【野球】 広岡達朗さんはジェントルメン 【王国】

このエントリーをはてなブックマークに追加
305広岡達朗の痛言独論1
 オリックスの石毛監督が解任された。わずか一年と20試合。
石毛がかわいそうでならない。と同時に、フロントへの強い憤
りがこみ上げてくる。

 プロ野球ファンなら、誰もがわかるはずだ。今のオリックスが
優勝争いを出来るチームかどうか。イチローが抜けたあと、戦力
は大幅に低下した。勝てるチームではないのだ。許せないのは「与
えた戦力で勝てますよ。」と、いい顔をしてオーナーに報告して
いるフロントの姿勢だ。

 昨年、宮古島のキャンプを訪ねた。正直、最下位だと感じた。
戦力はもちろん、指導するコーチングスタッフも整備されていな
い。石毛のブレーンは、立花、中尾、藤田の3コーチ。あとは、
フロントからあてがわれた、というか押し付けられたスタッフだ
ろう。石毛のように情熱的に指導するタイプは、時としてコーチ
の領域を侵すこともある。気心の知れたスタッフならば丸く収ま
るのだろうが、よほど疎通が出来ていないと、監督が浮いてしま
うことになる。
306広岡達朗の痛言独論2:03/04/26 16:30 ID:eT3KEhlo
 ことし、フロントは補強に力を入れたそうだが、人の獲得が戦
力アップに直結するとは限らない。問われるのは、新戦力を得る
のにどれだけ熱心に調査をしたかだ。ことし獲得した新外国人選
手は活躍していない。これは努力を怠ったフロントの責任だ。闘
えもしない駒をあてがっておきながら、「勝てないから解雇」と
いうのはあまりに虫が良すぎる。

 断っておくが、フロントがコーチングスタッフ、選手を現場に
あてがい「これで戦え」というのは正しいスタイルだ。メジャー
スタイルといってもいい。米国では、ゼネラルマネージャー(G
M)が現場と十分に話し合い、戦力の補強をし、チームを整備す
る。監督に対して「これで勝てるか」と問う。現場もそれでよけ
れば引き受ける。一方的に戦力を提供して任せるのではなく、フ
ロント、現場双方が納得してスタートするわけだ。このシステム
だと責任の所在が明確。結果が出なければ、監督は解任されるだ
ろうし、GMだって「おれは知らない」と突っ張れない。

 日本球界の場合は、米国のうわべをまねしているにすぎない。
それなのに、責任を監督だけに押し付ける。何年たっても、同じ
ことを繰り返しているから腹が立つ。
307広岡達朗の痛言独論3:03/04/26 16:30 ID:eT3KEhlo
 オリックスに戻ろう。このチームは、教育が必要なチーム。選
手を育てなければ勝てないチームだ。選手をある程度のまでの水
準に引き上げるには、最低でも3年はかかる。1年で、育つはず
がない。「石毛は育てられないから解任する」というのなら分か
るが、「勝てないから」という理由は納得できない。

 石毛は、私が育てた選手だった。チームをベテランから若手に
切り替えるとき、徹底的に鍛え上げた選手だった。だから石毛は、
育つ苦しみを知り抜いている。教えられたことを体に暗記させ、
無意識で動くようになることの難しさを身をもって知っている。

 石毛にしてみれば、「さあ、これから」と思っていた直後の解
任だろう。志半ばで、現場を追われる。これでは、石毛は監督の
器ではない、というらく印を押すようなもの。育てるためには時
間がいるのに、目先の結果だけに振り回される日本のフロント。
一体、有能な人材の将来をいくつ葬れば気が済むのだろうか。