったようですし。。。
881代打名無し@実況は実況板で:04/11/04 08:47:06 ID:eF/fp2kw
俺の想像なんですが、
・北側は崖
・南側は海岸あり(薮田神が出発したのはここ)
・北側崖のそばには灯台
・崖には洞窟(深い?)
・島の中心にはスタジアム
・市街地には民家・郵便局などあり、港も?

今まで読んだ内容からこんな感じなのかなと思ってます。
で、スタジアム周囲はわりとうっそうとした山というか森というか??
そこに川が流れてるようですね。

じゃあ最初タスクが居たのは北側方向の山の上なのか・・・?
882代打名無し@実況は実況板で:04/11/04 10:50:22 ID:/rTqE5L1
こんなスレ立ちました。
各球団の「バトルロワイアル」スレを見守るスレ

ttp://ex7.2ch.net/test/read.cgi/base/1099509309/


1 代打名無し@実況は実況板で sage 04/11/04 04:15:09 ID:3DOQ/pE+
神職人の名作、凡職人の凡作、名無しがなんか自治議論してる、批評はどこまでアリか、その他。

現行のバトロワスレの情報を集めつつ
内容や運営に関する感想や批判や情報交換や議論まで。
本スレの進行の妨げになりそうな話はここで。

でも陰口はほどほどに。基本的には神職人さんへ感謝の精神を忘れない。

883雨が冷たい1 ◆prGJdss8WM :04/11/04 15:19:27 ID:DtB7Pm83
湿った地面の上にずっと座っていると尻が冷えてくる。あまりいい気分ではない。
たまにぽつん、落ちてくる雨だれは、木の葉の上にたまったものが溢れ落ちたと言うべきで、その度今江は首をすくめてしまう。
それでもまだこの木の下は、雨宿りにはちょうど良い。
この雨のせいで行動範囲が狭められているのは皆同じなのか、今日はまだどこからも銃声を聞いていない。
傍らの西岡は不快そうだ。そんな気配だ。問えば、「水がにごる」と一言だけ。
言われて見れば確かに、清流と言って良かったほどの小川は、今は茶色い渦を巻きながら流れていた。
「…あんまり運は良くなさそうですね」
またぽそりと言う。背中合わせの状態なので、どんな顔かはわからない。
「運?」
「ゴリさん、自信ある?」
「どうやろな」
「それも実力のうちですよ」
やたら老成した言い分に、今江は少し肩をそびやかして答えた。

「…メモ」
ふと思い出して言った。また振り向かず西岡が言う。
「え、メモ?…何が」
「思い出した。…大事なことなんや」
「大事なことなら何で今頃…!」
「すまん。ぶっ飛んでた。川井さんがメモ持ってた!」
がばっと振り向けば西岡は鋭く「前!」と言う。彼は微動だにしない。
お互いの背中を守るため、自らの180度の視界は保ったままだ。
「…生き残りの10人の、リストやって言うてた」
西岡の冷静さに気圧されたように、今江はまた川の方に胡坐をかく。ぴたんと手の甲に雫がおちる。
冬の雨の冷たさと物悲しさを、今更ながら思い知る。
「生き残りリスト?」
さすがに今江の言葉が引っかかったのか、西岡の声に押し殺したような響きが混じる。

「俺、見た。川井さんがそれ見ながら、…正人さん殺す、こと、考えてたの」
「…正人さんは、そこに入ってなかった、…んか」
884雨が冷たい2 ◆prGJdss8WM :04/11/04 15:20:09 ID:DtB7Pm83
「直さんは、正人さんと間違って、やられたって…」
沈痛としか言いようのない重みが二人の肩にのしかかる。お互い世話になった身だ。
「めっちゃ、優しい人やったのに」
今江が言っても、西岡は沈黙に沈んだままだ。
決して目立たなかったけれど、いつでもニコニコしながら自分達の面倒を見てくれていた人だった。
同じ関西出身という気安さもあったし、ポジションが近いという共通点もあった。
繋ぎ役として貴重と言われるのは不本意だったようだが、決してそれを嫌味に感じさせない人でもあった。
自分も西岡もどちらかと言えばマイペースのほうだ。それは野球に関しても性格に関しても。
何かあったときそれを、細かくフォローしてくれて、そして喜んでいてくれたのはあの人だった。
「アホみたいえ」
西岡がふと、京都言葉で言う。
側にこいつがいるから、そんな風に思い出してしまうのかもしれない。
「俺が?」
「俺ら。…つめたっ」
首筋にでも雨がかかったのか、彼が肩の辺りをぬぐう気配がする。
「アホみたい。…死なはってから、大事に思っても」

