ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ。旧コースと呼ばれるそこは1周約20?q。ほとんどのコーナーは
強烈なアップダウンと先が見えないブラインドコーナー。そのコーナーの数、なんと186。
スポーツカー好きなら知らぬものはいないドイツの聖地だが、いまここで市販車によるタイム競争が激化している。
記憶に新しいのは、わが日本国が誇る唯一のスーパーカーGT-Rが記録した7分29秒。
それまで、市販車で7分30秒の壁を破ることは不可能とさえ言われていた。
そこにGT-Rが叩き出したタイムは驚異的なものだった。しかし、その後驚くことが連発する。
このコルベットZR1がGT-Rのタイムを約3秒も縮める7分26秒4を記録したのだ。しかし、
今度はバイパーがさらに4秒短縮する22秒台を記録する。まさに市販スポーツ・ニュル戦国時代。
つまり、現在ニュルではバイパーがトップの座に君臨しているわけだけど、バイパーのニュースが
伝わる少し前にボクはZR1試乗のためデトロイトにあるGMプルービンググラウンドを訪れていた。
後で知ったことだが、ZR1のパワー値はバイパーACRを凌いでいた。
スーパーチャージャーで武装したZR1のパワーはなんと638馬力。最大トルクは83.5?sm!これを、
コルベットのトランスアクスルレイアウトで駆動する。トランスアクスルといったって後輪2輪駆動には違わない。
480馬力のGT-Rでさえ4WDでそのパワーをもてあまし気味なのに、いったいGMの開発陣は何を考えているのかと疑ってかかった。
しかし、実際にステアリングを握り走り出すと、やはり魔法にかかる。分厚い低速トルクで走りやすいし、
マグネライドサスペンションは乗り心地がいい。コンフォートな足さばきなのに、
絶大なトラクションも持ち合わせる。そして、アクセル踏み過ぎには2モードからなる賢いスタビリティコントロールが、
だれにでも638馬力を楽しめるようにセットアップされている。
http://www.goo-net.com/goo_news/news_category9/n_number1073.html もっとも、638馬力という常軌を逸した破壊力も、けして伊達や酔狂でこしらえたのではなさそうだ。
というのも、その激烈パワーは丁寧に調教されているのだ。
スーパーチャージャーの常で、極低回転からトルクの山が立ち上がる。その山は、
地殻ごとと押されるような圧倒的な力強さなのだが、ある回転で唐突に爆発するわけではないからコントロールしやすい。
2800rpmでエキゾーストサウンドが一段と華やかになり高揚感は頂点に達するものの、
パワーはフラットに盛り上がりドライバーが紅潮するのをよそに、扱い辛さはないのだ。
調教は操縦性にも行き届いており、そのパワーをトラクションに置き換えることにも成功している。
さすがにトラコンスイッチをオフにするときには指が震えたが、怯える右足に力を込めて床踏みしても、
コルベットは前に進む。タイヤサイズも拡大し、サスペンションセットも柔軟なようだ。それが証拠に乗り心地もいい。
詳細なアナウンスはないが、ボディにも手が加えられたのだろう。じゃじゃ馬が暴れるような横向きを覚悟していただけに、
造り込みの正しさには驚かされた。
実はもともとコルベットは、前後重量配分に優れているのだ。エンジンはフロントミッドシップに搭載され、
トランスアクスルでバランスを整える。335=25ZR20まで太くなったリアタイヤにたっぷりと荷重がかかる。
そして軽量だ乾燥重量は1431kg。骨格はオールアルミボディであり、カーボン等の軽量素材をふんだんにあてはめている。
俊敏なスポーツカーの素質をもともと備えているのだ。
そう、コルベットZR1は、たしかに獰猛なマシンには違いないけれど、檻に入れておかなければ
ならないほど狂犬ではない。それが証拠に、パワーだけでは攻略不能のニュルブルクリンクを”7分26秒・”で周回するのである。
http://www.art-mobile.jp/article.php?aid=DR00008 >>264 >ZR1なんて馬力だけの車、素人じゃ危なくて運転できないよ
車を知らないアホと専門家の意見の違いw