ポ　ポ　ポートの大爆笑

阪神の躍進いちじるしく、もはや優勝確定といっても差し支えない
といった状況です。ＭＶＰとして今岡や赤星の名前を挙げる気の早い阪神ファンも
大勢いることでしょう。

しかしちょっと待ってください。今の阪神の快進撃、その礎を作ったのは

　　　　　ポート様

なのです。

そもそもシーズン前から今年のペナントレースは阪神、巨人、中日の３強による
マッチレースになるだろうというのが大方の予想だったように思います。
そして、優勝請負人であるポート様こそ、ライバルとなるであろう巨人中日の両球団を
初戦でつぶしてしまおうとお考えになり、そしてそれを成功させた大人物なのです！

阪神−中日第１回戦９回裏、浜中の劇的な同点スリーランが飛び出し
試合は延長戦になりました。延長11回表のマウンドに立つのは我等がポート様。
ここを無得点に抑えれば流れ的には十分サヨナラを呼び込める雰囲気です。
しかしポート様ほどの優勝請負人はそんな常識の範疇で動く方ではありません。

「中日のストッパーは球がイマイチ走っていない。」

瞬時にそうみたポート様は、この試合に負けることでギャラードのマイナスイメージを
減殺し、半死半生のギャラードにより長くストッパーをやらせることで中日自慢の
勝利の方程式を腐食させていこうとお考えになったのです！
試合はポート様が「わざと」打たせて阪神が負けました。しかし、ポート様の目論見どおり
愚鈍な中日ファンは「ギャラード劇場はハッピーエンドだがや！」「谷繁は
勝負強いがや！」と叫ぶばかりで崩壊の予兆を読みそこなったのでした。

その後は見てのとおり、ギャラードは広島に逆転サヨナラ負けをくらい対広島８連敗へと
つながってしまい、６月にはヤクルトに逆転サヨナラ負けをくらって引導を渡されたことで
当時の勝利の方程式は崩壊しました。今やストッパーは岩瀬と大塚が中途半端な形で務め、
継投采配は迷走しています（ちなみにそこから阪神は中日に負けたことがありません）。

巨人−阪神第一回戦９回裏、１−７の状況でマウンドに立つのは我等がポート様。
球場内にいる誰もが阪神の勝利を疑っていませんでした。
しかしポート様ほどの優勝請負人はそんな常識の範疇で動く方ではありません。

「巨人ほどのチームと有利に戦っていくにはネバサレ魂をこれでもかというほど
みせつけなくてはならない。」

この試合に勝つのは簡単です。ですがそれでは巨人は気持ちを切り替えて
明日を迎えればいいだけです。仮にも去年のチャンピオンチーム、苦しい戦いは
避けられないでしょう。
ポート様が下した結論は「ネバサレ魂をみせつけた上で引き分ける」ということでした。
勝ち負けがついてしまうと人間というもの、結果しか見なくなります（先ほどの中日が
好例でしょう）。勝った負けたという結果ではなく、試合過程としてのネバサレ魂を
みせつけるにはどうしても引き分けでなくてはならないのです。
ポート様は２アウトから「わざと」打たせて、同点へとつながる不可避な流れを
作ったうえで降板しました。代わった吉野、藤川はポート様の目論見どおりに同点にされ、
試合は引き分けに終わったのです。

その後は見てのとおり、巨人は阪神のネバサレ魂を前に蛇に睨まれたカエル状態、
すっかりカモにされてしまいました。先日の試合などは見ててかわいそうに感じたファンも
多いと思います。さまざまな評論家はもとより星野監督ですらこの試合を
前半のキーゲームとして挙げていますが、この感動的な試合は優勝請負人ポート様が
周到な計画を張り巡らせた結果に過ぎないのです。

優勝をする上で必ず障害となるライバル２チームは初戦で叩き潰しました。
あとはヤクルト、広島、横浜を力でねじ伏せながら、
ポート様が作ったこの流れに乗りそこなうことのないようにするだけです。
ですが、そうするだけのチーム力は今の阪神程度にもあります。
そう、この２戦をもって優勝請負人としてのポート様の仕事は終わってしまったのです！

ポート様はもう１軍にいる必要がありません。
己に課せられた使命を熟知しているポート様はその後「わざと」炎上を繰り返し、
ファームに落ちました。
そうすることで、安藤や久保田といった若きセットアッパーに
より多く活躍の機会を与え、同志であるムーアやウィリアムス、アリアス、リガンといった
外国人選手たちの生活保障をしてあげたのです。

これほどまでに偉大な仕事を成し遂げたポート様に対して世間は冷たいです。
私もポート様が多くの心無いファンに「ダメ害人」「ハズレ害人」と貶められるたびに
「それは違う！」と叫びたくなりました。
しかしそうできない事情がありました。それがオールスターゲームです。

ポート様の真の功績が世に広まることがあれば、これを理解した聡明なファンは皆
ファン投票用紙にポート様の名前を記入するでしょう。
逆にこれを受け入れられないファンはその歪んだ感情を処理すべく、川崎に対しての
仕打ちと同じことをポート様に対してするでしょう。
そうするとどうなるか。そう、ポート様が圧倒的得票数で選出されてしまうのです！

しかし、ポート様がそれを望まないことは明白です。
ポート様は優勝請負人なのでお祭り野球には興味ありませんし、自分が出るくらいなら
ボーダーライン上にいる若手選手に出てもらい、彼が少しでも名を上げることを
期待しているに違いありません。
そこで我々東関東ポート会（東ポ会）はオールスター終了までポート様の功績を
公表することを差し控えてきたのです（つらいことでした）。

阪神という球団は不思議なところで、功労者に異様に冷たいところがあります。
これほどの活躍をしたポート様も今年であっさり解雇されることになるでしょう。
テレビや新聞も短期的な視聴率アップや売り上げアップを目指さねばならないため
ファームにいるポート様の功績に触れることはないでしょう。

ですが我々東ポ会は断言できます。

　　今年の阪神優勝のＭＶＰはまぎれもなく　ポート様　であることを！