ごうごうと、川の流れが言う。葉の上を踊る雨はパラパラと言う。
手の先が真っ先に冷たくなり始めていた。

「…水がにごったら、何が嫌やねん?」
先ほどの発言を聞いてみた。
「飲めんくなるやん。生死に関わるでしょ」
「そうか」
納得してまた黙った。西岡は冷静だ。悲しいとか寂しいとか、感情のまた別のところで、現実を確実に把握している。
「生き残りリストか」
今度は彼が言う。
「…後悔してない言うたら、嘘になるんですよ」

西岡の呟きの意味がわからず、今江は黙ったままでいる。見上げれば木の葉の間から見える空は、朝よりも薄暗さを増している。
そこから銀の糸のように雨が落ちてくる、その尾が見えた。
885雨が冷たい3 ◆prGJdss8WM :04/11/04 15:20:58 ID:DtB7Pm83
「誰かを殺したら、その分の重みを背負っていかなあかんことくらいわかってます」
西岡の告白。そうとしか思えない。
「それにね、多分大事な人も大事なもんも、みんな持ってるんですよね」
「譲れへんくらいにはな」
「きっとね。そんな人それぞれのもん全部なんて、俺は全然理解できひんのですけども」
そこで彼は言葉を切った。息を止めるように何かを探っている。
意識の深いところを手繰って、言葉を求めている。
「俺は死ぬ気はないんです」
「…うん」
「わからんことが多すぎるし。知らんこともいっぱいあるし。諦めてもないし」
「……。」
「自分の大事なもん、まだわかってないし」
今江は渦巻く川の流れに目をやった。水音はパラパラと、そしてごうごうと。

改めて言われるとわからなくなった。それは自分の最も足元を形作るものだった。
熱いものを受け取って、悲しいことを飲み込んで、理不尽な現実と戦うことは決めた。
それでもそのあと自分の手に、一体何が残るのかと思えばわからなくなる。何を残すためなのかも。
「人殺したの、後悔してないわけやないです」
また西岡が言った。ぽつりぽつりと言うくせに、その声に段々力がみなぎってくるように感じるのは気のせいか。
「殺したかったわけでもないです、ただ」
俺は諦めたりできひんから、もう一回そうなったら、きっとまた発砲すると思う、西岡は言った。
後悔していると口に出す。それでもしっかり、自分の意志を受け入れている。
「俺にかてきっと、大事なもんがあるんやと思うから」
強い奴だなと思った。

「生き残りリストのことなんすけどね。今江さん、入ってたんとちゃいます?」
「…なんでそう思う?」
「そら、アンタが生き残ってるからですよ」
呆れたと言わんばかりに肘で背中をつつかれた。瞬間西岡の体温が伝わってほっとした。
「ほかはわかりますか?」
「そこまでは見てない。直さんは入ってたらしいけど…」
「ふん…、ほな川井さんとっ捕まえて、締め上げるのが一番早いですね」
886雨が冷たい4 ◆prGJdss8WM :04/11/04 15:22:10 ID:DtB7Pm83
西岡は淡々と言うが、その状況を考えると今江の頭に血がのぼる。頬が熱くなる。
こめかみのあたりで血管がうずくようだ。思い出すのは抱え込んだ直行の全体重と、正人の笑った死に顔。
胸で息をする。こもった熱を追い出そうとする。
息が膝のあたりに当たって、自分でもその熱気を感じた。そんなところだけは冷静だった。
こふっと歪な今江の息に、西岡は反応する。
「…殺しなや」
「何でや」
「不利になるからや」

