☆★【Avensis】アベンシスmade in UK【Vol.4】★☆
媒体名: auto, motor und sport 13/2003
タイトル: Kassenkampf (価格闘争)[階級闘争(Klassenkampf)にかけた標題]
ミドルクラスで激しい攻防戦がくりひろげられている。
ホンダ・アコード、マツダ 6、トヨタ Avensis は単に価格面で際立っているモデルではない。
「買い得で装備が良い」といった純粋に合理的特性だけで日本製ミドルクラス車を特徴づけることは
出来なくなった。マツダ 6、ホンダ・アコード、トヨタAvensisのニューモデルはまず外観が
センセーショナルである。軽快さ、力強いライン、堅実な重厚さ-------凡庸さとは無縁な外観である。
但し、クサビ型をしたアコードの外観は慣れを必要とする。特に、切断されたようなリアエンドが
平均的嗜好からかけ離れている。これに反して、角張ったラジエーターグリル、細い目、鋭い眼差しの
ヘッドライトを装備したフロントはマツダ 6 と良く似ており、若者のたむろする喫茶店に乗り付けても
おかしくないモデルである。日本メーカーがこれほど軽快なデザインのミドルクラス車をつくったことは
今までに例を見ない。アルファのフロントを取り付ければ、マツダ 6 は156の後継モデルとしても通用しよう。
これに反しトヨタAvensisは別のリーグでプレイしているような印象を与える車だ。特にどっしりした
フロントはどちらかと言えばメルセデスC-クラスよりも E-クラスに色目を使ったモデルだ。だが
寸法を見れば、スペースのゆったりしたミドルクラス・セダンであることが分かる。3台とも
室内スペースにはあまり違いがなく、幅の広いモデルもあるが、他のモデルは背が高かったり、
シートスペースが大きかったりという具合に相殺されている。全員前後ともに十分なスペースがある。
最もスペース感の良いのが筋肉質なマツダ 6 で、これは室内が軽快にデザインされている結果でもある。
3台とも 2:3 の割合で分離出来るリアシート背もたれが装備されている。違いが見られるのはトランクルームで、
トヨタ(520L)、マツダ(500L)には家族全員の荷物が積めるが、アコード(459L)は大きなホイールハウスで
トランクルームが狭められている。
室内ではマツダが高質な第一印象を与える。プラスチックはきれいに加工されているようだが、
ドアがガタついたり、嵌合が不正確なため全体像が曇らされている。ホンダはもっと手抜きをし、
ドアのゴム部が外れ、床下からはブーブー言うような音が聞こえる。トヨタの方が高級感があり、
質感で失点したのは80年代のステレオのような外観の中央コンソールだけであった。
価格については 2Lエンジンを搭載した3台のモデルがせりあいを演じ、中でも23000ユーロ弱のマツダ 2.0
Exclusive バージョンが一番安かった。だからと言って標準装備を節約しているわけではなく、中央ロックから
ヒーター付パワーバックミラー、CD-ラジオ、クルーズコントロール、エアコンまでツーリングを
快適にする装備がすべて揃っている。
アコード 2.0 Sport も同様に豊富な装備で、クルーズコントロールは装備されていないがその代わり
雨滴センサー及びアラーム装置が付いている。但し価格は24000ユーロである。また、ナビゲーション・
システムとオーディオ(3015ユーロ)やフォッグライトと駐車アシスト(745ユーロ)といったコンビでしか
買えない数少ないオプションでもホンダはごっそり追加価格を請求している。またシートヒーター、
レザーシート、電動サンルーフ等の用品は特定の装備バージョン向けのみにオファーしている。
トヨタでも選択の可能性が限定され、顧客には有り難くない。例えば、電力で加熱出来る外側バックミラー、
電動サンルーフ、DVD-ナビゲーション・システムはAvensis Sol 以上用のオプションである。また
レザーシートは Exective バージョンにしか(オプション)装備出来ない。ちなみにExective バージョンの
価格は24600ユーロ以上で、マツダに比べずっと豪華な装備である。例えば、このトヨタ・バージョンには
フォッグライト、(トランクルーム内の)固定用リング、雨滴センサー、シートヒーターが追加装備されている。
この面でもAvensisは上級クラスを意識しているモデルのようだ。大きな車に乗っているという感じを受け、
Avensisはドライブするというより、クルーズする車だ。しかも、車輪がしなやかに回転し、路面凹凸の吸収も良い。
ドライバー及び助手席シートは柔らかいが、それでも身体は適切なポジションでサポートされる。
-------マツダのスポーティーな成形シートにも角張ったホンダのシートにも見られない組合せである。
トヨタでは後部座席乗員の乗り心地も良いが、シートはサポートに欠ける。このため特にドライバーが
急いでAvensisをカーブに突っ込むと、乗員が横に滑る。ボディーも前かがみになり、軌道をとるのが
難しくなる。標準装備のESP(トヨタではVSC)が早期かつかなり乱暴にアンダーステア傾向を抑えるが、
シャシーは非常に不安定になる。
マツダ 6 が(アクセルから急に足を離した結果)尻を大きく振ると、マツダでも同様のシステム(「 DSC 」)が
限界領域から引き戻してくれる。但し、この車両クラスでこうした能力を活用できるのはスポーティーな
ドライバーだけである。同様のことは正確で、非常に敏捷なステアリングにも当てはまる。但し、シャシーが
どんな横溝の上を通っても後揺れを出すので、神経質な感じを与える。このため、ドライバーは小さい軌道修正を
しながらコースを定めると良い。
こうした人工的スポーツ特性にもかかわらず、マツダのサスペンションは良い。猫の脚のようなトヨタ程ではないが、
引き締まったセットのシャシーの割には路面凹凸を平然と吸収している。
66 :
名無しさん@そうだドライブへ行こう:03/10/11 18:28 ID:GhVc07O2
それにしてもこのスレなんでこんなに荒れちゃったんだろう?悲しいな…
みんなが貶すほど悪いクルマじゃないと思うよ、アベンシス!
