Sennheiserのヘッドホンについて語るスレ109
354 :
名無しさん┃】【┃Dolby:
■ 「インピーダンス」とボイスコイル
一般的に低インピーダンスのヘッドホンは「モバイル機器用」ということになっています。
モバイル機器はバッテリー駆動のためパワーが低く、出力も制限されているからです。
低インピーダンスヘッドホンはこのような環境でも少し大きめの音を出すことができます。
ボイスコイルの抵抗値が低いため、小さな電流でも十分な稼働力が得られるからです。
しかし、理由はそれだけではありません。
実は低インピーダンスの製品は高インピーダンスな製品に比べ、導線内での信号劣化が少なく音質が良いのです。
355 :
名無しさん┃】【┃Dolby:2014/05/23(金) 20:33:33.86 ID:xvEq4Lr50
…
「インピーダンス」は振動版基部に巻かれた導線の集合体である「ボイスコイル」によって決定されます。
この銅線はどのような長さでもかまわないのですが、太ければ太いほど抵抗値は減少します
抵抗値が減少するということはボイスコイルの導線性能が上がるということです。
ボイスコイルの発する磁界はコイルの巻き数によって決定されます。
低インピーダンスシステムは抵抗値の低い太い導線を使います。
導線が太いと可動部は重くなります。
逆に駆動部分を軽くするのは簡単なことです。コイルに細い銅線を使用すればよいだけです。
しかし導線性能が下がり、インピーダンスが上がってしまいます。
一部のメーカーでは稼働部を軽くするために、高インピーダンス(250〜600Ω)なドライバーを採用しています。
しかしそれは音質を向上させる上で健全な方法であるとは言えません。
「インピーダンスが高い」ということは抵抗値が高く、入力信号が熱損失しやすいということだからです。
日本国内の製品は50Ω前後の低インピーダンスが多いです
海外製品に比べ、ボイスコイルの抵抗値が低く、熱損失が 5分の1〜12分の1 で済みます
だから国内メーカーの音は「明るく」「明瞭で」「切れが良い」です
一方海外製の高インピーダンス製品は音が「暗く」で「不明瞭」で「スピード感が劣る」傾向があります
それは抵抗値が高過ぎるため、ボイスコイル内で信号が熱損失で劣化しているからです
音に「落ち着きがある」などと好まれる場合もありますが、音が劣化し、原音の情報が削がれている結果です
356 :
名無しさん┃】【┃Dolby:2014/05/23(金) 20:34:12.41 ID:xvEq4Lr50
…
また高インピーダンスな製品に高級ケーブルを取り付けても意味がありません
ケーブルのインピーダンス(0.1Ω〜1Ω)の 数千倍 (250Ω〜600Ω) の電気抵抗が
高インピーダンス製品のボイスコイルには存在するからです
仮にケーブルの抵抗値が半分になったとしても、ボイスコイルには数百Ωの抵抗が存在します
ケーブル抵抗値が0.1Ω改善してもそれは全体の2500分の1〜6000分の1の改善効果しかありません
そのため体感効果を得られることは絶対にありません
「高インピーダンス製品を高級ケーブルに換えたが効果が感じられなかった」
それはボイスコイルのインピーダンスがケーブルのインピーダンスより遥かに大きいからです
(参考)
http://asia-pacific-india.beyerdynamic.com/service/faqs.html
357 :
名無しさん┃】【┃Dolby:2014/05/23(金) 20:45:36.49 ID:xvEq4Lr50
■ ボイスコイルの長さ
一般的にボイスコイルの線材についてオーディオ界では殆ど考慮されていません
しかしこれは大きな誤りです
ドライバー直径を40mmと仮定した場合、ボイスコイルの直径は約20mm程度となり
コイルを形成するのに50回巻いたとすると
ボイスコイルの全長は20mm × 3.14 × 50 = 3140mm( 約 3 メ ー ト ル )
何とケーブルと同じ長さの導線がドライバー内に存在することになります
つまりケーブルの線材にだけ拘っていれば良いというのは誤りです
ドライバーを分解しボイスコイルを引き延ばせばこのような状態になるのです
ケーブル(3m) ボイスコイル(3m)
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あなたが想像している以上にボイスコイルは長いのです
一部のメーカーではこのボイスコイルを軽量化する為に、ボイスコイルの線材に極細線を用いています
線が細い為、電流抵抗が大きく、このような製品ではインピーダンスが 250Ω〜600Ω と膨大になります
一般的な無酸素銅ケーブルの抵抗値は3mで0.1Ω〜1Ωです
3m(長さ) × 1平方mm(断面積) × 0.0172Ω(銅の導体抵抗率) = ケーブルの抵抗値(0.1Ω)
その 2500倍 〜 6000倍 の電気抵抗が高インピーダンスな製品のボイスコイルには存在することになります
ボイスコイルの線材、インピーダンスを無視するのは賢明ではありません
358 :
名無しさん┃】【┃Dolby:2014/05/23(金) 20:46:22.09 ID:xvEq4Lr50
ケーブルの抵抗値が大きい程入力信号が熱変換される量が増え、音質が劣化します
同様に、ボイスコイル内でも抵抗によって音質が劣化します
しかもケーブルの抵抗値よりボイスコイルの抵抗値の方が数千倍大きく、
ボイスコイルで音質が劣化する程度の方が明らかに大きいのです
高インピーダンスな製品を売っているメーカーは恰もインピーダンスが高い方が音質が良いかのように宣伝します
しかしそれは 嘘 です
高インピーダンスな製品は入力信号についする忠実性を犠牲にしています
しかし高インピーダンスな製品を売るメーカーはこの事実を決して知らせません
その一方で自社で高級ケーブルを販売しているメーカーもあります
繰り返すように1Ω程度のケーブルの抵抗値を数ミリΩ改善しても効果はありません
その数千倍の抵抗値がボイスコイルに存在するからです
高級なケーブルに換えても全体の数千分の1の抵抗値を減らす効果しかないのです
インピーダンスが低い国内製品の方が実は入力信号に忠実で、原音に近い音を再生できます