○続・今年の広島はウヒョ〜だぞ○part28

デイリーの新春対談。パーソナリティは安仁屋さん、元ＲＣＣアナウンサーの安田さん、
元ＲＣＣディレクターの光田さん、フリーリポーターの中井さんの四人。

【投手陣に安定感】
安仁屋　みなさん、明けましておめでとうございます。さて、今年のカープですが、去年の
　　　　　 後半からかなり若い投手が出てきたからね。投手陣が安定してきたという面で
　　　　　 非常に楽しみじゃないかな。ただ、どこのチームでも同じだと思うけどベテランと
　　　　　 若手がかみ合って初めて優勝できる。だから野手でいえば、サードは野村と
　　　　　 新井とか、若手同士でもショートは東出と岡上とかが競い合いながら戦う形が
　　　　　 出てくれば、優勝は見えてくるんじゃないかな。

光田　確かに若手に勢いのある選手が出てきました。でも私はまだ一つ問題は抑えだと
　　　　思うんです。抑えで三振の取れる投手がいれば、投手陣はナンバーワンだと思うんです。

安仁屋　それなら小山田が最適じゃないですかね。私は前から球も速いし、落ちる球さえ
　　　　　 覚えれば、三振を取れる抑えに小山田が一番と言ってますから。

光田　なるほど。じゃあ、野手では今年も金本がどっしりと4番に構えて、東出も去年みたいに
　　　　エラーすることはないだろうし、今年こそ11年ぶりに優勝してほしい。というか、
　　　　優勝するチャンスですね。

安田　それと私は前田が戻ってくれば、打線もチーム全体の投打のバランスが取れて
　　　　かみ合う条件がそろってきますね。

中井　みなさんおっしゃられる通りだと思うんですけど、でも毎年、テレビとかいろんな
　　　　番組で今年こそは優勝できると言ってますよね（笑い）。でも私もホントに今年は
　　　　優勝できるんじゃないかなっ、て期待してます。去年、成長した若い投手が今年も
　　　　うまく働いてくれたら、と少し条件は付けますけどね。

【立ち直れ山内】
安田　中堅では山内が気になるんですよね。そんな老け込むにはまだまだ早いし、
　　　　むしろ脂が乗ってこなくちゃいけないのに、ちょっと昨シーズンあたりは寂しかった
　　　　感じがしますね。

安仁屋　うん、彼の場合はですね、故障もあったしね。でもフォーム的なものはもう
　　　　　 変えられないし、気持ちの問題じゃないかな。彼は本来、向かっていくタイプの
　　　　　 投手だし、精神面で自信が戻れば、絶対に立ち直ってきますよ。

中井　あと投手でいうと河内投手の名前が出てきませんでしたけど、どうなんでしょうか。

安仁屋　そうですね、彼は今、フォームのこととかいろいろ練習してるけど、一つ覚えたら
　　　　　 違う一つのことがおろそかになったりする。左という有利な点もあるし、もちろん
　　　　　 将来はエースになってもらわないといけないんだけどね。

安田　私の知り合いで河内と同期の苫米地が気になるっていう人がいるんですが…。

安仁屋　苫米地は去年、内転筋を痛めてずっと2軍だったけど、性格的に向かっていく
　　　　　 タイプだし、3年目の今年は結構やってくれるんじゃないかと思う。それにすごく
　　　　　 同期の河内にライバル意識を持ってるからね。私も現役時代は年が近い外木場が
　　　　　 勝てば、よ〜し、オレも勝つぞって気になったし、同じチーム内に競争相手を
　　　　　 つくって頑張るのは非常にいいことですよ。

安田　その意味でもまずはドラフト1位の河内クンにどんどん勝ってもらって、周囲も
　　　　彼に負けないぞ、と張り切ってもらいたい。その結果が投手王国復活につながって
　　　　いくんじゃないですかね。

