【アキバ系】R35 Nissan GT-R part 17【V6】

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16名無しさん@そうだドライブへ行こう
「プロジェクトX〜挑戦者たち〜  日産の挑戦。奇跡の利益率−スーパーカーっぽい車の誕生」

 ゴーンから、もっと利益率の高い車を作れと迫られていた。 思案に暮れていたとき、開発担当者は意外な事を言った。
 「エンジンやシャーシをミニバンやセダンから流用してみたらどうだろう」 工場長は戸惑った。 スーパーカーからエンジンやシャーシの手を抜いたらスーパーカーでなくなってしまう。

 「無理です。出来ません」工場長は思わず叫んだ。 「俺たちがやらずに誰がやるんだ。俺たちの手で作り上げるんだ!」
 開発担当者の熱い思いに、工場長は心を打たれた。商人の血が騒いだ。 「やらせてください!」

 それから、夜を徹しての偽装スーパーカー作りが始まった。流用できる部品は流用しまくる毎日だった。
 しかし、本物のスーパーカーの味は出せなかった。 工場長は、来る日も来る日もコストと戦った。

 いっそ、ポルシェに転職すれば、どんなに楽だろうと思ったこともあった。 追い詰められていた。
 そこへ開発担当者が現れた。そしてこうつぶやいた。 「発想を変えるんだ。スーパーカーは走りだけじゃない」

 そうだ。外見だ。外見とか内装とか見た目だけ派手にする手があった。暗闇に光が射した気がした。
 デザインをとにかくオモチャっぽくしてみた。
 工場長はプラスチックに、何だかよくわからない表皮を貼って見た。
 高級車特有の手触りが蘇った。 「これだ、これが探してた俺たちのスーパーカーなんだ!」

 見た目だけの偽装スーパーカーの誕生だった。
 開発担当者と工場長と従業員は、工場の片隅で朝まで飲み明かした。 工場長は、充足感に包まれ、涙が止まらなかった。

 「完成したGT−Rで日本海に叫んで来てもいいですか」工場長は言った。
 「ああ、いいとも。だが制限速度は守れよ。中身はミニバンのままだからな」 開発担当者は自分のジョークに、肩を揺らして笑った。