■ 関西・廣島・埼玉など素人物を語ろう99 ■

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563名無しさん@ピンキー
青山正明は『Hey!Buddy』が終わる頃から、大正屋出版が倒産した後くらい
まで、つまり1985年?1988年頃に、断続的にスカトロ関係の雑誌/ムックの
編集を行なっている。スカトロというと流石に偏見も多いだろうが、実はこの
時期のスカトロとは、いわゆるサブカルチャーの一種なのである。      
                                                
                                              
                                              
                                              
                                               
                                                
564名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 14:28:56.44 ID:NgDwqWTy0
順を追って軽く説明したい。『Jam』『HEAVEN』という伝説的な自販機本を
出していた群雄社という出版社が、80年代初頭に出した排泄シーンの写真を
掲載した自販機本が好評だったことで、スカトロ単独で雑誌を制作することになる。
それが日本初といわれるスカトロ専門誌『スカトピア』(1982年9月/群雄新社)。
群雄社は1983年に倒産したが、同じ社長によるビデオメーカーVIPが同時期に
『女子便所』シリーズ(1982年6月頃から)をリリースし、排泄マニアに限らず
好評を得ていた。更にそれと同じ頃、スカトロ関連も掲載されていた白夜書房の
変態雑誌『Billy』が一時代を築く。この『Billy』が1985年に廃刊し、その後釜を
狙った小さな変態雑誌が増え始める。その中に、スカトロ関係も多く含まれて
いたのである。                                      
565名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 14:30:26.88 ID:NgDwqWTy0
群雄社以前のスカトロはまだ一部のSM小説/性風俗研究誌にテキスト情報が
出回る程度で、肝心の写真を手に入れる方法は限られていた。つまり、情報が
ないから、スカトロを扱えば一定の売上を見込めたのである。これは80年代
エロ本の黄金パターンであり、「裸さえ載せればあとは好きなことをしてもいい」
という発想と同じく、「排泄シーンを載せればあとは好きなことをしてもいい」と
編集者が勝手に好きなページを作っていたのである。もちろん実際にそういった
作られ方をしたスカトロ本は一部ではあるが、この時期のスカトロ本を読んで
唐突にサブカルチャー情報ページがあった場合、それはそういうものだと
思って欲しい。                                     
                                                  
566名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 14:58:37.37 ID:rA8+ScNs0
スカトロ本の多くは「角本」という種類のエロ本だった。これはサイズがA5版で、
表紙回りがツルツルのコート紙で、おおよそ150ページ前後の簡素な作りが、
角張った印象を与えることからそう呼ばれたそうだが、青山が編集したスカトロ本も
そうしたフォーマットにのっとったものが多い。さらに、ここが一番面白いのだが、
「楽に作って金が儲かる」と考えた小さな出版社が多い分野であるだけに、
編集側が読者を舐めてるとしか思えないほど、記事の再利用・流用・転用が
ポロポロ見られる。ヒドイものになると表紙だけ変えて中身が同じだったりする。
そうした本の存在そのものが、今となってはいとおしいと思わないだろうか
(思わないか)。                                    
                                              
567名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 15:00:22.80 ID:rA8+ScNs0
ここで青山が関わったスカトロ本を紹介するが、角本は発行日が書かれて
いないのが普通であるため(出版社の住所すら記載されていないものがある)、
いつ作られたものか正確な時期が判らないものが多く、記載している年は
すべて推測である。その点はご了承いただきたい。なお『サバト』(三和出版)と
『フィリアック』創刊号(求龍社)は以前触れたので省略する。
                                                 
                                               
                                                
                                                 
568名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 15:01:45.46 ID:rA8+ScNs0
1987年。「マニア待望のスカトロ専門誌」。編集人は楠山克人、発行人は
伊集院龍。妊婦浣腸スカトロ特集。求龍社は『フィリアック』の版元でもあるが、
『スカトロ・ビデオ大全集』『マドンナ通信』『パラノイア』『アブ通信』などの
エロ本を通販などで売っていたマイナー出版社である。青山は「スカトロ
人間学」と題した、糞便愛好のフェティッシュとは何かの論考を寄稿。
前述の群雄社の同名誌とは無関係。なお1987年という時期は『フィリアック』
2号の広告が掲載されていることからの推測。『フィリアック』は編集方針で
揉めたことで隔月発行の予定が大幅に遅れ、青山も編集から外れている
(2号編集は岡本鬼坊)。                              
569名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 15:23:50.61 ID:rA8+ScNs0
1987年。B5。このムックは二種類あり、装幀はまったく同じだがページ数が
2倍違う版がある。ページ数が少ない方はほぼグラビアのみで構成されている
コンパクト版で(ただし値段は同じ)、青山の記事はページ数が多い方に掲載。
“千摺魔王サウスポー”こと青山正明は「コプロラグニアへの憧景」と題した
エッセイ記事を寄稿。ウロラグニー(尿愛飲)とコプロラグニー(糞便愛好)を
同一視することへの疑問、および山田稔『スカトロジア』(1977年/講談社)と
『遊へ組 糞!あるいはユートピア』(1980年/工作舎)を基礎文献として紹介している。
                                                  
                                               
570名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 15:25:00.96 ID:rA8+ScNs0
1987年。B5。「現代の錬金術師、コプロフィリアに贈る、ビジュアル変態
メニュー」。責任編集は食糞餓鬼。外側にはピテカンプレスと書いてあるが、
中を見ると発売は桃桜書房。なんとこの雑誌の記事ページの半分は前出
の『スカトロスペシャル』の流用である。よって青山の「コプロラグニアへの
憧景」もそのまま再録。おそらく求龍社が潰れたのだと思われるが、真相は
不明。                                                     
                                                   
                                                   
                                               
571名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 15:26:28.84 ID:rA8+ScNs0
1987年。「アナがあったら入りたい変態誌」。編集人は井上幸彦、発行人は
長嶋まさみ。ここで取り上げている中では一番『フィリアック』に近い内容で、
巨乳、スカトロ、SM、ロリータなどの記事が続く中、唐突に死体写真が挿入
される。青山がどのように関わっているのかは不明だが、「絵画教室をわざ
わざ開いてロリータをユーワク」というコラムに顔写真付で青山が載っており、
変名で記事を書いている可能性が高い。『コプロラビア』の書評が載っている
ので発売時期はおそらくその直後辺りか。