今年のドラフトは?4〜東北高・高井編

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110sabra/2002/09/12
「151kmですか?通過点っすね。身体的にも、フォーム的にもまだまだ出せる
要素はあると思うんで」
 最高151kmをマークするストレート、抜群のキレと130km台のスピードを誇る
高速スライダーに加え、シュート、シンカーを操る投球にプロのスカウトは「
昨年の寺原以上」と二重丸をつける。
 慎重は174cm。決して上背に恵まれているわけではない。それを補っている
のが野球に対する高い意識だ。寮の起床時間前に出かける朝のランニングから
、風呂上りに行う夜のストレッチまで、一日の生活は全てが野球中心になっている。
111sabra/2002/09/12:02/08/29 15:25 ID:vA9oKagO
 その意識の高さが表れているのが、冬の練習についての感想だ。一般に高校
生は、走りこみが中心になる冬の練習を嫌うが、高井は冬の練習を「心の底か
ら楽しかった」と言う。「この練習をやれば、どこの筋肉がどう鍛えられるか
がわかるじゃないですか。この筋肉が鍛えられればもっと球が速くなると思っ
たら、うれしくてしょうがなかったです」
 高井の口からは、肩や足の筋肉の名前が次々に出てくる。これはイチローも
身体作りに通うジム、鳥取ワールドウイングまで出かけた際に学んできたこと
だ。こういった探究心が174cmをマイナスにさせないガッシリした腰回り、背
筋300kgの強靭な身体を作り出した。
112sabra/2002/09/12:02/08/29 15:27 ID:vA9oKagO
 超高校級の高井だが、高校生らしくちょっと意地っ張りな面もある。
 去年、春のセンバツに出場した。初戦で優勝候補の関西創価と対戦するのが
決まっていたが、高井の目は別の方を向いていた。本番1週間前の練習試合、
PL学園戦である。
 高校入学時、多くの甲子園常連校から誘われた高井だが、その中にPLの名前
もあった。だが、実際に監督に会って話を聞いてみると、「投手では2〜3番
手。野手なら2番打者」との評価。あの監督を絶対見返してやる。そんな気持
ちが高井を本気にさせたのだ。結果は11奪三振を奪っての完投勝利。PL戦に
合わせ、調整を1週間早めたのが災いして肝心の甲子園では大乱調だったが、
高井には忘れられない試合のひとつになった。「あれはうれしかったですね。
もしかしたら、甲子園で勝つよりうれしかったかも。って、甲子園では勝って
ないんですけどね」
113sabra/2002/09/12:02/08/29 15:27 ID:vA9oKagO
 投手として、目標は「マンガみたいな球を投げること」という高井。その真
相を尋ねてみた。
「球の勢いで捕手が吹っ飛んだり、ミットが突き破られたり、マンガはいくら
でも『作る』ことができるじゃないですか。それが現実になるような、そんな
球を投げたいっすね」
 負けた翌日から、「上で野球をやるため」(高井)変わらず練習に取り組ん
でいる。決して後ろを振り向かないこの姿勢が、小さな怪物を進化させる。来
夏は、プロのマウンドで主役となった高井に会うことができるはずだ。

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