【チーム内競争を】
安仁屋　その通りですよ。最初にも言いましたが、それは野手にも同じことが当てはまり
　　　　　 ますから。新井はサードをベテランの野村と争うわけだけど、一塁でもいい。
　　　　　 ロペスと争わせて、新井の方がよければ、スタメン一塁で新井を使う、と山本監督も
　　　　　 去年の終わりから言ってましたしね。競争の中でチーム力が上がってくるのが
　　　　　 理想なんです。

光田　外野でも、若手でいい選手が多いですね。去年もケガがなければ、朝山なんか
　　　　レギュラーを取るかなと思って見てたんですけど。

安仁屋　去年の終わりごろ、たまたま三篠（練習場）に顔を出したとき、その朝山や新井が
　　　　　 必死になって練習してましたよ。ただ朝山は本当に運がないというか、ケガが多い。
　　　　　 1，2年目の緒方とよく似たところがある。でも、そんなケガとかを乗り越えて
　　　　　 いかないと、道は開けませんから。

光田　ところで、また投手の話に戻りますが、今年の抑えは、やっぱり佐々岡ですか？

安仁屋　私はやっぱり佐々岡は先発でいった方がいいと思います。今の野球では三振を
　　　　　 取れる投手でないと抑えは難しい。最初に言った小山田がシュートや、落ちる
　　　　　 球を覚えれば、私は小山田を抑えにして、佐々岡は先発に戻したい。佐々岡は
　　　　　 まだまだ衰えたわけじゃないけど、今は打たせて取る投手。打たせて取るタイプは
　　　　　 終盤の競った場面で何が起こるか分かりませんから。打ち取ってもエラーするかも
　　　　　 しれないし。走者がいて、点差のない場面では三振を取るのがベストなんですよ。

中井　でも、100勝100セーブまで3セーブなので、佐々岡さん自身は抑えをやりたいんじゃ
　　　　ないかな、と私は思うんですが…。

安仁屋　でも本人はそんなに100セーブには、こだわってないみたいだよ。

中井　あっ、そうなんですか。ファンだけですかね、そういうふうに考えてるのは。

光田　そうなると、佐々岡は先発で頑張ってもらいたいですね。あと、若手では長谷川が
　　　　やっと去年、一皮むけたんだけど、もう二皮も三皮もむけてこないと、と思うんだけど。

安仁屋　はい、まあ、長谷川の場合は気持ちで甘いところがありますから、そのへんが
　　　　　 一番の課題でしょうね。去年は9勝に終わったけど、私は逆に10勝しなくてよかったと
　　　　　 思う。今年こそ10勝するという、甘えや満足感の入らない明確な目標が残って、
　　　　　 それがプラスに出るのを期待したいね。

光田　その長谷川にしろ、黒田にしろ全体的に投手陣はそろってますね。名前を挙げれば、
　　　　先発では高橋に横山、中継ぎは玉木がいますし。また話を転じますが、守りは
　　　　どうでしょう。

【正妻は西山が理想】
安仁屋　まず捕手はやはりまだまだ西山が最低でも80から90試合以上マスクをかぶって
　　　　　 ほしいね。木村一も成長してるし、ドラフトで即戦力の捕手（石原）を取ったけど、
　　　　　 カープの投手、特に若手は西山に受けてもらうと安心感があるからね。

中井　去年のヤクルトもそうでしたね。

安仁屋　そう、昔からよく言うけど、強いチームはヤクルトの古田や、去年まで横浜の
　　　　　 谷繁や、必ずいい捕手がほとんどの試合でマスクをかぶる。ケガもあるし、
　　　　　 なかなかそうはいかないけど、本当なら西山が140試合全部、マスクをかぶるのが
　　　　　 一番いいんだけどね。

中井　守備全体では去年もリーグワーストですか、エラーの多さが目につきましたが…。

安仁屋　そうですね、特に東出ね。ただ、私はあまり彼を責めたくはないね。彼は彼なりに
　　　　　 一生懸命やってるし。将来的にはいずれ岡上とかが出てくれば、東出はセカンドが
　　　　　 いいんじゃないかな。サードは新井。新井もまだまだ守備は上手じゃないけど、
　　　　　 最初のころに比べたら、だいぶ進歩してるからね。

