ゴム手袋にジメチル水銀落ち、4月後に発症して死亡? 53 :
あるケミストさん :2010/03/29(月) 05:51:23
http://www.jaish.gr.jp/anzen/gmsds/0150.html これはジエチル水銀の情報だけど、LD50がシアン化水素や青酸カリよりも大幅に安全側。
これ本当なんだろうか?
第一、死ぬまで10ヶ月掛かるんじゃ、動物実験できないんじゃないの?
(ネズミ類なんかは寿命で死ぬのが多そうな)
これは急性中毒で死亡した個体だけ数えてるとかなのかな?
だとすればこれの100分の1とかの量でも、10ヶ月くらいたって死亡すると見るべき?
あるいはジエチル水銀はジメチル水銀と比べて毒性がかなり低いとか?
ジメチル水銀の方は同じサイトでは毒性数値全くないんだよね。
英語サイトを探しまくって、50μg/kgという数値が出てきたけど、
こっちだってどうやって動物実験したんだか?
遅効性毒物のLD50算出法がよく分からないんだよね。
54 :
あるケミストさん :2010/03/29(月) 05:56:51
>>52 1番と2番はそれぞれ別の製法みたい。
なので、グリニャール試薬はヨウ化メチルマグネシウムで、これと塩化水銀を混ぜる方法が1。
臭化メチルと、ナトリウムアマルガム合金を混ぜる方法が2。
>グリニャール試薬にはさまざまなものがある
については、よく読むとヨウ化メチルマグネシウムを使う方法だって分かった。
あと海産物が先物取引されてる場合、そのテロは自作自演インサイダー取引に使われそうだね。
911テロでもラディン筋が先物かオプションを事前に取引していたらしいし。
>>53 ジエチル水銀はジメチル水銀よりずっと大きいし
システインと複合体を形成出来そうにないからなぁ
脳に入れなさそうだから、それで毒性が低いんじゃない?
56 :
あるケミストさん :2010/03/29(月) 21:36:44
なるほど。
ちょっと調べたら、モノメチル水銀でもシステインとはくっつくみたいだね。
Methylmercury cysteineってのが英語表記かな?
でも、ジエチル水銀の場合はシステインとはくっつかないのか……
確かにそういう記述はないな。
だとすればジエチル水銀は
>>53 の表の致死量が、遅効性の意味でも正しくて、
10ヶ月経って死んだりするわけではない、というのが結論なのかな。
でもGHSの危険性シンボルだとなぜかジエチル水銀だけ猛毒扱いで、ジメチル水銀はちょっと危険な物質、
程度に見えてくるから何というか・・・
この種の物質はあまり実験室以外に登場しないから、どの程度の猛毒なのかがヴェッターハーンの死までよく分からなかったんだろうね。
ある程度有名どころの物質は当然動物実験するだろうけど、さすがに10ヶ月先にその動物が死んだってまさか毒の影響だとは思われなかっただろうし。
意外に遅効性の毒物って気付かれずに存在してるんじゃないかと思えてくる。
ちなみにgoogleブックの立ち読み機能で洋書見たら、ジエチル水銀は大昔、
梅毒の治療に使われたがあまり毒性が強いのですぐ廃れたそうだ。
臭化エチジウムだって牛の病気治療のために注射してるって話があるし、
毒=薬とはこのことだなあ。
57 :
あるケミストさん :2010/03/31(水) 07:24:27
Wetterhahnは、後でさらにことによると彼女の手袋をはめた手に1滴のジメチル水銀をこぼしたと思い出しました。 テストは、次に、これが手袋に入り込んだのを示して、15秒以内に彼女の皮膚に入り始めました。 現在、この化合物を扱うとき払う唯一の安全な注意が1組の長く折返しをつけさせられたネオプレン(または、他の重い義務)手袋の下で非常に抵抗力があるラミネートされた手袋をすることであると受け入れます。 (エキサイト翻訳) 1997年1月、彼女は彼女の心配して明確な症状- tingly指やつま先、ろれつが回らないことに気づいた。 彼女は自分のバランスとビジョンの彼女のフィールドに問題があるようになったの縮小を開始した。 水銀中毒1997年1月28日に診断された。 テストでは 、 彼女は1リットル当たり4000マイクログラムで、80倍の毒性のしきい値血の水銀のレベルが明らかにした。 2週間後 、 彼女は 、 そこから彼女は決して回復昏睡状態に陥り、1997年6月8日に死んで下落した。 (グーグル翻訳)
58 :
あるケミストさん :2010/03/31(水) 08:08:06
http://www.ehs.gatech.edu/chemical/mercury_and_compounds.pdf >Dimethyl mercury, an extremely toxic material (LD50 50ug/kg), is a colorless, sweet-smelling liquid.
ここでは50キロの人なら2.5mgが致死量ということになる。
そしてウィキペディア(英語版含む)では「数マイクロリットルを手にこぼしても危険」。
しかしこの人は0.2グラムが体内にあり、10ヵ月後に死亡。
さて、真実は?
