【THSU】ハリアーハイブリッド【VDIM】

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129名無しさん@そうだドライブへ行こう
【御堀直嗣のテクニカル・インプレッション】
トヨタ・ハリアー/クルーガーハイブリッド:パワフルで静かな走り、自然な走行制御

 ハリアー/クルーガーハイブリッドのハイブリッドシステムの構成は、基本
的にプリウスと同じである。遊星歯車を使った動力分配機構が無段変速機
として機能するため、発進から最高速までの加速中に変速に伴うショックが
全くない。また、エンジンの駆動力の約70%を発電に利用するため、エンジン
よりもモータの運転寄与率が高く、走行中の静粛性は非常に優れている。
ひとたび、この感触を味わってしまったら、もはやガソリン車に乗り換える
気は起きにくくなるのではないか。そう思うほど快適性は高い。

 ハリアー/クルーガーハイブリッドは、既存のV6エンジンを流用する。
プリウスのような高膨張比エンジンとは組み合わせていない。国内仕様の
ハリアー/クルーガーのV6エンジンは排気量が3.0Lだが、ハイブリッドでは
北米向けの3.3Lエンジンを組み合わせている。したがって、このエンジン
だけでも、出力155kW、トルク288N・mの性能を誇る。加えて、駆動用モータは
出力123kW、トルク333N・mの性能を持ち、この二つを組み合わせ、最大効率の
運転が行われることになる。

 さらに、この駆動用モータの出力は減速ギアを介して前輪に伝えられる。
減速比は2.478で、実際の駆動トルクは825N・mに増幅される。「ポルシェ911
ターボS」の最大トルクが620N・mだから、このトルクがどれほど大きなもので
あるか、ある程度想像がつくのではないだろうか。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN_LEAF/20050408/103586/?P=1
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130名無しさん@そうだドライブへ行こう:2005/04/11(月) 13:19:34 ID:9efLPZNW0
 この強力なパワートレーンが、車両重量が1.9トン前後もあるハリアー/
クルーガーハイブリッドを実に力強く加速させる。だが、大排気量エンジンや
ターボエンジンと異なるのは、加速の様子が暴力的ではない点だ。モータの
滑らかさと静かさとによって、知らぬ間に100km/hに達しているという、一種
独特な加速感となる。

 よほどアクセルペダルを深く踏み込まない限り、エンジンが高回転でうなる
こともなく、時にはその存在を忘れかけるほどである。ここに、ハリアー/
クルーガーハイブリッドの最大の特徴がある。すなわち、プリウスにはない
減速ギアを備えることで、モータ主体の走りによる低燃費を実現し、なおかつ、
モータの高いトルクを活かしたハイブリッド車ならではの静かで滑らかな運転
感覚を持たせ、さらに素晴らしい加速性能も実現しているのである。

 トヨタは、このハリアー/クルーガーハイブリッドの駆動システムをV6
エンジン搭載のセダンへ展開することも明らかにしている。日本のセダン人気
は目を覆う状況だが、北米や欧州ではまだしっかりとした地位を保っている。
速く、静かで、燃費がよく、しかも高級感を備えたハイブリッドシステムが
セダンへも展開されれば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの生き残る
世界は限られたものになってしまうかもしれない。それほど、ハリアー/
クルーガーハイブリッドの性能は感動的だ。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN_LEAF/20050408/103586/?P=2
131名無しさん@そうだドライブへ行こう:2005/04/11(月) 13:22:18 ID:9efLPZNW0
 肝心の燃費性能についても触れておこう。ハリアー/クルーガー
ハイブリッドのカタログ燃費は10・15モードで17.8km/Lで、1.5Lエンジンを
積む「カローラ」とほぼ同じである。メディア向けの試乗会は、神奈川県・
箱根の山間で開催された。その上り下りの激しい道を、ジャーナリストたちは
アクセルを存分に踏み込んで走りを試すことになるが、その相当に過酷と
思われる状況で、オンボードコンピュータによる平均燃費表示は、8〜9km/l台
を示していた。同じ運転状況で、通常のV6エンジンだけであれば、その半分
くらいに燃費は落ち込んでしまうのではないか。

 ハリアー/クルーガーハイブリッドには、エスティマハイブリッドと同様の、
後輪駆動にモータを使った電動4WDシステムを採用している。さらに、4輪の
駆動力や制動力に加え、ステアリングまでも最適に制御することで車両の
安定性を向上させる「VDIM」も装備している。すでに「クラウン マジェスタ」
で、走行中の挙動をじつに自然に安定させる様子に驚かされたが、これに
今回、後輪の制御も加えている。今回、低ミュー路を走る機会はなかったが、
少なくとも電動パワーステアリングの操舵感覚はごく自然であった。

 技術者の説明によれば、このVDIMは、タイヤにわずかな滑りを持たせる
ことで、たとえ低ミュー路においても、完走舗装路と同様にパワフルな運転
感覚を得られるようにしているという。勿論、本当に滑らせてしまったら挙動
が乱れるわけで、VDIMの意味を失ってしまう。挙動の安定性を維持したまま、
ある程度滑った状況を作り出すことで、ドライバーに運転の醍醐味を体感
させる制御を行っているというのである。

 ハリアー/クルーガーハイブリッドで、ハイブリッド車は燃費性能の向上
のみならず、パワフルさも手に入れた。加えて、官能的性能も高める制御が
盛り込まれていることに驚きを禁じえない。少なくとも現時点で、トヨタの
ハイブリッドシステムが他の追従を許さぬ域にまで総合性能を高めていること
を、ハリアー/クルーガーハイブリッドでは実感した。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN_LEAF/20050408/103586/?P=3