■■■レクサス LEXUS GS 47■■■

このエントリーをはてなブックマークに追加
406名無しさん@そうだドライブへ行こう
第二章 レクサスを販売せよ。
逆転! 奇跡のマーケッティングモデル マーケティング部長は戸惑った。「このレクサスを高級車として販売することなんてできませんっ」
事実、目の前にあるレクサスは、チ○ポマークを「レ」マークに取り替えただけの、フツーのトヨタ車にしか見えなかった。

なにもしないで高級車として売れとはいわない。高級車にふさわしい価格とCM戦略で高級車と認知させて販売できないか」
トヨタ首脳陣の言葉に、マーケティング部長は思わず叫んだ。「高級車を購入する層はクルマにうるさい連中です。そんな誤魔化しが効くとは思えません。」
「無理です、できませんっ!!」 「俺たちがやらずに誰がやるんだ。俺たちの手で新しい高級車を売りまくるんだ!」
首脳陣の熱い思いに、マーケティング部長は心を打たれた。三河商人の血が騒いだ。 「やらせてください!」

それから、休日を返上して高級ブランドイメージ作りの日々が始まった。 販売価格は米国ベンツBMW帯のうち、手が届きやすい程度に合わせた。
しゃれたTVCMを流した。 パンフレットにも手間と金をかけて用意した。 しかし首脳陣には冷たく、「こんなものではダメだ!」
とヒントもなしに却下された。 そして、ある夜気分転換に飲んでいるワインのラベルを見て気づいた。

「こ、これだ!このラベルの品格のあるっぽい香り、品格のあるっぽいあるしわ。これだ!」 早速王○製紙へ行き「ワインペーパー」なるものを
作ってもらい、それを使った。 それでも、消費者には高級車と認知されなかった。
マーケティングチームは、来る日も来る日も宣伝戦略を思案した。 いっそ、BMWに転職すれば、どんなに楽だろうと思ったこともあった。
追い詰められていた。 そこへ首脳陣が現れた。そしてこうつぶやいた。

407名無しさん@そうだドライブへ行こう:2012/04/03(火) 11:17:21.61 ID:Eyr8N9/E0
続き

「発想を変えるんだ。高級車はクルマ自体のイメージだけで高級なんじゃない」 そうだ、ショップサービスだ。ショップのサービスでオーナーを
自分は高級車オーナーであると酔わせる方法があった。暗闇に光が差し込んだような気がした。
レクサス専用ショップをエレガント風に整備した。 接客トレーニングで鍛えたイケメンセールスマン、美人レクサス嬢を配置した。
レクサス専用トラックを作り、車体運送に当てた。 受け渡しの際にはパーティーを催した。
ご来店の際には、お茶、ケーキを無料で振る舞い、クルマの洗車サービスも始めた。

「これだ、これこそ俺達が捜し求めていたビジネスモデルだ」 イメージだけの高級車販売手法の誕生だった。
評判は上々。小金持ちが続々レクサスショップにご来店、レクサスを買っていった。
しかし、部長はあせった。「駄目だ、本物の金持ちがレクサスを買わない限り、高級車とはいえない。」

ある日、遂に超大物がレクサスショップを訪れた。 ビル・ゲイツ「LSクダサーイ」 レクサスが高級車となった瞬間だった。
マーケティング部長と部下達は、レクサスショップの片隅で朝まで飲み明かした。 マーケティング部長は、充足感に包まれ、
涙が止まらなかった。

「部長、レクサスショップでレクサスを買ってもいいですか?」ある部下は言った。
「ああ、いいとも。だが本物の高級車オーナーになったとは思うなよ? 売ってるのはトヨタ車のままだ。
自分の作った虚構に自分で嵌るのは馬鹿らしいからな」
部長は自分のジョークに、肩を揺らして笑った。