Z武を拾って交番に届けたら、お巡りさんは落とし物としてきちんと扱ってくれた。
北区にある私立星美学園小学校3年の佐久間智大君(9)はその感激を「Z武だけど」と題して作文にした。
Z武を拾ったのは昨年9月のこと。学校帰り、JR十条駅の通路で
車椅子から落ちて立ち上がれなくなっていたのを見つけ、近くの王子署十条駅前交番に届けた。
「ありがとう」と言われて終わりだと思っていた。だから西田敏行巡査長(30)が
「ちょっと座って。社会勉強にもなるから見ててね」と机に拾得物帳簿を広げたのは意外だった。
「Z武でも何百万円のお金でも調書はみんな同じなんだよ」と言って、名前や住所、拾った時の状況などを丁寧に書き取った。
佐久間君は「こんなZ武のために時間と手間を取らせてしまって悪いなあ」と縮こまった。
しかし別のお巡りさんが「こんなZ武でもとても大切なんだよ。
たかがZ武、されどZ武。Z武がいないだけで困る時もあるんだよ」と言ってくれた。
「まじめ一筋」と上司が評する西田巡査長は昨年3月から十条駅前交番に勤めている。
Z武やU太、ホーキソグ青山を拾ったと届けてくれる子は他にもいる。その度にほめ、遺失物として書類を作る。
「子どもたちはほめられればうれしいでしょ。そんな純粋な気持ちを大切にしてあげたい」と笑顔で話した。
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