NEWヴィッツタン゚+.(・∀・)゚+.゚イイ!PART5

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485名無しさん@そうだドライブへ行こう
トヨタ・ヴィッツ:不自然さのない電動パワーステアリング、精緻な室内の
作りこみ

トヨタ自動車が2005年2月に発売した新型「ヴィッツ」は運転していて、
その気にさせるコンパクトカーに仕上げられていた。エンジンの種類は、
従来からの1.0L、1.3L、1.5Lを引き継ぐが、そのいずれのエンジンでも、また
特に走りの良さを強調したRSグレードに採用された5速手動変速機ではなくCVT
であっても、心躍らせる走りに不足はない。
 偶然なのか、それとも意識的なのかは知らないが、初代ヴィッツも、2代目
となる新型ヴィッツも、チーフエンジニアはシャシー設計出身者である。
従って、運動性能の話をしていて尽きない。また、突っ込んだ話ができる
うれしさがある。
 その中で、まず取り上げたいのが電動パワーステアリングのことである。
近年、電動パワーステアリングはコンパクトカーでは必須であり、中でも
トヨタは「クラウン」「マジェスタ」にも電動パワーステアリングを採用する
など、電動パワーステアリングの採用に積極的だ。ただし、電動パワー
ステアリングの課題は、直進状態からステアリングを切り込む際にどうしても
「いかにもここからアシストが始まりました」と言わぬばかりの手ごたえの
変化が生じやすいことだ。コンパクトカーに採用される、ステアリングコラム
にモーターを取り付ける場合には特にそれが起きやすい。
 ところが新型ヴィッツでは、そうした不自然さを意識させられることが
なかった。1.0L、1.3L、1.5Lのどのエンジンにおいても、である。タイヤ
サイズが185/60R15、あるいは195/50R16と違う場合でも、不自然さのない
手ごたえに変わりはなかった。そこのところをチーフエンジニアに尋ねると
「電動パワーステアリングの経験の積み重ねで、上手に制御できるように
なったからでしょう」と、まずは簡単な回答ではあったが、さらに掘り下げて
いくと、「実は・・・」と続きがあった。フロントのホイールアライメントの
キャスター角の傾きを強くし、キャスタートレールを大き目とすることにより、
タイヤからの入力が大きくなるようにしたのだという。
486名無しさん@そうだドライブへ行こう:2005/03/31(木) 01:03:01 ID:qfdxgLNZ0
 つまり、タイヤのわずかな操舵においても、ステアリングへの入力変化が
大きくなり、その大きな変位差を活用して多くの情報の中からきめ細かく制御
を行える。これによって、電動パワーステアリングのアシスト量を細やかに
調整できるようになったのだという。したがって、こうした工夫を重ねること
により、いまや電動パワーステアリングの方式がラック式かコラム式かと
いった形式で、感触の良否を左右されることはなくなるだろうと、チーフ
エンジニアはいう。それほど、新型ヴィッツの電動パワーステアリングの制御
には自信を持っているのである。
 ステアリングからの手ごたえは、目からの情報の次にドライバーが頼りに
するものだ。それは、ベテランであっても、あるいは運転の初心者でも同じだ。
逆に初心者こそ、ステアリング操作に不安を覚えたら、いわゆるハンドルに
しがみつく運転になってしまう。新型ヴィッツの電動パワーステアリングは、
そんな不安をなくしてくれるだろう。
 CVTについては、無闇にエンジン回転数を上げすぎてしまうなどという
ことは、3種類のエンジンの中で最も非力な1.0Lエンジンでも極力避ける努力
が払われている。ただ、高速道路での追い越しなどではさすがにエンジン回転
を上げていかなければ、1.0Lでは十分な加速を得ることはできない。
 このCVTではシフト操作の仕方がゲート式となっており、DからS、そして
エンジンブレーキを特に必要とする際のBへと、逆L字型に動かせるように
なっている。高速からのフルブレーキングで、その順にシフトレバーを移動
させると、絶妙のタイミングで適量のエンジンブレーキが掛かる。カーブに
差し掛かるその瞬間のブレーキングとシフトダウンが決まると、これほど
気持ちのいいことはない。
 そして、新型ヴィッツはそのブレーキそのものについても、踏み応えが
最適であるよう、容量やペダルストロークを含めチューニングに時間を費やし
ている。また、タイヤ選びも、吟味されたとひと目でわかる銘柄が装着されて
いた。新型ヴィッツは、シャシー設計者をチーフエンジニアに迎えた面目躍如
たる走りを実現している。
487名無しさん@そうだドライブへ行こう:2005/03/31(木) 01:04:18 ID:qfdxgLNZ0
 乗り心地が硬いとの声もあるようだが、ヴィッツのそれは、減衰の効いた
硬さであり操縦安定性に欠かせぬ「乗り味」である。したがって、衝撃を身体
に突き上げるような辛い硬さではなく、「しっかりしている」という意味の
硬さである。これを軟らかくしてしまったら、ヴィッツの優れた走行性能は
失われてしまうだろう。
 とはいえ、新型ヴィッツの良さは単にシャシー性能のみにとどまらない。
まず、シートのサイズが大きくゆったりしており、また、クッションの硬さも
しっかりとして、その形状は身体の線にピッタリ合うようになっている。試乗
会の場で何台もグレードの乗り換えを行っても、腰に鈍痛を覚えることは
なかった。
 また、初代ヴィッツに比べやや高めの視線となる前方視界も、フロント
ピラーやドアミラーの配置に文句なく、斜め前方の安全確認を瞬時に必要と
する右左折を安心して行える。室内では、インテリア各部の隙間がコンマミリ
単位と思われる狭さに詰められており、その精緻な作りこみはコンパクトカー
というより高級車の域に達していると思う。新型ヴィッツのインテリアを見て
しまうと、他のコンパクトカーの作りが雑に思えてしょうがない。それほど、
精巧さに大きな差がついた。初代ヴィッツは、いまだに価値あるクルマだと
思っている私だが、新型ヴィッツに触れて、その進化の度合いに度肝を抜かれ
たのであった。
Automotive Technology-御堀直嗣のテクニカル・インプレッション
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN_LEAF/20050329/103149/