「…そんなんどうでもええやろ!!俺は許せへん!!あんな、っ…」
「わかってる。わかってる」
淡々と繰り返す西岡の返事に今江は逆上した。
何がわかっているかなんて、そんなことはありえないと思う。
「わかってへん!!お前っ、直さん…っ、正人さんも、死ぬとき、笑ろてはったんやぞ!?」
「だから何や!?俺やったら、助けられてたかもしれへんやろ!!」
振り向いて西岡の肩を激しく揺さぶる今江を今度ばかりは止めはせず、彼も叫ぶ。
「あんたやのうて、俺やったら!?」
それでもやっぱり前は向いたまま。

「せやろな…笑ろたはったやろな…あのひと、優しかったからな…」
西岡の背中に、ユニフォームの7のあたりに、雨水のしみが出来ていた。
耐えていたのは冷たさだけじゃなくて、そんな。

「冷静になりましょ。…誰がリストを作ってるンか。何で川井さんがそれを持ってるんか」
「…西岡」
「前向いて、聞いて下さい。もし川井さんが、このゲームの外にいるとしたら」
「うん」
「あの人が鍵や。やる前に全部吐かせる」

「…後悔しましたか?」
またしばらくして西岡は言った。何をと問えば、ため息のような大きな呼吸をした。
「力不足やったって。生意気言うてすんません」
887雨が冷たい5 ◆prGJdss8WM :04/11/04 15:22:56 ID:DtB7Pm83
後悔はしていた。その前に死んだ友人のことをも含めて。
しかしそこに行き着くまでに西岡の何倍もかかったのだ。後悔できるまでにまる1日も。彼の言葉が正しいと思った。
あの時確かに、あの場にいたのが自分ではなくて西岡だったとしたら、最悪の結果にはならなかったかもしれない。
「…お前は、すごいな」
ボソリと言ったら、彼はそんなことないと言った。
「俺はゴリさんにはかなわへんよ」
「西岡?」
「…アホやん、俺。殺してから大事に思たって、死なはってから大事やってわかっても」
ゆっくり振り返れば彼は、膝を抱えて顔を埋めていた。前を見ていなかった。
ぽつんとその、日焼けから逃れたうなじに大粒のしずくがはじけた。すっと流れてユニフォームの、黒いアンダーに吸い込まれていく。
ぬぐってやりたかったが、触れるのが何となく怖くて、今江はじっとそれを見ていた。
色の抜けた長めの髪は、ただ呼吸とともに揺れているだけだった。強い奴なんだとまた思った。

背中合わせだったから言えたのかもしれない。

その時どこかから、鳥の断末魔のような心底からの叫びが聞こえた。今江が我にかえるその前に、西岡が膝を立てて身構える。
「…かかったか?」
声を追うとそれは、大きくなったり絶え絶えになったりしながら、どうどうと流れる川を越えて伝わってくる。
「かかった?」
「簡単なブービートラップですよ。アンタ見てたでしょ?」
西岡が片方の眉をしかめて言った。そういえばここに来るときに彼はなにやら、草を結んだり木の枝をたわましたりしていた。
「どこで習ったんやそんなん…」
「大阪桐蔭で。PLは教えてくれへんのん?」
言いながら行こうと目配せする彼に今江は肩をすくめた。
「嘘つけ」
雨空を見上げながら、今江は先に飛び出した。
888 ◆prGJdss8WM :04/11/04 15:26:48 ID:DtB7Pm83
西岡今江コンビ続き書いてみました。話としては全然進んでないんですが・・・
このあと川井やら垣内やら浅間やら、お借りしてもよろしいでしょうか・・・?
他の職人さんがたがリレーしてくださっても結構です。
889洞穴の中で2(1/5) ◆QkRJTXcpFI :04/11/04 18:52:26 ID:vNoculam
「60番・・・!」

藤田宗一はその少年を覚えている。
洞穴の入り口で襲われ、命からがら逃げてきた。
この少年が追ってくると思って、洞穴を急ぎ歩いてきたのだが・・・
「なんで上から落ちてくるんだ?」

