プロ野球界を思って
2004.7.8
現在、プロ野球界は、激震しています。プロ野球ファンなら誰でも知っているでしょうが、
近鉄とオリックスの合併問題から始まり、「1リーグ制」への移行についてです。今の私は
ユニホームを脱ぎ、現場から離れていますので、一人の野球人として、自分を育ててくれた
プロ野球界の行く末が心配でなりません。私個人の考えを話してみたいと思います。
私も皆さんと同じように、マスコミで報道した事実しか知りません。これまでの経緯を
まとめると、球団経営に困ったパ・リーグの球団が合併し、5球団でのペナントレースを
争うのは厳しいということで、1リーグに移行するという流れになっています。どんなことでも、
何か大きなことを改革しようとすれば、大きな非難やリスクが生じるのは当たり前です。
改革する側、改革される側は、双方とも犠牲を払い、血を流さなくてはなりません。
しかし、大事なのは、その改革が「未来のプロ野球界のためになること」かどうかです。
目先の利益に飛びつくための改革でないことが大前提であり、その一方で
「未来の野球界のため」になるのであれば、多少の犠牲は目をつむらなくてはならない、
ということです。
(続く)
(続き)
そのことを大前提に話します。はっきり言って、球団数の削減という流れに
賛成するプロ野球人はいないでしょう。私もそのうちの一人です。単純に言えば、
プロ野球選手になろうと夢を見ている子供達の受け皿が少なくなるからです。
選手のプロテクト枠を増やすとか、3軍を増やすなどしても、スポットライトの当たる
1軍のグラウンドで戦える選手は少なくなるのです。それでも「そんなことは当然、
分かっている。でも、どうしようもないんだ」という説明をして「球団数を減らし、
1リーグにすることは未来のプロ野球界にとって、こんなにメリットがあるんだよ」
という説明があればいいのです。これまでの説明では、プロ野球人気の原動力に
なっている選手やファンに対し、あまりにも不十分だと感じます。
いきなり、経営できなくなった球団があるから1リーグへ移行するというのは、
あまりにも乱暴な気がします。大企業の経営者でもない私が言うのも生意気ですが、
なぜ経営できなくなったかを考え、議論する必要があります。セ・リーグとパ・リーグの
交流試合をやってパ・リーグの球団を助けるとか、ドラフトやFAで選手を獲得する際に
もっとお金のかからない制度を考えるとか、球団を買うときに発生する30億円の
加盟料を撤廃し、プロ野球球団を持つにふさわしい企業が参入しやすくする方法を
考える方が先決だと思います。
(続く)