( ´昌`) ( ・w・) ъ( ゚ー´ ) 応援スレ3
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ト、  ̄ ̄ノ ヽ ノ / \ ト、 /
| ノ _/ 工 / .| D o r a j e c t X
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敗 北 者 た ち /|_/ /\ The Losers
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「月に向かって投げろ!!」
〜獅子身中の虫・中村さんのおかげです〜
8月5日、蒸し暑い神宮球場。ヤクルト-中日3連戦。ヤクルトの2連勝で迎えた3戦目。
マウンドに立っていたのは中日野口、ヤクルト藤井という同郷の両エース。
連敗を止めるべく、ヤクルト打線を完璧に近い内容で抑えていた野口に対し、
藤井は中日の拙攻に助けられていた。
7回の表を終わって0-0の同点。
チームは4連敗中。野口の投球には悲壮感すら漂っていた。
ドラジェクトエェーーーーーックス
7回裏、ヤクルトの攻撃は、2番宮本から始まる好打順だった。
「まずは先頭打者を抑えること」野口は、そう自分に言い聞かせてマウンドに上がった。
・・・・・・サードゴロ。何とかうるさい宮本を仕留めた。
しかし、野口はホッとしたのか、続く稲葉がライト前にヒットを打たれた。
ここで4番ペタジーニを迎えた。神宮のヤクルトファンのボルテージは否が応にも盛り上がった。
ペタジーニは、大観衆の期待に応えるように、センターへヒット。
野口は、この日初めて、得点圏にランナーを許した。
迎えるのは、ここまでセカンドゴロ二つに抑えていた古田。
古田は「今日の野口は簡単には打てない」と考え、基本に忠実にセンター返しだけを心掛けていた。
……結果はセンター前ヒット。しかし、センターは強肩福留だった。
2塁走者、稲葉は3塁でストップした。
首位を行くチームの勢いだったのか……それまで1安打に抑えていた野口は
3連打を浴び、1死満塁という大ピンチを招いた。
神宮球場の興奮は最高潮に、達した。
球場全体がヤクルトファンに埋め尽くされたかのような声援が響いた。
ただ…3塁側スタンド、レフトスタンドの中日ファンだけが……静かに、エース野口を信じ、祈っていた。
打席には、これも野口の同郷、岩村。
マウンドの輪が解けた。
ドラジェクトエーーーーーーックス
岩村は雰囲気に飲まれていた…「絶対に打たないと」
中日の守備体型は前進守備。1点も許さない覚悟だった。
そして、野口の球は、満塁のピンチを迎えた所で…再びキレを取り戻していた。
そして……運命の一球。
___ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
_|_D_| |1アウト、満塁!ヤクルト先制点のチャンス! |
(w・ ) |バッターは岩村。野口、ランナーに目をやり… |
| (б)_) \___________________/
ヽ ̄ ノ
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(__)
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_|_D__| ○三ニ=- | ・・・投げた!! |
(・w・ )ノ 三ニ \________/
く_(Ъ) 47 ノ
/ ̄_π_ ヽ
(__) て_)
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゚ / _Ys_ヽ_ | あ〜〜っ、セカンドゴロ! |
。°゚(・)´Д`) ゚ カキーン \_________/
( ̄ ̄二⊂こ 1ノ⊃ ☆
 ̄ ̄ミ 人_  ̄\ ミ
(_) て_) J
岩村は、セカンドゴロに打ち取られた。
誰もがホームゲッツーだと考えた。中日守備陣の思惑通りにの展開だった。
セカンド神野は迷わず本塁へ送球。キャッチャー中村が捕球し、3塁走者稲葉がフォースアウト。
中村は捕球後、すばやく1塁へ送球しようとした……が、思わぬことが起こった。
○ ミ オラッ
/ ̄\ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
⊂(ε´ )ミ < ゲッツーもらった!!
@こ^ 39) \_________
__ y 人
== / Ysヽ_ _)'Jー=,ヘ
(・)´∀)∩ーへ、二ノ
=≡≡ ⊂____∧ ヽ
――==二二三三 ズザーッ
「タイミングは完全にアウトだった。ベース上に足が残ってたので、少しでも引っ掛ければ、
岩村の足なら1塁セーフになる可能性があるとは思いました」…稲葉は、そのプレイをこう振り返った。
中村は、やや体勢をくずしたものの、1塁へ素早く送球した。
稲葉のスライディングの影響は、ほとんどの人が、気付かなかった。
「稲葉? 関係ないです。ボクの暴投」 中村は、そう語った。
\ | ギュィィィィン!!
―――――― ○ ―――――――
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;゚ w) エッΣ(=゚Д゚=;) |// . \
47/ / 4 \ . //
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/ ̄\//ミ
( ) つ
( 39 /
送球は、ファーストゴメスの、遥か上空を、一直線に飛んでいった。
そして、ライト線を破った。
二塁から、ペタジーニ。一塁から古田が、次々にホームインした。
それまでの、野口の好投は無駄になった。
不調にあえぐ中日打線にとっては、致命的な2失点。
それでも、野口は踏ん張った。続くラミレスを三振。
2点なら何とかなる……、野口にできる事は味方打線を信じて耐えることだけだった。
ドラジェクトエェーーーックス
直後の8回表、先頭の2番井端がヒットを放つと、井上、ゴメスも続き、無死満塁。
立浪1塁ゴロの間に、三塁走者井端が生還し、1点差となった。
1死二、三塁で、打席には波留が向かった。ヤクルトのマウンドは2番手川端。
サインは、初球スクイズだった。
しかし…失敗した。
波留はそのまま三振。神野も、空振三振に終わった。
8回裏も、野口は抑えた。
9回、ヤクルトは、守護神高津を投入した。
中村の代打森野は、右中間へヒット。先頭打者が出塁した。
打順は野口だった。代打荒木が送られた。野口の勝ちはこの時点で消えた。
それでも良かった。野口にとって、自分の勝ち星は、関係がなかった。
チームの勝利…それだけを願った。
しかし、荒木は送りバントを失敗。キャッチャーへのファールフライに終わった。
これで、勝負は決まった。
福留、井端と凡退し、ゲームセット。
野口は、連敗をストップさせられなかった。
そして・・・自責点0で敗戦投手となった。
♪語り継ぐ人もなく〜♪吹きすさぶ風の中へ〜♪
野口は何も言わず引き揚げた。
「野口まで見殺しにしちゃったな。野球が甘いんやな」星野監督は、はきすてるように言った。
ある記者は、ロッカールームで野口が、独りつぶやくのを聞いたような気がした。
「中村さんの…おかげです」
この年、野口の成績は、12勝9敗、防御率2.46。沢村賞候補にも、挙げられた。
しかし、勝ち星が少ないことを理由に、受賞は見送られた。
♪ヘッドライト・テールライト〜 旅はまだ終わらない〜♪
、― /フ
ドラジェクト V doraject X
 ̄敗北者たちノ∧ヽ ̄ ̄
ヽノ ヽ)
糸冬
製作・著作
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