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青信号:
日経BP社 AUTOBIZ
ホンダ「ライフ」の発売開始からついた「?」[2003/10/09]
念願の国内100万台達成に向け、2年以上にわたり飛ぶ鳥を落とす勢いを続けたホンダの国内販売事業。
しかし、昨年90万台まで到達した後、今年1月からは一転して大幅な前年割れを続けている。足元の不振から
「2004年度に100万台」という計画達成は、無期限延期を余儀なくされることとなった。「もともと他社が
不振の時に好調なヘソ曲がり型メーカー」(大手ホンダ系ディーラー首脳)と、かねて言われてきたのは
事実だが、福井威夫新体制で初の新型車となった「ライフ」の滑り出しは、ホンダの将来に黄信号が灯りつつ
あるように思わせるものであった。
2 :
青信号:03/10/10 15:43 ID:5q0K23Bv
▼発売月なのに月販目標に届かず
「月初に発売したにもかかわらず、月販目標に満たないとは」――。今年9月の新車販売状況が出た10月第1週、
軽自動車業界の関係者は、ホンダが100万台への再浮上をかけ、満を持して投入したライフの届け出台数に意外な
目を向けた。
目標の1万5000台に対し、1万2735台(旧モデル含む)にとどまったからだ。月販目標とは通常、ライフサイクルを
通じてのならした数値。発売から1〜2カ月は最低でも、目標を大幅に上回るのが普通だ。5日からの発売とはいえ、
発売月である9月は4度ある週末がフルに寄与する。
しかもこの時期には、販売店が店頭に置く「展示車」や「試乗車」もかなりの台数がカウントされる。
軽自動車を扱うホンダのプリモ店は全国に約900社1500拠点。1拠点当たり展示車と試乗車を1台ずつ確保したとしても、
それだけで3000台近い台数を占める。9月のライフは、実際の販売台数では1万台に満たなかったという計算も成り立つ。
3 :
青信号:03/10/10 15:43 ID:5q0K23Bv
新型車の立ち上げ当初は、どんなにいいクルマでも生産や供給上の理由で鈍いスタートになることがある。
しかしホンダにとって、軽自動車の主力工場である八千代工業が他車種の増産で忙しいとか、プリモ店に別の
大ヒット車があるとかの、阻害要因があったわけではない。
むしろ、新車の端境期となる今年は、「インスパイア」や「エレメント」のようなニッチな新型車はあっても、
実質的にはライフが初の量販車だ。立ち上がりの準備は万端だったはずである。
ホンダは10月6日に、受注ベースでは発売後1カ月間で2万8000台を達成していると発表し、“好調”ぶりをアピール
したが、届け出台数との差に対して首を傾げる関係者は少なくない。
最大手のスズキ、年初から絶好調の2位ダイハツ工業でさえ、どんな数字をホンダが叩き出してくるかは脅威だった。
この2社はもとより、直近のライバルである三菱自動車工業や富士重工業も、ひとまずは胸をなで下ろした格好だ。
このメールマガジンの第2号(9月18日号)でも軽自動車戦線の近況を取り上げたが、8月までの貯金を是が非でも
守りたいダイハツなどは、ライフ発売の3日前に主力車「ムーヴ」と「ミラアヴィ」に早くも装備を充実させた特別仕様車を
ぶつけ、そして年末には新型軽ワゴン「タント」も用意するなど、周到すぎるほどの迎撃策を準備してきた。
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青信号:03/10/10 15:44 ID:5q0K23Bv
▼自社登録の反動を指摘する声も
ホンダ陣営は昨年秋に注目を集めた「カローラ」対「フィット」の年間最多販売台数争いで、系列ディーラー自ら
台数水増しのために自社で新車を購入する自社登録を増やし、収益を悪化させた。今年の大幅減について、
大手ベルノ店幹部は「その反省を踏まえた正常化の表れであり、今なお台数よりも健康状態の回復を優先せざるを
得ない状況にあることが、
今回のライフの出足にもクッキリと表れた」と説明するのだが……。
福井新体制が、国内100万台体制の再構築に本腰を入れる気があるのなら、ホンダがその持ち味としてきた商品力・
技術力を維持しつつも、作ること以上に、売るためのインフラ作りに精力を注入すべきということなのだろう。