【次世代車日欧対決】ハイブリッドvsディーゼル 3

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744auto, motor und sport 6/2004
Die Liter-Leistung(リッターあたりの出力)

どの低燃費コンセプトが最善か? 実走テストで日本製ハイブリッド・モデル
ホンダ・シビックIMA、トヨタ・プリウスをゴルフ1.9TDI 、アウディA3 1.6FSIと
比較してみた。

まだディーゼルが無敵の低燃費コンセプトと見なされている。だが、それがいつまでも
続くとは限らない。ガソリンエンジンと電動モーターを結合したハイブリッド技術を
使い、日本メーカーがディーゼルに攻勢をかけている。
また古典的ガソリンエンジンにも低燃費ポテンシャルはある。VWは直接噴射及び
層状チャージ(FSI)によりそうしたポテンシャルを引き出そうとしている。

ECE-走行モードのトータル燃費を見る限り、日本メーカーは正しい道を歩んでいるようだ。
4.5L/100km(プリウス)、4.9L/100km(シビック)と公認の低燃費モデルであるゴルフ(5.1L)、
アウディ(6.5L)を大きく凌駕しているからだ。

だが規格燃費と実際の走行燃費とは別物であることは経験が教えている。このため、本誌は
4台のテストカーをドイツの典型的走行状況下でテストしてみた。すなわち、本誌規格モードに
数時間の市街走行、迅速なカントリーロード走行、2 回わたるアウトバーン走行を追加した。
745auto, motor und sport 6/2004:04/03/26 17:36 ID:erFvvKea
一回目は控えめな速度で、どんなに速くても推奨速度(130km/h)を越えない走り方。二回目は
最高速で走った。その結果は一部、規格燃費と大きく異なったが、これは全く予想しなかった
ことではない。ハイブリッドカーはアイドル走行の割合が多く、頻繁に加速、減速を行う
ECE-モードのメリットを受けているからだ。このモードで(ハイブリッドカーの)最大の
燃費メリットが発揮される。停止時にはエンジンを切るため、燃費はゼロに等しく、
オーバーランコンディションでは電気的に制動され、バッテリーが充電されるので、普通の車では
熱損失として霧散してしまう運動エネルギーが貯蔵される。充電用には両モデルとも出力密度の
大きなニッケル水素バッテリーが使われ、後部座席の後ろに配置されている。穏健な速度で
走行する本誌の規格燃費測定及び市街走行はECE-モードに最も似ており、両ハイブリッドモデルの
燃費はECE-モードとあまり変わらず(AMS規格:5.4L、市街: 6.3L/100km)、アウディFSIに明瞭に
差をつけた。

だがゴルフの方が(ハイブリッドより)成績が良かった。AMS 規格燃費は4.9 L/100km、
市街走行は5.5L/100km で、このポンプジェット・ディーゼルの方がスタートストップ
自動装置の装備なしでも電動補助エンジン付ハイブリッドカーより燃費が良かった。

カントリーロードの疾走ではプリウスが(ガソリンエンジンを絶えず燃費の有利な領域にとどめる)
インテリジェンス出力制御のメリットを発揮した。電動操作の遊星ギアのお蔭で、
シフトチェンジが不要となり、エンジンは-------無段CVT-ギアのように-------ほぼ
コンスタントに中回転領域で稼働。だがこれは慣れを必要とする。カントリーロードでも
A3 の燃費が一番悪く、アウトバーン走行でも同様であったが、ゴルフは両方の項目で
最高点を得た。
746auto, motor und sport 6/2004:04/03/26 17:36 ID:erFvvKea
ハイブリッドで電気エネルギーの回収がほとんど行われないアウトバーン高速走行では
違いが一番大きかった。日本製の両モデルが(ハイブリッドカーにとり不利な)この項目で
健闘したのは、非常に空気抵抗値が少ない(Cw-数値:プリウス: 0.26、シビック:0.28)こと、
全体のトランスミッションを長くとり、燃費を良くしているためだ。ハイブリッドカーの
高速時走行性能が劣るのは、ガソリンエンジンが比較的小さく、出力も弱いためである。
というのも、発進、加速時には電動モーターが効果的に補助を行うが、コンスタントに
高速走行する場合にはこうした補助活動がほぼ皆無だからだ。これは、プリウス(57kW/78PS)に
とってはたった170km/h の最高速しか出せないことを意味する。またアウトバーンの
上り坂でもハイブリッドカーはパワーがなかった。

