1990年代前半の話だったと思う。当時はまだ高価だった液晶パネルの価格動向を占うためにデータを収集していたところ、おかしなことに気付いた。
当時は「大型設備投資ブーム」のまっただ中だったのだが、その結果、数年後には供給量が需要予測をはるかに上回る水準に達してしまいそうなのである。
これが現実になれば、液晶パネルの価格は供給過多で大暴落し、液晶パネルメーカーは苦境に陥るだろう。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070824/138184/?P=2 「第三者」の立場である、アナリストの方にお話をうかがうことにした。
結論は「いろいろ調べて分析した結果、大丈夫」というものだった。これで一応、「組織外の方」によるウラもとれたわけだ。
しかし、
何だか予測数値が楽観的すぎるように思えてどうも腑に落ちない。そこで、さらにしつこく突っ込んでみた。
相手もだんだんイラだってきて、ほとんどけんか腰になってくる。
ビビりながらも若気の至りでなお食い下がっていると、彼は顔を真っ赤にしながら、こう言い放った。
「大型投資は、世界に冠たる日本のエレクトロニクス・メーカーが熟慮のうえ判断したこと。
これが誤りであるはずがないではないか!」。