中国、インドで販売好調の自動車メーカー <HSBCの中国情報>
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/005862.html 耐久消費財として頭に思い浮かぶのが、自動車ですが、中国の乗用車マーケットは
今年に入って異変が起きています。これまで、中国の乗用車市場をブランド別に分類
すると、ドイツのフォルクスワーゲングループ(VW)が大きなシェアを握っていました。
実際、ほんの4年程前まではVWグループのシェアは優に50%を超えていました。中国
を訪問されたことがある方なら街中で一度はVW社のサンタナを見かけたことがあるは
ずといって良い位の存在感でした。しかし、今年の1月から2月までの販売シェアで見る
とVWグループは11%となり第3位となっています。車種別ではジェッタを除くポロ、ゴル
フ、パサートで軒並み50%以上の販売台数の減少です。この販売不振の責任を取って
か取らされてか中国市場のVWのトップは更迭される模様です。
VWグループのシェアを奪ったのが、韓国の現代グループです。今年の1月から2月ま
でに前年同期比で2.5倍を販売台数ベースでたたき出し、中国の乗用車市場でトップ
シェア(14.5%)となりました。小型車に的を絞り、全般的に割安な価格設定に加え、2008
年の北京オリンピックに向けたタクシー車両の更新需要をうまく取込み、タクシー向けに
中級車「ソナタ」を大量に納品して大躍進を遂げています。この現代自動車、実は中国
以外でも年々販売台数を伸ばしており、インドでは三番手の自動車メーカーとなってい
ます。
インドではマルチ社(日本のスズキのインド子会社)がトップシェアですが、じわじわと現
代がシェアを伸ばしてきています。現在、現代自動車のインドでの生産規模は年産25万
台ですが、2007年までに第二工場を竣工させ年産40万台体制にする予定です。この現
代自動車はBRICsの中で最も市場規模が大きな中印両国で大きなシェアを獲得しようと
しています。ひょっとすると、今後の世界の自動車会社の趨勢を見ていくうえでは、中国、
インドの両市場は最も注目すべきマーケットになるのかもしれません。しばらく、各社のシ
ェア争いには注目していく必要がありそうです。