藤田の横には成瀬善久が仰向けに倒れていた。
気を失っているようだ。
藤田は岩壁の途中から滑り落ちて腰を打っただけだが、彼は藤田に折り重なるようにして頭から落下したのだ。

「すぅ・・・すぅ・・・」
成瀬の呼吸音が聞こえる。大柄な体とはいえ10代の少年のあどけなさの残る寝顔である。
「こんな子が・・・俺を殺そうとして・・・撃ったのか・・・」
藤田の記憶がよみがえる。正気を失った目で、銃口を向け引き金を引く姿。
藤田は体を少し震わせた。
「今なら・・・」
傍らには成瀬の持っていたデザートイーグルが落ちている。
成瀬はまだ目覚めていない。
全くの無防備、隙だらけ・・・。

「今なら・・・、逃げられる!」
藤田は自分が登ろうとした岩肌を見た。
成瀬と共に落下したため幾らか岩肌は崩れたが、登るのにまだ支障はなさそうだった。
その上には地上へと出る穴が開いている。
「よし、行けるぞぉっ!」

―ミシ、ミシシッ・・・ガラッ!ガラガラガラガラッ!
藤田の出した大声と共に、地上へと出る穴の周りから岩が崩れだし、岩壁の上に次々と落下する。
「うわああああ!」
藤田はとっさに成瀬を引っ張りながら奥へと逃げた。
崩落の終わった頃、地上への穴も、その前にあった緩やかな傾斜の岩壁も、デザートイーグルも、新しい岩壁となっていた。
890洞穴の中で2(2/5) ◆QkRJTXcpFI :04/11/04 18:54:56 ID:vNoculam
「ああ・・・」
目の前には5mほど上の天井にある一筋の光と、とても登れそうにない急な岩壁。
藤田宗一の地上へと出る希望は、岩と共に文字通り崩れ去った。

「うぅ・・・うぅ・・・」
横にいた成瀬がうめいた。
(やばい!起きる!?)
ただでさえ嫌気が差す暗闇の中、自分を殺そうとした相手と出口のない空間に2人きり。
(とりあえず、この成瀬って子が起きる前に、元きた道を戻ろう・・・)
藤田は袋から取り出したライトを点けると、足音を立てず成瀬から離れようと歩き出し――
「・・・お前・・・こんなトコにいたのか・・・」

「うひっ!」
瞬間に藤田の体が硬直し、一瞬で冷や汗が吹き出す。おそるおそる、後ろを振り返る。
「杉原・・・お前・・・こんなトコにいたのか・・・」
成瀬の体はまだ寝ている状態のままだった。
(寝言・・・か?)
藤田はホッと胸をなでおろした。
「三島・・・藤井・・・。 誰だ・・・誰だ、お前達を殺したのは・・・
 憎いよ・・・仇を討ちたい・・・。でも、僕に人を殺すなんてできない・・・」
逃げることも忘れ、藤田はその言葉に耳を傾けていた。

「そう・・・成瀬善久は・・・自分の中のタガが外れていくのを感じた・・・。
 成瀬善久の内面は・・・恐るべき変化を遂げていた・・・
 成瀬善久は・・・『仲間の仇討ち』などという大義名分を捨てた・・・血に飢えた殺人鬼と成り果てた・・・
 そう、成瀬善久は殺人鬼になったんだ・・・仲間の仇を討つために・・・」

藤田は困惑していた。
成瀬自身をナレーションするような成瀬の言葉。その矛盾した内容。
そしてライトで照らした成瀬の目に光る、涙。
藤田は理解した。
「成瀬善久・・・君も・・・逃げ続けていたんだな・・・。」
891洞穴の中で2(3/5) ◆QkRJTXcpFI :04/11/04 18:58:17 ID:vNoculam
「うん・・・、・・・なんだ?」
成瀬善久は目を覚ました。
自分の体が揺れている。何かをつかんでいる。空気が動いている
(移動してる?どうやって?)
足は動かしてない。
「ん・・・起きたか、成瀬くん」
(背負われてる。誰に?)
「離せ!誰だお前は!離せ!」
「おっと」
成瀬が暴れたため、背負っていた人間はバランスを崩し手を離す。
そのまま成瀬は地面に足をついた。、
「俺は藤田宗一、君に撃たれそうになって逃げたヤツだよ。
 君は穴からこの洞穴の中に落ちて気絶していた。
 僕は出口を探して君を背負ってたんだ。いやー、疲れた。」

