【ニュース】
根津院長、代理出産を「3年で5例試み」
成功1例、事後ケアは不十分
不妊に悩む夫婦のために、代理出産を進めていた長野県下諏訪町の
諏訪マタニティークリニックの根津八紘(やひろ)院長は19日、
過去3年間で計5組の代理母による出産を試みていたことを文書などで
公表した。
無事赤ちゃんが生まれたのは1組だったという。
さらに、妊娠後や出産後に患者側と接点がほとんどなかったことを認め、
支援、相談態勢は十分でなかったことも浮かび上がった。
文書などによると、根津院長は6年ほど前から、代理出産についての
相談を受けていた。
代理出産を試みた5ケースすべてが姉妹間によるもので、出産まで
こぎつけた今回のケースを除くと、体外受精した受精卵が着床
しなかったり、流産したりしたという。
今回のケースは、妊娠中の事故で子宮を失った姉夫婦のために
30代の妹が代理母になっていた。
事前に1時間ほどの説明をしたという。
根津院長のもとで移植して妊娠後、別の医療機関で出産したという。
根津院長は、朝日新聞社の数回にわたる取材に対し、代理母になった
妹夫婦や姉夫婦と根津院長はその後、疎遠になっており、
家族関係もぎくしゃくしていることを明らかにしていた。
産んだ妹から1度、手紙を受け取った後、患者側の状態を把握
できない状態が続いていたといい、事実上、事後ケアができて
いなかった。
根津院長はこの日、「関係者の家族が精神的に不安定な状況に
あるみたいだが、これは時間が解決してくれるだろう」と述べた。
流産したケースの患者側へのケアについても「落ち着いたころに
お便りをと思っているが、まだコンタクトはとっていない」と認めた。
(05/20)
http://www.asahi.com/life/child/0520a.html