798 :
あぼーそ:
(つづき)
ボールはバットと違って去年と全面的に変わったわけではなく、飛びすぎるといわれるあるメーカーの
ボールだけが、反発力を抑えられた。これを主催ゲームで使っていた近鉄・阪急・南海の在阪三球団が大
きく影響されるのだが、阪急・山田、近鉄・鈴木らの投手陣は『まだよく分からない』。打者たちも主催
ゲームがまだ六、七試合と少ないせいもあり『変わらない』『飛ばなくなった』と反応はもうひとつはっ
きりしない。
しかし、投手の球を受ける立場から阪急の捕手・中沢は『飛ばなくなった』と断言する。『今までなら
ミートされた瞬間、やられたとわかる本塁打性の打球がフェンスまで届かずに失速したケースが三、四度
あった。シンに当たっている打球だからバットではなく、ボールの影響ですよ』。
これは近鉄の捕手梨田あたりも同じ意見をもらしており、これら三球団の本塁打数は他球団以上に減る事
が予想される。
(朝日新聞 1981年3月26日)