DVD の場合、NTSC 的な制約から離れて記録ができるから話が別といわれれば
それまでなんだけど、少なくとも NTSC な TV で DVD を見る場合が多い
ので、DVD のオーサリングする人には常識として知っておいてほしいことなので。
D1 ビデオのフォーマットでもある ITU-R BT.601 では水平有効サンプル数は
確かに720個と定められている。
でも、NTSC をITU-R BT.601 で定められているドットクロック 13.5MHz で
サンプリングすると、水平総サンプル数が 858個 (これは ITU-R BT.601 で
定められている数) だけど、NTSC のブランキング期間を考慮すると、水平の
有効画素は711個程度になる。つまり、ITU-R BT.601 的な水平有効サンプル数と、
実際に NTSC をキャプチャした場合の水平有効サンプル数は違うってこと。
次に、垂直方向の話だけど、垂直総サンプル数は NTSC の場合は 525個だけど、
ITU-R BT.601 では垂直有効サンプル数は定められていなかったりする。
アナログ信号段階での NTSC の場合、有効な走査線は485本程度で、NTSC では
当然ながら有効範囲内で4:3 となっている。
というわけで、有効範囲を711ピクセルx485ピクセルで4:3にするので、ピクセル
の縦横比は0.909:1になる。
で、DVD などのように垂直ピクセル数を480にしている場合、ピクセルの
縦横比は固定だから、出力を4:3 にするには水平サンプル数を704個にする
必要がある。でも、前に挙げたように ITU-R BT.601 的な水平有効サンプル数は
720個だし、NTSCをサンプリングする場合でも約711個が有効のなので、
704個の範囲外にも絵が存在することになる。
また、最初に述べたように DVD の場合、NTSC のことを考えずに 720x480 で
4:3 にしてオーサリングすることも可能 (でもこれは製作者が無知なんだと思うけど)
なので、NTSC をキャプチャする場合の常識が通用しない場合がある。
ちなみに、NTSC 信号のタイミングの話は
http://member.nifty.ne.jp/nahitafu/mame/mame6/mame6.html が非常に参考になります。