「・・・なんで、僕を助けた・・・。僕は殺人鬼なんだぞ・・・」
「成瀬くん、君は・・・誰か殺せたのか?」
「・・・いいえ」
「ははっ。それは殺人鬼とは言えないぞ。」
「僕は殺人鬼だ!ひ、人の命をなんとも思わない、さ、殺人鬼で・・・」
「『仲間の仇討ち』のために人を殺すんだろ?
 人の命をなんとも思わない殺人鬼が?」
「う・・・うるさい!僕は殺人鬼だ。お前も、誰でも、みんなみんな殺すんだ!」

成瀬は暗闇の中、猛然と藤田につかみかかる。
しかし右足裏に走った痛みで、そのままつんのめってしまう。
抱きとめた藤田が、左手で成瀬の胸ぐらをつかんで壁に押し付けた。
「君は殺人鬼になんかなっていない。
 そんなのは君が必死で作り上げた、もう一人の君の幻影だ!
 この殺し合いへの恐怖と、仲間が殺されたことへの憎しみ、どうしようもない感情から逃げるために!
 自分が殺人鬼だと思い込んで、自分自身の心を見つめることから逃げてるだけだ!」
892代打名無し@実況は実況板で:04/11/04 18:59:32 ID:HbwZFowJ
各人物(グループ)の現在地が大体判るだけでも、職人さん書きやすくなるかな
あとは流れのまとめと、地図ですね。
特に位置(北側とかスタジアム近く)とか指定してある場所以外は、そこまで悩まず作って平気なのかな?
“森”にしても色んなヶ所にあるだろうから、各々の話に森が出てきても“同じ森”とは限らないでしょうし
自分は地図とか作れる環境じゃないんで、暇ができたら、まとめ等の方をお手伝いできるよう頑張ります
893洞穴の中で2(4/5) ◆QkRJTXcpFI
わずかなライトの光の中、藤田宗一の目を見ながら成瀬善久は何事かうめいていた。
藤田は成瀬を押さえつけていた手を離した。
「俺も、ずっと逃げていた。
 この殺し合い、チームメイトが殺すのも殺されるのも、全部が怖くて・・・
 逃げ続けていても何も解決しないって、最初からずっと気づいていたのに・・・」

「ぼ、僕は・・・僕は・・・逃げてなんかいない・・・僕は・・・」
「君は成瀬善久だ。君は人殺しなんかじゃない!
 だって・・・うぉっ!」
至近距離から成瀬の左腕が、今度は藤田の胸ぐらをつかんだ。
そのまま締め上げ、藤田の首に手をかける。
「う・・・やめろ・・・!」
藤田は必死でもがくが、手は離れない。
全体重をかけて藤田の首を岩壁に押し付ける。成瀬のほうが身長は5cmほど高い。
藤田の体がわずかに持ち上がった。
「だめだ・・・だめ・・・だ・・・」――

――「成瀬善久・・・君も・・・逃げ続けていたんだな・・・。」
あどけなさの残る成瀬の寝顔を見ていて、藤田はふと子供達の顔を思い出した。
3人兄妹の一番上の息子でもまだ小学生。
成瀬と比べればだいぶ下なのだが、なぜか思い出した。
「成瀬くん、君のお父さんは・・・君に人を殺すなんて望んでない・・・
 俺も父親だから、よくわかる。息子には絶対人殺しなんてさせない・・・
 もう逃げるのは、お互いやめよう・・・」
まだ眠り続ける成瀬の顔を見て、藤田はふっと笑った。――

――「だ・・・め・・・きみは・・・ひとごろ・・・うぅ・・・」
成瀬は目をつぶり、更に地面を踏みしめながら藤田を押し続ける。
腕も体もわなわなと震えている。
「だ・・・めだ・・・。ゔっ・・・」
はらり。
成瀬の腕をつかんでいた藤田の腕が、力なく垂れ下がった。