【ER】Etymoticのイヤホン Part60【カナル】
ソースインピーダンスがトランスデューサーの可聴域に於けるインピーダンス特性の値よりも十分に大きいため殆ど影響しない.
例えば, ER-4のトランスデューサーのインピーダンスを
5Ω at 100Hz / 15Ω at 10kHz
とする. これに100Ωのソースインピーダンスを加えると,
100Hzに於いてトランスデューサーに掛かる電圧は Vout*(5/105)
10kHzに於いてトランスデューサーに掛かる電圧は Vout*(15/115)
となる. また,
100Hzに於いてトランスデューサーに流れる電流は I=Vout/105
10kHzに於いてトランスデューサーに流れる電流は I=Vout/(100+15)
となる. よって,
100Hzに於けるトランスデューサーのフィード電力は W=5/(100+5)^2
10kHzに於けるトランスデューサーのフィード電力は W=15/(100+15)^2
となる. この比を取るとトランスデューサーは, 10kHzに於いては100kHzの2.500945倍の電力を与えられ,
100Hzを基準とした10kHzに於ける音圧は, ソースインピーダンスが0Ωの場合と比較して3.98104 dB上昇する事が判る.
同様に110Ωのソースインピーダンスを加えた場合を考えると,
100Hzに於けるトランスデューサーのフィード電力は W=5/(110+5)^2
10kHzに於けるトランスデューサーのフィード電力は W=15/(110+15)^2
となり, 10kHzに於いては100kHzの2.5392倍の電力を与えられ, 4.04697 dB上昇する事が判る.
ここで, ソースインピーダンスが100Ωと110Ωの場合を比較すると,
その差は10kHzに於ける音圧が僅か0.0659274 dB上昇するに過ぎない事が判り, これは人の耳ではまず判別不能である.
なお, 内部に入ってる直列抵抗の値には諸説あり *1, ER38-24に関しては代により異なるようなので *2,
実際よりは大きな差の100Ωと110Ωとしたが, トランスデューサーのインピーダンスは実測値に近い値とした.
*1 公式サイトではER-4Sは100Ω at 1kHzとなっており, トランスデューサーのインピーダンスが含まれていない.
実際にはER-4Sのケーブルには100Ωの直列抵抗が入って居り, ケーブル自体のインピーダンスも足し合わせると106Ω前後となる筈である.
一方ER-4Pは27Ω at 1kHzとなっており, ケーブル中の直列抵抗の20Ω(若しくは22Ω?)にトランスデューサーのインピーダンスを足した値と符合する.
http://www.etymotic.com/ephp/er4.html *2 現行は82Ωだが, 旧型は68Ωや75Ωがあった?
ttp://monoadc.blog64.fc2.com/blog-entry-88.html