マイケルジャクソンの子育て

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213名無しの心子知らず
食事の前にはお祈りを欠かさない、しかも申し分ないマナーだ。マイケル・ジャクソンは本当によく子どもの面倒を見ている。

これは彼をよく知る人物、ジョナサン・マーゴリスによって書かれた記事である。

214名無しの心子知らず:03/03/31 16:09 ID:5eufjD5k
感謝祭は、アメリカ人の家庭で一年のうち最も盛大に祝う日である。
合衆国のすべての家庭で、七面鳥と付け合せの野菜、かぼちゃのパイが夕食に上る。
私が過ごした2年前の感謝祭もこのような典型的なディナーであった。
しかし、一緒に過ごしたのは典型的な家族ではなかった。
私が招かれたニュージャージーにある友人の家には、マイケル・ジャクソンと当時3歳のプリンス1世くん、2歳のパリスちゃんもいたのだ。

そう。あのマイケル・ジャクソンだ。
ベルリンの15メートルの高さのバルコニーに一番下の子どものプリンスマイケル2世をぶら下げたとして、
世界で最も悪い父親だと非難されているあのマイケルジャクソン本人だ。
あのクレージーな行動に対して気の毒なほどの謙虚な謝罪があったにもかかわらず、
僕がソーシャルワーカーから聞いたことは、この国で同じ事が起こった場合、彼の3人の子どもはすべて取り上げられ、
保護の下に置かれるだろう、ということだった。
それでも、マイケルと上ふたりの子どもたちと過ごした感謝祭の前後丸々4ヶ月をもとに考えると、物議をかもすであろう結論に達するのである。
それは、ジャクソンは言われているような悪い父親ではなく、
それどころか私の経験から言わせてもらえば、プリンス1世とパリスは、最も行儀がよく、最も甘やかしとはほど遠い、そして最も安定した性格の子供たちであると言える、
ということだ。

215名無しの心子知らず:03/03/31 16:10 ID:5eufjD5k
ジャクソンの子どもたちと一緒に過ごす間、私は彼らのことをかなりよく知ることになった。
パリスをひざの上に、プリンスを横に座らせて本を読んであげていたある日、プリンスがおもちゃのトラクターを私の足の上で走らせたので叱ったのだが、
(プリンスはきちんとごめんなさいと謝ったのだが、父親に促されて謝罪の言葉を繰り返した。はじめに言ったごめんなさいが十分に聞こえなかったためだと言う。)
甘やかされた子どもや、手に負えないやんちゃ坊主からは決して期待できない振る舞いである。
しかし、驚くことはまだあった。
216名無しの心子知らず:03/03/31 16:11 ID:5eufjD5k
ジャクソンの子どもたちは他の子どもたちと交わることを避けているとの有名な神話があるが、
彼らが友達と何時間も遊ぶのを目にしたし、病気をうつされる恐怖で一日の終わりにはすべてのおもちゃを破棄するという評判があるようだが、
これについても、私は彼らが汚れた不衛生なプラスチックの、皆が持っているようなおもちゃを抱いたり、なめたりしているのを見ている。
プリンスとパリスを連れて、マイケルのショッピング三昧に付き合ったときには、午後7時から始まったその時の買い物は早々に切り上げられた。
子どもたちの寝る時間が近づいていたからだ。
おもちゃはそれぞれひとつずつしか許されていなかった。

