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私は恐怖のあまり再生を止め、ヘッドホンを外した
手は、自分の手ではないかのように小刻みに震えていた
そして、その震える手には国内a社の高音質モニターがあった
そしてその瞬間、全てを理解した
「今までの自分は間違っていた…サラウンドと海外製の開放型は合わないのだ」と
「サラウンドと組み合わせるべきなのは、a社製品のような高音質密閉型なのだ」と
天才的な頭脳で原因を考察し、至った結論が「両耳間クロストーク」
>>473-475 だった
『海外製の開放型は音漏れによって左右の耳の間でクロストークが生じている』
「クロストーク」が立体感を損なっていたのだ
海外製の開放型は解放感があって聴きごたえのする音だが、本当は分離感のない、モノラルチックな音なのだ
それがサラウンドという極限環境において露骨に欠点を露呈していたのだ
「海外製の開放型は国内製密閉型に勝てない」
そう、確信した
そして私は手にあったa社のモニターに謝罪をした
「今までバカにしていてごめんなさい。今日から君は僕の最高の伴侶だよ」
ケーブルが照れくさそうに私の足にもたれかかっていた