エンジンは直列4気筒の1.3Lと1.5Lの2種類があるが、1100kg前後の車両重量に
対して、1.3Lエンジンでも十分な加速性能を備えていた。室内の
シートアレンジは、実際に使う機会が自分でもあるだろうと思える程度の内容に
割り切られており、余計なアクションを与えていない。その分、それぞれの
操作が簡単で便利だ。
後席右側に座ると、サイドウィンドーが特急列車の車窓を思わせる大きさで、
景色を眺めながら移動する楽しさを味わえる。助手席側シートを最後端に
スライドさせると、運転席と後席右側と3人で会話のできるちょうど三角の
位置関係になり、室内の静粛性のよさもあって会話が弾み、和やかな雰囲気にも
なる。ラゲッジルームは、前後方向への余裕はそれほどないが、深さが相当に
あり、かなり多くの荷物を積めるのではないかと思う。
結論として、使う人の気持ちになって仕上げられたクルマであることが、
随所に感じられる心地よいクルマだと思う。ポルテの発想は、トヨタが
関連車体メーカーと合同でアイディアを出し合う会合を定期的に持つ中から
生まれたものであるという。大きな助手席側スライドドアが広げる新感覚の
クルマという、挑戦的な発想が、アイディア倒れにならず、クルマとしての
機能もきちんと仕上げられている点に、開発者達の真摯な姿勢が伝わってきた。
先に発表されたクラウン・マジェスタとはまったく別のジャンルのクルマでは
あるが、同じ様に試乗後に爽快な気分にさせられるクルマだった。
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