217名無しの心子知らず:03/03/31 16:12 ID:5eufjD5k
ジャクソンは神経質で、一風変わっていて、実に脆い男かもしれないが、プリンスとパリスは聡明で、自信にあふれ、優しく、思いやりのある子どもたちだ。
食事の前には祈りを捧げ、アメリカ式の口ごもった発音で単語を並べた話し方ではなく、きちんとした文章で話をする。
多くの子どもたち同様に乱暴な言葉づかいは禁じられている。
プリンスは生真面目な表情をしているが、根っからのいたずら好きで、好奇心にあふれている。
自分の父親の命令に、懸命に従うスタッフにいつもとり囲まれているのにもかかわらず、この小さな少年の振る舞いからは、ひとかけらの尊大さも感じたことはない。
私が会ったときのパリスはまだ小さかったが、可愛らしく、シャープな顔立ちをしていた。
プリンスとどちらが早く父親のひざの上に乗るか、よく競争をしていた。
218名無しの心子知らず:03/03/31 16:13 ID:5eufjD5k
子どもたちの母親であるデビー・ロウとは離婚をしたので、滅多にないことだが、
ジャクソンが子どものそばにいない時には、養育係のグレースが子どもたちの世話をしている。
グレースは中南米出身の女性で、裏方に徹し、絶えず目を配っている。
私は、彼女がどんなことも決して見逃さないと確信できるので、もし、彼女が今でも養育係であったなら、
あのバルコニーでの愚行について、自分のボスにどんな嘆きをぶつけていたかと考えるのも恐ろしい。

子どもたちの装いは、プリンスについてはマイケルが、パリスのものはグレースが選んでいるように思える。
特別な機会には、プリンスは小公子風の装いを、パリスは大体、可愛らしくて、レースをあしらった少し昔風のベルベットのドレスを着ている。

219名無しの心子知らず:03/03/31 16:14 ID:5eufjD5k
三児の父親である私が見るところ、プリンスとパリスは兄弟の間にはよくみられる程度のけんかもする。
ある食事時に、パリスがねんね毛布を隠し持ってきたことをプリンスが見つけ、「パリスが毛布を持っている!」と、冷やかしたことがある。
そのときマイケルは、笑うことではない、おまえだって毛布を持ち歩いていたのだよ、と指摘した。
坊やはそのことをばらされて、おとなしくなり、ちょっと恥ずかしそうにしていたように見えたが、今度は静かにからかい始めた。
パリスは相手にしていなかった。
220名無しの心子知らず:03/03/31 16:14 ID:5eufjD5k
マイケルの風変わりなところは、父親の過酷なしつけに行き着くところが多い。
しかし自分の子供たちには厳しいが、それは限りない思いやりと、情け深さを持っての厳しさである。
手を上げることには、断固として反対であり、彼の鋭い感性を覆い隠す、ぼんやりとした考えがあるようだが、
その中には、子どもたちを出来る限り普通に育てるという固い決心がある。
マイケルがとくに心配していることは、子どもたちがティーンエイジャーになった時の、麻薬やその他の芸能界にある誘惑だ。

221名無しの心子知らず:03/03/31 16:15 ID:5eufjD5k
マイケルは、「だめということは、だめだ。」ときっぱりしているが、
感情的になったり、大声を出したりすることでしつけようとはしない。
むしろ、子どもが言うことを聞かなかったり、兄弟に意地悪をしたりした時には、
持っているものを取り上げ部屋の隅に立たせるという方法をとる。
ネバーランドの自宅には、おもちゃはむやみに与えられていないようだが、
友達が来たときには、おもちゃを自分のものだ、と言ってはいけないと躾けられている。
お金についても、その利益をみんなと分かち合うためにあるのだ、と教えられている。
222名無しの心子知らず:03/03/31 16:16 ID:5eufjD5k
いささか驚きではあるが、マイケルはうぬぼれには厳しくしている。
プリンスが鏡を見ながら髪をとかし、「僕、かっこいい!」と言ったとき、マイケルは「普通だよ。」と訂正するという。
プリンスとパリスは社交上手であるように言われている反面、嘘はいけないと教えられている。
罪のない嘘もいけないのだ。
また、物事はいろいろな角度から見ることを教えるようにしている、という。
たとえば、プリンスは飛行機の揺れが嫌いなのだが、
もし彼に今は飛行機に乗っているのではなく、ジェットコースターに乗っているのだよ、
と言ったとしたら、プリンスはそれは嘘だとわかるだろう、とマイケルは説明する。
でももし、今は飛行機に確かに乗っているけれども、ジェットコースターだと思ってごらん、
と言ったなら、これは見方の問題になるということだ。