多分「ラテックス手袋にこぼしたのが原因」というのは、本人が思い出したというに過ぎないし、
誰かが食事に水銀を入れた可能性もあるだろう。
あるいは作業環境の濃度が高くて、蓄積したとか。
59 :
あるケミストさん :2010/03/31(水) 08:16:46
http://www.st.rim.or.jp/~shw/MSDS/04259321.pdf >動物にジメチル水銀を吸入または静注により投与した実験によると、
>いったん取り込まれたジメチル水銀は急速に呼気から排出され、
>残ったものは代謝されモノメチル水銀となることが知られている。
>(症 状)
>ジメチル水銀それ自体は生体に対し特に障害を与えず、モノメチル
>水銀となって障害を起こすものと考えられている。代謝の項に述べ
>たように呼出される割合が大きいので、毒性はモノメチル水銀より
>低いと考えられる。
このように、呼吸で大部分排出されるので、実際に摂取した量は1グラム近いという計算になる。
これはいくらなんでもおかしい。
本当に10ヶ月前の手袋の上にこぼしたという事件があったとしても、
これは主原因ではないだろう。
血液検査の結果が誤りでないなら、何らかの外的要因があっただろう。
実際、サルなどで動物実験を行って、4ヵ月後に発祥するのかどうかを調べるべきではないか?
60 :
あるケミストさん :2010/03/31(水) 08:29:34
61 :
あるケミストさん :2010/03/31(水) 08:42:45
62 :
あるケミストさん :2010/03/31(水) 09:35:54
63 :
あるケミストさん :2010/03/31(水) 23:23:53
>>61 100倍高い方を取ってもジエチル水銀と10倍の差があるのか。
じゃあ吸入毒性も10倍の差があるのかな。
血液脳関門を通るかどうかでこんなに違いがあるとは……
でもモノエチル水銀とモノメチル水銀の毒性はさほど差がないようなので(ジエチル水銀並み)、
ジメチル水銀はモノメチル水銀よりも脳関門を通りやすいのか?
体内でモノエチル水銀に全部代わるわけじゃないのかな。
64 :
あるケミストさん :2010/04/01(木) 00:00:50
65 :
あるケミストさん :2010/04/01(木) 00:45:55
>>50 和光で扱うようになった。
まだ10gレベルだけどね。
67 :
あるケミストさん :2010/04/02(金) 10:29:00
ということはこうなるわけか。 システインとの結合しやすさ ・ジメチル水銀 高 ・ジエチル水銀 低 ・モノメチル水銀 中 ・モノエチル水銀 中
68 :
あるケミストさん :2010/04/03(土) 01:10:50
>>66 自閉症は水銀が原因だって説があるけど、そういう学説支持者はキレート療法をするらしい。
そのうち1種類の薬は、脳関門を通るので脳から水銀を排出してくれるそうな。
ただ、脳外に水銀が多いときは逆効果なので、歯のアマルガムがある状態では使ってはいけないとか。
まあいずれにせよ、
>>1 の化学者は脳外に大量に水銀があったようなのでこの薬で脳からキレートするわけにもいかなかったんだろう。
>>68 どっかに「キレート療法が行われた」って書いてあったぞ?
70 :
69 :2010/04/03(土) 13:30:11
71 :
あるケミストさん :2010/04/03(土) 15:43:37
脳からの?
72 :
あるケミストさん :2010/04/03(土) 20:27:28
http://plaza.rakuten.co.jp/aikentotozan/diary/200509300000/ >その結果、エチル水銀はすばやく血液脳関門を通過し、脳から出て行かない無機水銀の形に変わることが分かりました。
>このため、同じ量のメチル水銀と比べてエチル水銀による水銀は、2倍も脳に残りやすいという結果でした。
ここを見るとエチル水銀の方が脳に残りやすいみたいだけど、
>It is cleared from the blood much more rapidly, with a half-life of 7 to 10 days,
>and it is metabolized much more quickly than methylmercury.
>It probably does not have methylmercury's ability to cross the blood-brain barrier via a transporter,
>but instead relies on simple diffusion to enter the brain.
ウィキペディアの水銀中毒の項にはこう書いてある。
要するにエチル水銀はメチル水銀より脳に入りにくいということ。
つまり、情報がどうなのかが混乱している。
まだまだ毒理学には研究の余地があるということだ。
なんかジメチル水銀って蒸気密度が1.5しかないらしい。 この分子量にしては珍しく軽いな。
毒性学の豊富なデータベースのTOXNETでも、なぜかジメチル水銀だけ毒性データがない。 ジエチル水銀、ジイソプロピル水銀、ジブチル水銀、ジフェニル水銀とかはあるのに、 ジメチル水銀だけ欠けている。 色々検索してもジメチル水銀だけ「一滴ついただけで危険」という言葉で表され、 明確な致死量が載っていないのが不思議。 試験機関は、なぜジメチル水銀だけを見捨ててるんだろうか。 水俣病とかで関連がありそうなのに。
NMR室の汚染が気になるので、検知管を探したんだけど、光明理化学もガステックもジメチル水銀やジエチル水銀を計れる検知管はないってさ。 金アマルガムで吸着して、原子吸光分析とかに掛けるのがオーソドックスらしい。 金に吸着するのか・・・
誤って摂取したときはキレート剤を飲むといいそうだが、 アルファリポ酸は容量によって逆効果になる可能性もあるようだ。 だが市販されてる奴には大抵含まれているという罠。
マウスとラット、リスザルは末梢神経症状が強く、マーモセットと人は中枢神経症状が強いようだ。 だからマーモセットが研究に使われる。 つまり安価なげっ歯類での実験が難しいのが毒性情報がない理由かと。
ところでゴム手袋が無効なのは分かったが、活性炭防毒マスクは有効なのかね?
