激震ダイエーE 福岡事業は"北朝鮮と同じ"
中内正オーナー(44)が6日、新キャンプ地・宮崎を視察した際のナインや関係者の反応が
同オーナーの置かれた現状を如実に物語る。
オーナーという球団の最高の権威者が選手やチームスタッフから完全に無視されたというのだ。
この視察の前日(5日)、ダイエー系ホテルで異様な光景が繰り広げられた。
福岡ドームの「社員総会」。午後4時、同6時の2度開かれている。
社員の前に立ったのは中内オーナーと高塚猛オーナー代行兼球団社長(56)の2人。
口を開いたのは中内オーナーだけ。内容の要旨は次の通り。
@小久保批判
「巨人移籍は本人の希望をかなえてあげた。それなのに小久保から感謝の言葉がなかった」。
A(株)北九州野球批判
来季、北九州で公式戦を開催しないのは 「北九州市民球場を運営する(株)北九州野球が
福岡ドームの年間予約席の販売、広告原稿出稿等の協力をしないから」。
B優勝イベントを主催した地元紙批判
優勝パレード、感謝のつどいの経費を球団が負担しなかったことについて「このイベントは"地元紙"の方から言ってきた」。
この3点について、中内オーナーは時折、涙ながらに話したという。
「企業防衛」のために「社員総会」が開かれることは不思議ではない。
問題はこの社員への説明が真実かどうか、ということである。
3点のうち、@の小久保批判に関しては翌日、中内オーナーは「ひとつの言葉ではなく話の流れで出たこと」と弁明した。
小久保は巨人に移籍したが本当は残留が一番、移籍はやむをえない結論だった。
肝心なのは、どうして生え抜きの主砲が10年間在籍した愛着のある球団、福岡の地に決別しなければならなかったかだ。
そのことを質問する者などいるはずがなかった。なぜなら、高塚氏に反対意見を唱えれば、
事実上の解雇に等しい処遇が待っているからだ。
「独裁政治」、「恐怖政治」−。
「今の福岡事業は北朝鮮と同じですよ」。福岡ドーム関係者はあきらめ顔で、こうつぶやいた。
(スポニチ11/9)