223名無しの心子知らず:03/03/31 16:17 ID:5eufjD5k
マイケルは自分にも厳しい。
前回出したアルバムのレコーディングをしていたある日、プリンスが床にポップコーンをこぼしてしまったことがある。
そのときマイケルは自分が掃除をすると言い張った。
「汚したのは自分の息子だ。僕が掃除する。」と言って、呆然としているミュージシャンたちの前で膝まずいて掃除をした。
224名無しの心子知らず:03/03/31 16:18 ID:5eufjD5k
マイケルの友人であり、感謝祭の食事に招待してくれた、ラビ(ユダヤ教指導者の呼称)・シュムリー・ボテツは、
このスターには稀に見る、子どもたちへの本能的な共感力があると確信している。
それは、もしかすると彼自身が大人になっていないせいかもしれない。
シュムリーは8歳の娘さんがネバーランドで迷子になった時の話をしてくれた。
泣いているわが娘を見つけて、とっさに、「馬鹿なことをするな。」と言ってしまったそうだが、そこにマイケルが間に入ってきてこう言った、という。
「どんな気持ちだったかわかるよ。僕も子どもの頃、同じようなことがあったんだ。」

225名無しの心子知らず:03/03/31 16:19 ID:5eufjD5k
このように、マイケルが子どもたちに共感するところを、私も何度も見てきた。
マイケルはまるで大人に接するように子供と話をする。
大人の会話に子どもが割り込んでくることは許さないが、子どもたちに質問をしては、彼らの声を常に聞こうとしている。
おそらく、われわれ大人は聞く耳を持たないような場面で、である。
マイケルは犬が苦手だが、子供たちにゴールデンレトリバーを与えている。
理不尽な偏見を伝えてしまうのはいけないと考えてのことだ。
また、マイケルは、子供たちが聞いてくる、すぐ答えが出ないような質問にデタラメに答えることが嫌なようだ。
それよりは、自分の広い書庫に行って正しい答えを探すのだ。
226名無しの心子知らず:03/03/31 16:20 ID:5eufjD5k
さて、マイケルがあの、悪名高いバルコニーでの一件で、何をしたと言うのだろうか。
マイケルの子供たちの安全について、何故それほどに疑心暗鬼になるのか?
何故、赤ん坊を危険にさらした、と不必要に繰り返すのだろうか?
私にひとつ想像できることは、マイケルは、豪快な方法で何事にも恐れないように育てる、
という彼のもうひとつの信念を実行したのではないか、ということくらいだ。
感謝祭のディナーの席でマイケルが私に、「僕は危険なことが好きなんだ、理由はわかないけどね。」と語ったのだ。
このマイケルの言葉は、もしまたあのベルリンの事件のようなことが起こったときにマイケルが直面するソーシャルワーカーにとって、
重みがあるものだとは到底思えないが、
昨年マイケルがオックスフォード大学で、子ども時代と自分の子どもたちについて語ったスピーチの一部がここにあるので、
こちらは参考になるかもしれない。
227名無しの心子知らず:03/03/31 16:21 ID:5eufjD5k
もし、子どもたちが大人になって、私や、私の選択してきたことの彼らの青年時代に与えた影響を恨むことがあったらどうするだろう。
「どうして僕たちには他の人たちのような、普通の子ども時代がなかったの?」そう訊いてくるかも知れません。
そんなときには、彼らが善意に解釈してくれて、自分にこう言い聞かせるように、と祈ります。
「私たちの父さんは、あのような、他にはない状況の中にあっても、できるだけのことをしてくれた。」と。

マイケルはこう締めくくった。

私が望むことは、彼らがいつでも物事の肯定的な面に着目すること、私が彼らのために喜んで犠牲にしてきたことに目を向けることです。
あきらめなければならなかったことや、私の犯した間違い、これから彼らを育てる過程でするにちがいない間違いに文句を言ったりしないことです。
私たちはみんな誰かの子どもであり、どんなに立派な計画や努力にも間違いは起こると言うことを知っているのですから。
それが人間というものです。