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珍・仁義なき戦い:
黄泉瓜一家・幹部定例会にて
渡辺総長『わしゃ、もう斬った張ったは疲れてしもうたけ、引退して事業に精出すつもりじゃ。
跡目は滝鼻に任せて、カシラにゃ宮内を据えるけな。
あぁ、それからのぉ、田代が足洗いたいそうじゃけ、田代んとこの若いモンは
宮内が引き受けるそうじゃ。そんな事じゃからよ、大阪のシマは宮内に守りさせるつもりじゃ。
こんなら、後の事は頼むわい。』
久万若頭『お、おやっさん、」、そりゃああんまりじゃないですか!
わしゃあ、カシラとして一家のために、ようけ血を流してきたつもりでおるんですがの。
お、大阪を宮内みたいな餓鬼に取られたら、わしゃ若いモンに顔向けできんですわい!』
白井補佐『コラ、宮内!何とか言うてみい!おどりゃあカシラの茶碗取りやがって、こ、こん外道ったれが!』
渡辺総長『おどれら、極道のクセに銭の勘定ばっかりしおって!親の言う事が聞けんのじゃったらよ、
代紋外してメシ食うてみいや!そんなケツの穴がこまい事言うモンは、破門じゃ!破門!』
久万若頭『!!!お、おやっさ』
白井補佐『あー、そーですかいの!上等じゃあ!わしら、遠慮のう組を割らせてもらいますけ!』
久万若頭『きょ、きょ、兄弟。やめっ』
白井補佐『カシラぁ、アンタぁ腹ぁ括りないや!』
『首洗うて待っちょって下さいよ!ワ・タ・ナ・ベさんよ・・・』
そして、久万若頭を筆頭に反体制派は独立組織「二和会」を結成するである。
――第一部・完――
しかし、渡辺二代目を敵視するということで、
二和会の同志である政治結社「千趣会」の黄泉瓜一家本部襲撃失敗や、
幹部・堀の舎弟分、多菊が愚連隊「雷武怒亜」を傘下に二和会の勢力拡大を目論むも
、盃事の直前になって頭の堀江以下が、抗争に恐れ戦き失踪。
二和会は次第に窮地に立たされてしまう。
そして数ヵ月後・・・
久万(二和会)会長『・・・滝鼻、いや三代目。松田と砂原んところは壊滅状態ですわい。
おまけに、堀と多菊のガキゃ、ブルってしもーて堅気になるて言い出す始末ですけ。
こんままじゃったら、わしら干上がってしまいますわい。
頼んますけ、わしらの破門を解いてつかあさいや。』
宮内若頭『コラぁ、久万!おどりゃあ、どの口からそんな寝言が吐けるんじゃ?
タコの糞頭ぁ昇りやがって!吐いた唾飲むような極道は往生せんかいやぁ、おぅ!』
堤舎弟頭『・・・で、どうケジメとるんなら?答え次第じゃ、おどれら全員木っ端にしちゃるど。こん腐れ外道が!』
滝鼻三代目『まぁ、それぐらいにしてやりない。久万の、こんならにゃ悪いんじゃがよ、
他の若いモンに示しがつかんけ、一兵卒からやり直してもらうで。
一家のためにキバったれや。えーな!』
久万(二和会)会長『・・・へ、へい(涙)』
白井(二和会)副会長『・・・もう、弾は残っとらんがよ・・・』
――完結編・完――