なぜ?どうして?ホンダ!

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448名無しさん@
 
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 ・・・安全性を要求される商品が利潤追求の過当な競争によって、安全を
無視してつくられる場合がある。その代表的な例が「ホンダN360」という
欠陥車である。まったくの新車をつくる場合、設計から量産開始までのリー
ドタイムを、日本の業界では二、三年とる。アメリカでは、たいてい五年と
るが、本田技研工業は最初これを九ヶ月でやろうとした。
 結局、設計開始から一年二ヶ月かかったが、試作段階で「この車は満足に
走るのか」という疑問さえ出たという。
449名無しさん@:2005/09/28(水) 20:26:08 ID:Dzx1r4Cg0
 案の定、「横ゆれ、蛇行」で事故が続出し、被害者同盟が結成された。事
故件数百七十四。内訳は使者三十四、重傷者七十五、軽傷者八十三。
 技術評論家の星野芳郎は「従来やっていなかったレイアウトとアッセンブ
リー(組み立て)を採用したのだから、本田の技術者、工員はこれまで蓄積
した経験が役に立たなかったに違いない。独創的な車なら実験期間を長くと
らなければいけない。パワーがあればあるほどコントロールが重要になるの
だが、ステアリング系統の設計も工程も急がされた形跡がある。発売時期に
合わせて突貫工事したようだ。車を発売してクレーム情報をとりながらの手
直しは、世界的にどのメーカーもやっている。しかし本田はとくにそれが激
しかった。この車はユーザーをテスト台に使っているとしか考えられない。
実験不足の車をユーザーに与えて、その経験をふまえて改良していくという
のはまさしく破壊的、犯罪的行為である」ときびしく指摘している。
450名無しさん@:2005/09/28(水) 20:27:44 ID:Dzx1r4Cg0
 こうした事実を踏まえて、当時の本田技研工業社長、本田宗一郎の次の発
言を読むとき、私達は唖然とせざるをえない。
 「本田さんは一貫して、製品がよくなるには競争が必要だ、通産省の保護
政策はおかしいという考え方ですか」という『週刊朝日』の下村記者の質問
に対して、本田は堂々と「勝負は自分の力でやるべきですよ。私は変なテク
ニックで商売はしたくないな。本業で体当たりしたい。それで一貫したのが
現在の本田技研だと思うんです。排ガス規制でも、あくまで技術で解決すべ
きものですね。それをね、社長が政治的に動いて解決すると、社員だって
ね、『そうせオヤジが何とか話をつけるだろう』と、こうなっちゃう。うち
はだれも政治的に動く人はいないから、結局、一人一人がね、ムキになって
いるんじゃないですか。そういう姿勢というものは大事なことだと思うな」
と答えているのである。
 〜佐高信 企業原論 P.100〜