■ 関西・廣島・埼玉など素人物を語ろう99 ■

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555名無しさん@ピンキー
『突然変異』をきっかけに商業媒体に登場したのは青山だけではない
(青山の変名・西井幼名は除外)。『突然変異』3、4号に名前が登場する
谷地淳平もその一人で、突然変異チームとして一緒に『Hey!Buddy』に
引き抜かれており、ライターとして一時期活動している。例えば『BRUTUS』
1982年4月15日号のSEX特集号には、青山が「アメリカのポルノ男優名勝負」
「父よ、あなたも乳が出る!」というコラムを担当しているが、谷地も「医学書の
愛読者が医学関係者ではない、という不思議」を執筆しており、さらに
「ロリコンを知らずして80年代の性は語れない」という見開きページは
全面的に『突然変異』が協力。欄外には「いまやメジャーなミニコミ『突然変異』
編集スタッフ(車田正一、谷地淳平、青山正明、佐々木正代)の企画制作によって
編集しました」と説明がある。
556名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 11:18:18.82 ID:HBgcgvHT0
そして『PLAYBOY日本版』1982年10月号には「清少納言の大予言」(文・谷地/
イラストレーション・及川正通)と題した7ページに及ぶ論文が掲載。ノストラダムスが
大予言のタネ本に使ったのは『枕草子』だった!という珍説もとい大スクープで、
判明している中ではこれが一番メジャーな舞台での仕事である。その後の活動は
あまりはっきりしていないが、1983年6月頃の自販機本『コレクター』16号で「
夜のお菓子(3)“幽体離脱派痴漢宣言!”」と題した記事を担当しているので、
1983年もまだエロ本界隈には関わっていたようだ。                 
                                                  
                                                   
557名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 11:19:51.49 ID:HBgcgvHT0
『突然変異』出身と言っていいのか不明だが、2、3号の表紙イラストを担当した
霜田恵美子は、昭和30年代を思わせるレトロなタッチが、当時のヘタウマ・ブームと
リンクし、『ウィークエンド・スーパー』『ビックリハウス』『宝島』をはじめ、80年代前半の
様々なサブカルチャー媒体で活躍した。80年代末に海外へ渡り(1992年に『ライブ!
ニューヨークから』というNYルポ本を出している)、それ以降はたまにしか名前を目に
しなくなったが、80年代に活躍したイラストレーターとしては上位に名前がくるだろう。



558名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 13:49:26.78 ID:HBgcgvHT0
他にも『突然変異』の佐々木正代の名前が映画『陽炎座』の出演者クレジットに
あったり、亡くなってしまったがデザイナー丸山浩伸はその後も様々な媒体で
活躍していたりするものの、関わっていたスタッフの名前をウェブで検索して
引っかかったものが本人かどうかはあやふやで不明確だ。「あの変態ミニコミに
関わっていたのは私です」と名乗り出てくれる勇気のある方々がいればいいのだが、
ひとまず『突然変異』は青山正明だけのミニコミではないという断りを入れておきたい。
                                                    
                                                    
                                                      
                                              
559名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 13:54:53.01 ID:NgDwqWTy0
青山正明が『Hey!Buddy』休刊後に勤めていた出版社は「大正屋」といい、
そこで 『カリスマ』『阿修羅』というホラーコミック誌を編集していた話は
以前にも書いた。で は一体そこはどんな出版社だったのだろうか。
実は国会図書館には一冊も所蔵がなく、出 版物自体を探すのも一苦労で(
たまにブックオフの105円コーナーに並んでいる)、単行 本の奥付、
オークション、古書店の目録などで一つずつ探していくしかない。     
                                              
                                              
                                             
560名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 13:56:18.05 ID:NgDwqWTy0
正式名称は「大正屋」出版株式会社。何冊か見つかった出版物はいずれも
1986年?19 87年に発行されていた。発行人の欄にはいずれも86年9月まで
前中行司(『SMキング』に 同名人物がいるが、本人かは不明)、10月以降は
武井貴司という名前が記されており、こ の2人が社主であるようだ。また9月
までは住所は東京都港区六本木の市兵衛ビル3階にあ るが、10月以降は
東京都渋谷区広尾の中井ビル4階に移っている。おそらくこの時期に何 か
会社内部であったのだと推測できる。さらに発行は「大正屋」だけども、
発売元は神保 町にある文苑堂東京店となっていて、流通をまだ余所に
頼るくらいの、80年代後半にわず かに活動していた小さな出版社だったのだろう。
                                                    
561名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 13:57:46.73 ID:NgDwqWTy0
手元にあるものはすべてマンガ単行本(ムック)だ。しかも同人誌やエロマンガ誌で
活動していたマンガ家がほとんどである。これは弱小ゆえに人気作家を獲得する
ことがほ とんど無理なぶん、新しい作家を積極的に発掘していかなくてはいけない
事情があったと 見えるが、その発掘作業に青山がどれだけ関わっていたのかは
判らない。ただ、青山が作 者と一緒に撮った写真が載った単行本も存在するので、
別段マンガ編集を嫌がっていたわ けでもなさそうである。ここで「大正屋」の出版物
の一部を簡単に紹介しておこう。青山 が関わっていないものも多いだが、どんな
作家がこの出版社にいたのかを知るだけでも意 義はあるはずだ。