総合化学大手の三井化学は8日、大阪工場(大阪府高石市)が高圧ガス保安法で定められた自主検査について、
大阪府に虚偽報告をしていたと発表した。安全が確認されるまで対象プラントの稼働を停止する。石油化学・精製業界で
虚偽報告が明らかになったのは3社目。経済産業省原子力安全・保安院は同日、自主検査資格を持つ48社に対して、
検査が適正かの調査を実施し、結果を報告するよう指示した。
同社によると、東ソーの虚偽報告が明らかになったことを受け、6〜7月に自主検査の資格がある4工場を調査。
00〜02年に大阪工場のエチレンプラントなど7設備の一部で、タンクなどの肉厚測定を省略し、過去の数値を
そのまま書き込んだりして提出していたことが分かった。
検査をしなかった理由について中西宏幸社長は「過去の経験から、数値はそれほど大きく変わらないと判断したのでは
ないか」などと述べ、コストダウンのためという見方は否定した。中西社長は「信頼を損ない深く反省している」と陳謝。
自身を含め関係者を処分する方針を示した。
自主検査制度は97年、規制緩和の流れを受けて石油化学業界の国際競争力を高めるために設けられた。認定されると、
10億円以上かかるとされる検査が2年に1回でよくなるなど、大幅にコストダウンできる。 (08/08 20:23)
http://www.asahi.com/national/update/0808/035.html