中井　私はその2人、東出選手と新井選手に将来、チームリーダーになってほしいと思います。

安仁屋　そう、それは私も一緒ですよ。

安田　話は変わりますが、安仁屋さん、今までの話からすると、ベテランも楽しみな若手も
　　　　たくさんいて、結構、層は厚いと思うんですよ。あとはいかに育っていくかと、それと
　　　　故障。理想は主力が故障したときに、その主力とあまり力の変わらない控えが
　　　　いることなんじゃないですか。

【控え層の充実を】
安仁屋　そうですね。私が現役時代に戦った巨人のＶ9のころは、控えの選手もレギュラーと
　　　　　 変わらない選手がたくさんいたんですよ。また、だからレギュラーも少々の故障では
　　　　　 休まなかった。休んだら抜かれるという気持ちがあるから、簡単には休まない。
　　　　　 そういう状態になれば、チームっていうのは自然と強くなりますよ。

光田　その意味では昭和50年代にカープが一番強い時代に木下選手、今の2軍監督が
　　　　いましたよね。彼は外野も内野もできたし、ああいう選手が控えにいると、本当に
　　　　心強いですね。

（話は尽きないが、最後にもう一度、今年のカープについて、まとめてもらうことに）

安仁屋　あ、そう。いい感じで酔ってきたし、ワシはまだまだいっぱいしゃべりたいんだけどね。
　　　　　 でも、今年は本当に優勝できるんじゃないかな。去年は山本監督も優勝という
　　　　　 言葉を出していたけど、心底では意識してなかったと思うよ。若手を育てる勉強の
　　　　　 年というのかな、選手の力を見極める年だったね。

安田　それは私も同じ意見ですね。勝負事だから絶対はないけど、去年より優勝する
　　　　確率はかなり高いですね。

【指揮官に強い意志】
光田　山本監督の前回監督時と去年を比べると、顔つきが違いますね。一度、現場を
　　　　離れて解説者をして、それからまた戻ってきて、何か表情が柔らかくなった感じかな。
　　　　当然、いろんな我慢することも前回よりもっとできるようになってるはず。その柔らかく
　　　　なった中にも、今年はとにかく優勝するんだという強い意志が見えます。

中井　私も同感です。表現が難しいけど、何か実力をつけて顔もすごく格好よくなった
　　　　みたい。絶対に優勝しかありませんよ。

安仁屋　だから、優勝できるときに優勝しなくちゃいけないね。当たり前のことだけど、
　　　　　 今年できなくても来年できる、という保証はどこにもないから。ワシは今年、
　　　　　 カープが優勝しなかったら、丸刈りにしますよ。

（締めの予定も、さらに話は弾んで、広島市民球場がいつも満員になるには、どうすれば
　いいかという話題に）

光田　やっぱり動きがあるゲーム、スピーディなゲームをするのが一番でしょう。現場の人は
　　　　なかなか大変でしょうけど、負けても納得するゲームっていうかな。それがもっと
　　　　増えてこないとね。

安田　それが実は一番、大変じゃないですか。カープのファンは昔から百何十試合、
　　　　全部勝て、勝たなければ納得しないって人が多い。ただ、ダラダラと長い試合が
　　　　少なくなれば、負けても納得するファンは増えるでしょう。

【広島に活気を】
中井　私は最近の市民球場は特に内野席に子供さんのファンが少ないと感じるんです。

光田　それはあるね。子供さんも含めて、去年でもカープの応援の右翼席はすごく
　　　　盛り上がってるから。球場全体があの外野席のムードになるように、頑張って
　　　　ほしいですね。

安仁屋　そうそう。球場に毎日行きたいと思う、楽しめる試合をどんどんやることですよ。
　　　　　 カープが勝って、サンフレッチェやほかの広島スポーツ界の先頭に立っていけばね。
　　　　　 街も活気づくし、カープの久しぶりの優勝で広島の景気もよくなってほしい。
　　　　　 そして一年中、正月気分を味わいたいもんだね。