【パイ】プラズマ対決【パナ】

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24名無しさん┃】【┃Dolby
 パイオニアは,「フルHD」(画素数が1920×1080)表示の50インチ型PDPを開発した。
2005年10月4日に開催する「CEATEC JAPAN 2005」で展示する。試作品の発光効率
は1.8lm/Wであり,「他社の50インチ型XGA(1280×768画素)品と同等以上」(同社)という。
同社はフルHDのPDPテレビを,2006年春に製品化する予定である。

 フルHDのPDPテレビは,業界で初めて松下電器産業が65インチ型品を2005年11月に
発売する(Tech-On!関連記事1)。ただし,画面寸法が小さくなり精細度が高まるほど,
技術的なハードルが上がりパネルの実用化が難しくなる。輝度の低下と放電遅れの増大
という2つの課題に対処する必要が出てくるためだ。放電遅れとは,映像信号を書き込む
電圧を印加してから,実際にプラズマ放電が始まるまでの時間のズレである。

 パイオニアは,「クリスタル・エミッシブ・レイヤー(高純度クリスタル層)」と呼ぶ新たな薄膜層
をパネル内に形成することで,この2つの課題の克服にメドを付けた。高純度クリスタル層は,
前面ガラス基板に保護膜として形成しているMgO(酸化マグネシウム)層の上の設けた
酸化物の材料層であり,紫外光および電子を放出する。

 放電ガスから発生する従来の紫外光に加え,高純度クリスタル層が新たな紫外光の
発生源となるため発光効率が向上する。これにより,輝度の低下を抑えられる。もう1つの
課題である放電遅れの増大を抑えられるのは,高純度クリスタル層によって放電の種火
となる電子が供給されるため,セルの微細化によって放電空間に存在する電子が隔壁に
吸着され種火が不足する現状を防ぐことができるためである。

 パイオニアは,高純度クリスタル層をまずXGAパネルに導入することによって,2.2lm/W
という高い発光効率や,片側駆動というコスト削減技術を実現した(Tech-On!
関連記事2)。このパネルを搭載したテレビは,2005年9月から順次発売している。