67 :
名無しさん@そうだドライブへ行こう:03/10/11 18:28 ID:8ZS7o/Ov
>>55 ベンチマークにした車というのはどのような?
福里チーフエンジニア
「操安性ではプジョーの406、フォードのモンデオ。
外見のスタイルは、アウディのA4。
それから全体の室内の雰囲気はパサート。
全体の品質感なりそういうのはメルセデスのCクラスを。
1台の車をベンチマークに置いたのではなく、この部分、部分で車を変えました。
全部の車の良いとこ採りしたわけです。」
ホンダのシャシーは非常に硬くセットされている。時とすると路面凹凸がほとんど吸収されなかったり、
弾きとばされるような衝撃を受ける。このため、凹凸路面における路面グリップ性も悪い。
だが、引き締まったセットには良い面もある。アコードは非常にダイレクトに操舵出来、路面情報の
ハンドルへのリスポンスも良い。高度な旋回速度になってもニュートラルな状態を保ち、それから
コントロール可能なアンダーステアに移行する。唯一のデメリットは、万一の場合に備えてのESPが
オプションでも買えないことだ。
シャシーとならんで2Lエンジンも走る楽しさに貢献している。このエンジンはリスポンスが良く、
バイブレーションも唸りもなく回転をあげ、 (車を)楽しむ人のためのエンジンである。加えて
燃費もマツダより1.3L/100km(スーパー)、トヨタ直接噴射エンジンより 0.6L/100km良い。しかも
走行性能も一番良い。
これに反しマツダの4バルブエンジンには活性がまるでない。加えて、このエンジンの挙動は大昔の
4シリンダーエンジンのようで、洗練性がなく、活性がなく、唸りが出、燃費が悪く、無気力である。
これに引っ掛かりの出るシフトが加わるので、悲劇である。
トヨタ・エンジンも電子制御式アクセルペダルに遅れて反応し、(正確さに欠けるギアが迅速な
シフトチェンジに抵抗するように) 回転上昇を嫌がる。但し、自重の大きな割にはまともな走行性能を
発揮している。
費用の章に移る前に中間決算をすると、Avensisは駆動系、ハンドリングの弱点により貴重な点数を失った。
この失点は維持費が一番安いことによっても相殺できなかった。
マツダ 6 は快適性とハンドリングの最善の妥協で、加えて最も買い得な車だが、しかしお勧めしがたい
エンジンのお蔭で勝利の可能性が絶たれた。
勝利をつり上げたのがホンダである。一番高い車なので、「価格闘争」には敗れたが、その他のどの章に
おいても弱点を出さなかった。リア部(の外観)に慣れが必要が否かはともあれ、アコードはミドルクラスの
日本車の中では最高のお勧め品である。(マルクス・ペータース)
【判定】
1位: ホンダ
ミドルクラス中最善の4シリンダーエンジンとギアの組合せ、敏捷なシャシーのお蔭で一位を確保。
凡庸な快適性もこの地位を揺るがすものではなかった。
2位: マツダ
活性がなく、燃費の悪い 2Lエンジンにより優勝のチャンスを逸した。バランスのとれたシャシー、
安い新車価格がメリット。
3位: トヨタ
大きなスペース、良好な標準装備、ゴージャスな快適性だけでは、競合モデルに勝ち抜くことが出来なかった。
ハンドリングの弱点が大き過ぎたためだ。