■ 低価格でナイスなイヤホン ■  

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509Sony派@CD3000 ◆M76Dye0fcM
ATH-CV5 その1
買ってしばらく鳴らしてましたが、音質的には価値を見出せなかったので
バラしました。

ユニットはラバーリングを外すと出てくる黒いプラの外装と振動板を保護している
グリルでブラックボックス化してます。グリルを外すと出てくる振動板のエッジ部
分はプラ外装に接着されてます。ボイスコイルは巻き線ではなく、銅パイプを短く
切ったリング状の物が使われてました。

◆ぷるぷるユニット断面図(振動板省略)

======== ←プラ外装(振動板のエッジが接着されている)
|    |  ←板バネ
|  −−− ←磁石固定カバー(金属:直径9mm x 厚さ3mm))
| |   ←銅リングのボイスコイルが入る隙間
| |■■
| |■■ ←磁石(直径6mmくらい)
| |■■
| |   ←銅リングのボイスコイルが入る隙間
|  −−−
|    |  ←板バネ
========

←背面側 振動板側→

板バネは三カ所あり、磁石固定カバーの外周で螺旋状になってます。
軽く叩いてもぷるぷるしている「ぷるぷる発生源」はこの磁石固定カバー
+マグネット部になります。

ぷるぷる発生源は別ユニットかと予測してましたが、一つのユニットで
実現していると言う点は画期的ですね。この方式故にイヤホンのサイズ
に収めることが可能になったのでしょう。 (つづく)
510Sony派@CD3000 ◆M76Dye0fcM :04/04/15 01:56 ID:KfJynjEV
ATH-CV5 その2
ただしこの方法ではあからさまな欠点があります。ぷるぷる発生源が
振動する周波数域では、本来、振動板を動かすべき力の一部がぷる
ぷる発生源の動力として奪われてしまうため、低域に大きな影響を与
えます。実際、CV5の低域は軽くてキレもない腑抜けた音で聞けた
モンじゃありません。 

バネの力を弱くすれば、ぷるぷる=増大 but 低域=超貧弱
バネの力を強くすれば、ぷるぷる=減少 but 低域=マシになる
・・・と言う関係が成り立つので、この辺のチューニングで妥協点を見つ
けるのはかなり大変だったと思います。銅リングのボイスコイルも、ぷる
ぷる発生源の動き具合を調整する為に振動板の重量を稼いでいるもの
と思われます。それと同時に振動板の質量増加で低域の再生能力を
上げる効果もありますが、中高域までぬるい音になった元凶でもあります。

ぷるぷる効果はソースに大きく左右され、ハマるソースに巡り会えば
耳を揺さぶるほどの効果が得られます。これはこれで面白いので音質を
犠牲にしても“アリ”だと思いましたが、そういったソースは極めて少なく、
概ね耳がこそばゆい程度の効果しか得られないパターンが多いです。

使いこなしの基本は、何も考えずにバスブーストは掛かるだけ掛けて、
ボリュームも上げられるだけ上げるって感じです。音質は元から悪い
ので音質劣化を気にする意味はありません。また、腑抜けた音が幸い
してボリュームをかなり上げられます。

ただひたすら、ぷるぷるを楽しむ・・・それで納得できる人のための
イヤホンと言えるでしょう。