データ捏造でマターリと Part2

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97あるケミストさん
続き
 松本教授と問題のベンチャー企業との関係は、01年に始まったとされる。社長(67)が松本教授を訪
ねたことがきっかけだった。
 当時、松本教授は、自ら開発した金属化合物をDNA解析などの試薬として使う技術の確立を目指してい
た。関係者は「教授は社長の知識を高く評価したようだ。最初から意気投合した」と振り返る。教授は同年
3月、同社の取締役に就任。3カ月後にいったん退任したが、その後株主になった。
 01年の同社の資本金は2000万円。社長と家族で経営し、事務所は東京都内の企業に「間借り」して
いた。バイオ関連製品の販売などを続けていたが、松本教授との出会いを機に急成長する。
 01年3月期に450万円の売上高は、02年3月期に1500万円。02年6月、松本教授が再び非常
勤取締役に就任すると、03年3月期の売上高は1億1600万円にはね上がった。
 関係者は「松本教授は無報酬だったが、社には大きなメリットがあった」と語る。教授の「信用力」で大
手繊維メーカーの出資も取り付け、資本金は1億5600万に増えた。
 02年9月には、免疫機能の測定に関する基礎技術で特許を共同出願。「松本先生の技術を使えば、わず
かな細胞で病気が診断できるようになる」「腫瘍(しゅよう)の悪性、良性が瞬時に判断できる」。社長は
周囲にそう語っていた。
 一方、同社は01年9月、早大に自社の寄付金で「寄付講座」を開設した。松本教授が「右腕」と信頼す
る中国人研究者を客員助教授として招き、報酬計約1400万円を支払った。この研究者は、01年の松本
教授の論文の共同研究者で、データに不正の疑いが持たれている。
 寄付講座は3年半の予定だったが、2年半で中断した。早大に支払われた寄付金は2年分で計2250万
円。早大は12日の会見で、松本教授と同社との架空取引で支給された2484万円が寄付に転用された可
能性が高いとした。事実なら、公的研究費が一企業の宣伝に使われ、松本教授の影響力が及ぶ範囲に「還流」
されたことになる。