大抵の場合、坂を登り切る前にバッテリーが空になるためだ。それでもプリウスの方が
シビックよりは長持ちした。はっきりしていることはハイブリッドカーでは(二つのエンジンの)出力、
トルクを単純に加算(してその和を全体出力/トルクとすることは)出来ないという事実である。
だが、今回の比較テストの眼目は燃費であり、まさにこの面でホンダ、トヨタのハイブリッドカーは
一定の走行領域においてディーゼルに十分太刀打ち出来ることを明瞭に示した。
747auto, motor und sport 6/2004:04/03/26 17:37 ID:erFvvKea
ここで目立ったのは、出力がたった6.5kW(9PS)の補助モーターを搭載したホンダの
シンプルな方式が(大きな電動エンジン+ジェネレーターを装備した)プリウスの
ハイブリッド技術とほぼ同等の結果を生んでいるという事実である。

直接噴射及び層状チャージャーを装備したアウディA 3 FSI の燃費はハイブリッドに比べ
ずっと悪く、期待を大きく下回った。加えて、この希薄コンセプトエンジンの出力展開及び
サウンドも気分を高揚させるものではない。このため今回も、VW の現行FSI 技術にその代金に
見合った価値があるのかという疑問が生じた。というのも、このエンジンの節約効果は
必要とされる(脱硫)スーパープラス・ガソリンによりほぼ相殺されてしまうからだ。

これに反し、TDIはその代金だけの価値がある。どのような状況でも常に燃費が良く、特別な、
経済的走行スタイルは不要で、ディーゼル燃料の価格メリットもこれに加わる。特に秋からは
ようやく微粒子フィルターの供給も行われるため、確かな選択と言える。残る疑問は、何故
ディーゼル・ハイブリッドをつくらないかということである。(ゲルト・ハック)
748auto, motor und sport 6/2004:04/03/26 17:38 ID:erFvvKea
単位: [L/100km]
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アウディ A3 芳しくない燃費数値

ECE モード(全部)         6.5
AMS 規格モード          6.6
市街走行               6.6
カントリーロード           6.9
アウトバーン(平均120km/h)   7.0
アウチバーン(平均145km/h)  10.8
テスト燃費              8.2
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トヨタ Prius: A3 より節約ポテンシャルが大きい
        アウトバーンでは低燃費メリットが無くなる

ECE モード(全部)         4.5
AMS 規格モード          5.5
市街走行               6.3
カントリーロード           5.9
アウトバーン(平均120km/h)   4.6
アウチバーン(平均145km/h)  9.5
テスト燃費              6.8
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749auto, motor und sport 6/2004:04/03/26 17:38 ID:erFvvKea
VW Golf: 燃費でハイブリッドカーを敗る
      (カタログ燃費以外の以外の)どの項目でも一番燃費が良かった

ECE モード(全部)         5.1
AMS 規格モード          4.9
市街走行               5.5
カントリーロード           6.2
アウトバーン(平均120km/h)   4.2
アウトバーン(平均145km/h)  8.0
テスト燃費              6.4
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ホンダ CIVIC Hybrid: 燃費はプリウスと同レベル
              電動モータの出力は小さいが、市街走行時の燃費が良い

ECE モード(全部)         4.9
AMS 規格モード          5.4
市街走行               6.2
カントリーロード           6.2
アウトバーン(平均120km/h)   5.0
アウトバーン(平均145km/h)  9.3
テスト燃費              6.7

※燃料コストでもゴルフが優勝
燃費だけでなく、純然たる燃料コストでもゴルフがトップに立った。その理由は、
燃費が良いこととならんで、ディーゼル燃料の価格が安いこと。
アウディFSI は高価なスーパープラスを使っているためもあって、最下位。