練炭で一酸化炭素が発生する過程を簡単に説明します。(cr:chemical reactionの略)
●普通関係する反応は、次の四つです。
cr1. C + O2 → CO2 + 394kj ------- 通常の燃焼
cr2. C + 1/2*O2 → CO + 111kj ---- コンロ内の反応.次式でCO2になる
cr3. CO + 1/2*O2 → CO2 + 283kj - 点火時の青い炎
cr4. C + CO2 → 2CO −172kj ----- 酸欠時の一酸化炭素の発生
●点火後しばらくは
cr1. :赤熱部での通常の燃焼。
cr2. :熱くはなっているが、発火温度にはなっていない部分での、一酸化炭素を出す燃焼。
cr3. :2で発生した一酸化炭素と、コンロ上部の二次空気口から入った酸素との燃焼。青白い炎となり燃える。
これらは同時に起こる。練炭全体が赤熱してくると、2と3の燃焼はなくなる。
(注:cr2の一酸化炭素を燃焼させずそのまま利用しようとすると、練炭に含まれる揮発成分も出ている為強い異臭がする。)
●その後密閉された空間に、赤熱した練炭を持ち込むと
cr1. :赤熱部での通常の燃焼。空間内の酸素を消費する。同時に一酸化炭素の原料となる二酸化炭素を供給する。
cr4. :酸素が不足してきて、下部の空気口から二酸化炭素を吸い込んだ時の反応。吸熱反応なので、練炭は徐々に赤みを失い黒くなる。
この反応は、通常空気中にある21%の酸素が18%まで低下すると、急激に速くなる。
●一酸化炭素中毒では、意識がなくなる前に、身体の自由が効かなくなるといわれている。
死に直面して、「やはり生き抜こう」と思った場合、非常な葛藤の中で死を迎える。