■川崎病専門医Aが答えるスレ〜part4■

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762川崎病専門医A ◆N3i.Qu1SoY
>>761
>完全除去の方が早く治ると言う先生と
>少しづつとった方が治りが早いと言う先生

年齢によっても異なると思います。
乳児期(〜12ヶ月前後まで)までの食物アレルギーは
なにもしなくても自然に治ってくることがほとんどですので
「完全除去」〜「なるべく除去」するのが普通だと思います。
ただし、「完全除去」にするか「なるべく除去」にするかは
食物アレルギーの程度によって方針が異なってきます。
例えばほんの微量のアレルゲンを口に入れただけで
全身性ショックになって命に関わったことがある場合には
完全除去にします。
そうではなくて、少し蕁麻疹が出る程度であれば、
「まぁなるべく入れないようにしようね」という程度になります。

ただし、これは「本当の意味での」食物アレルギーの場合です。
食物アレルギーの診断は
・症状
・食物摂取歴
からある程度アレルゲンの候補をしぼり、
実際に食べてもらう(=経口負荷テスト)ことが診断に必要です。
血液検査はまったく当てになりません。
例えば血液検査で卵白のRASTが3+だったとしても
経口負荷テストでなにも症状がなかった場合には
卵白の食物アレルギーではないことになり、
そのような赤ちゃんはいくらでもいます。
というか普通、赤ちゃんにアレルギーの血液検査をすると
卵白のRASTがマイナスであるほうがめずらしいです。
763川崎病専門医A ◆N3i.Qu1SoY :04/08/12 19:12 ID:hF1R4QIV
>>761
つづき。
年齢が2歳以上くらいの場合には完全除去しても自然に治る見込みは
ほとんどありませんので、また方針が変わってきます。
減感作療法と言って、かなり少ない量からアレルゲンを投与していき、
症状がでないようにゆっくりと投与量を増やしていく、
という治療があります。(数ヶ月〜数年かけて増やしていきます)

IgEが高いと喘息に移行しやすい、というのはあまり当てにならないと思います。