◆三菱のAA・ﾈﾀ定型文ガイドライン◆

「かわいそうな社長」

･･･するとこのとき、ポートもエクロートも、ひょろひょろとからだをおこして、すすみでてきたのでした。
おたがいに、ぐったりとしたからだをもたれあって、謝罪をはじめたのでした。うしろ足（あし）でたちあがりました。
まえあしをおりまげました。はなをたかくたかくあげて、ばんざいをしました。しなびきったからだじゅうの力（ちから）を
ふりしぼって、謝罪をするのでした。
　謝罪をすればむかしのように、売り上げがもらえるとおもって、よろけながらいっしょうけんめいです。
「ああ、ポートや。エクロートや」
　と、三菱社員は、もうがまんができません。なきごえをあげ、秘密文書のあるロッカーへとびこみました。
はしって、新しいリコール隠しももはこんできました。
「さあ、あやまれ。あやまれ。謝罪してくれ。反省しておくれ。」
　三菱社員たちは、みんなだまって、みないふりをしました。こうして一日（いちにち）でもながく謝らせておけば三菱叩きもおわって、
たすかるのではないかと、どの人（ひと）もそっとかみさまにいのっていました。
　けれども、ポートも、エクロートも、ついに、うごけなくなってしまいました。
　じっとからだをよこにしたまま、ますますうつくしくなってくる目（め）で、ながれるくもをみているのがやっとでした。
　こうなると、三菱社員も、もう、むねがはりさけるほどいたくなって、みにいくげんきがありません。ほかの人（ひと）もくるしくなって、
社長室からとおくはなれていました。