>>149>>148 勝手に↓転載。私もこの本を読んでみたくなった。
自動車産業とマツダの歴史」というノンフィクションを読みました。著者は河村泰治という、
マツダの元社員。出版社は郁朋社というところ。大胆に要約してしまうと、マツダ(東洋工業)
という自動車メーカーが、住友銀行によってどんなふうに殺されていったか、ということを証言した本です。
どういうわけか(住友銀行への遠慮なのでしょう)、マスメディアの書評などでは、
この本のことはほとんど取り上げられていませんね。
自動車産業にいくらか関心のあるひとのあいだでは、住友銀行によるマツダ支配が
マツダをだめにしたのだ、と語られてきました。でも、その内部の実情については、
マツダ内部から声が上がったわけでもないので、いまひとつ不鮮明でした。
でもこの本の中身はすごい。住友銀行がマツダに乗り込んでやったことは、ちょっと
すさまじい専制的恐怖支配とでも言うべきもの。
自動車を愛してもいない無能なひとたちが、日本のひとつの優良自動車メーカーを、
好き放題に切り刻んで、ぼろぼろにしてしまったのでした。著者は、住友銀行のただ
ひとつの「功績」として、フォード・カードを残してくれたこと、と痛烈に皮肉っています。
住友銀行の支配のもとにあるよりも、ほかの自動車メーカーの傘下に入ることが
マツダにとっては幸いであったということです。かなり衝撃的な中身のノンフィクションです。