追跡あの車の売れっぷり
FMC後、初めてセレナがステップワゴンを破った理由
ベストカー2006年3月26日号181ページより
今年1月の新車販売で、激しい販売合戦を繰り広げているステップワゴンとセ
レナの両者の戦況に大きな変化が起こった。
ともに昨年5月にフルモデルチェンジを行ってから昨年12月までの間は、常に
ステップワゴンがリードしていたのだが、これは代替え母体数の大きさがモノを
いっていたのだと考えられるだろう。
ところが、先月ついにセレナが逆転を果たしたのだ。結果はセレナが6418台で
全体の5位、一方のステップワゴンは4397台で全体の17位と、昨年12月の順位と
はまったくの逆になってしまったのだ(ステップワゴンは6997台で5位、セレナは
3814台で17位だった)。
まず、セレナが台数アップしたのには理由がある。もちろん昨年12月の販売台
数が低調だったことへの販売サイドの巻き返しもそのひとつにあげられる。だが、
遠藤徹氏によると大きかったのは次の理由だという。今年1月から実施された灯
火器(改正)技術基準のため、昨年末から日産車はヘッドランプレベライザーを全
車に標準設定しているのだが、その改良を行う前の在庫モデルがかなりの台数に
のぼっていたのだという。このため、1月のセレナはひと声35万〜40万円の値引
きが発生する大乱売となった。
そして、いっぽうのステップワゴン。ホンダは例年12月の冬のボーナス商戦で
販売に全精力を使い果たしてしまい、このためその反動で1月は毎年低調になっ
ている。また、例年メーカーからディーラーへ送られてきた支援金が今年にかぎっ
て2月もゼロになっているのもこの先で響きそうだ。そのぶんは3月の決算セール
に向けてプールし、巻き返しをねらっている。いずれにしてもノア/ヴォクシー
も含めたこのクラスの覇権争いは、3月の決算セールまでまだまだヒートアップ
しそうだ。