ウィキペディアの解説ちょっと不正確じゃないかな。 システインはDとLの2種類あって、L-システインはメチル水銀と結びついて脳関門通って有害で、 D-システインは排泄を促進するから逆の作用があるらしい。 N-アセチルシステインは排出を促すらしい。
チメロサールはどうよ?
84 :
あるケミストさん :2010/06/06(日) 15:28:39
これがテロに使われないことを祈る こんなの撒かれたら絶対何が原因か分からない この人は化学者だから実験が記憶に残っていたのだろうが
86 :
あるケミストさん :2010/07/24(土) 06:44:29
>>85 正確に言うと、何が原因かは分かる。
水銀は髪や脳に残存するから。
誰が原因かはわからない。
87 :
あるケミストさん :2010/08/02(月) 03:13:11
テトラアルキルスズ、テトラアルキル鉛も似たような毒性あるんじゃないか? 遅効性という点でも同じ。 テトラアルキルスズは毒物規制掛かってないが・・・
88 :
あるケミストさん :2010/08/03(火) 02:31:19
トリメチルタリウムとかモノメチルタリウムってどうなんだろう? トリメチルビスムチンはそれほど毒性はないみたい。 (そもそもビスマス自体毒性が低いけど)
89 :
あるケミストさん :2010/08/03(火) 06:42:13
>トリメチルタリウム TOXNETにも毒性情報はない。
これって皮膚に落とした時点ですぐ適切な処置を受けていれば救命できたって事?
吸入したことにすら気がつかなかったら、その時点でアウトだろ
ドラフト内って書いてあるけど こぼしただけなんでしょ。んでぬぐったとも書いてある。 この時点で致命的だと気づいて救急をよんでいたらどうなったの?
93 :
あるケミストさん :2010/09/01(水) 16:53:38
キレート剤投与されたはず。 だが有機金属のキレートって普通のキレート剤でいいのかな。
94 :
あるケミストさん :2010/09/03(金) 17:43:54
絵よりも説明文が意味不明なんだが
ウンコも萌えるくらいだから
>>93 それは運動障害が発覚してからだろ?
>>90 が聞いてるのは接触直後って事だろ
98 :
93 :2010/09/04(土) 05:36:56
>>93 は
>>92 の「救急をよんでいたら」に対するレス。
キレート剤が重要なのは直後でも発症後でも同じ。
まあ直後なら、血液還流か血液透析があったかな。
でもこの事件までそんな危険物だとは知られていなかったし、医者が「手をよく洗ってね」で帰していた悪寒も。
99 :
93 :2010/09/04(土) 05:42:32
おっと血液潅流だった。 まあジメチル水銀自体いまだに致死量すら動物実験で測定されてない物質だし、 当時は単なるマイナー物質の扱いだったんだろう。 ジエチル水銀ならいくつかの致死量データは取られてるんだけどね。
100 :
あるケミストさん :2010/09/06(月) 09:14:15
101 :
あるケミストさん :2010/09/06(月) 09:33:21
http://www.nitr.go.kr/tdb/jsps/search/toxSavePdfScrn.jsp?code=A0035800&pdfName=H000012.pdf ここだとLD50がラットで58mg/kg、マウスで14mg/kg、TDLoがマウスで1.4mg/kgとなっている。
題名はメチル水銀だが、書いているのはジメチル水銀のことらしい。
分子量が230なのに215と書いているのが変だが。
マウスのを信じると、体重50Kgなら0.7グラムが体内に入れば半数致死量となる。
手袋に落として死んだ人も、体内にはそれくらいあったと言われてるし(発症までに減ったが、それでも血液1Kg当たり4mg)。
水一滴は40mgらしい。
ジメチル水銀の表面張力にもよるが、液滴のサイズが同じだとすれば比重3倍なので120mg。
5滴こぼしても600mgで、それが全部皮膚に吸収された????
マウス、ラットは人より耐性あるのかな。
だとしてもこの事故例の体内の水銀量と皮膚吸収量がどうもしっくり来ない。
102 :
あるケミストさん :
2010/09/06(月) 09:42:44 上の韓国語の毒性値はChang, 1996が根拠のようだから、 中国系の名前ということはあまり欧米では出回ってない情報なのかな。 96年という結構前の測定なのに。