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名無しさん@そうだドライブへ行こう:
月刊テーミスウエブサイト
■会見会場で業界誌記者を排除
つい最近まで「世界に冠たる」という形容詞で呼ばれることも多かった自動車メーカー・ホンダの様子がおかしい。
なにしろ法律上は「中古車」であるはずの「新古車」(登録済み未使用車)を新車として購入者に販売し、新車と同額の税金を取っていた事実が次々と明らかになっているからだ。
その数はホンダ本社が認めているだけで、静岡、埼玉、茨城、長野、福井各県の5販売会社で14件にも及ぶ。
しかもこうした「詐欺」まがいの事例は、本誌2月号をはじめ、朝日新聞や産経新聞、東京新聞、はては自動車雑誌にまで報じられている。
もはや、ホンダブランドの信用自体が揺らいでいるといっても過言ではない。
だが、ホンダ本社の動きは鈍い。「詐欺疑惑」があったことはもとより、それに対する調査や対応策を、世間に公表しようという姿勢がまるでない。
その理由を、自動車業界の事情通は次のように分析する。
「ホンダはこれまでに本格的なスキャンダルに直面した経験がほとんどない。
メディアの扱いも、創業者の本田宗一郎の頃から最近のロボット『アシモ』に至るまでおおむね好意的だった。対応をまるで知らない」
最近もそれを象徴するような出来事があった。
雑誌や新聞が大々的にホンダの「詐欺疑惑」を報じてから1週間ほどたった1月31日、ホンダは第3四半期の決算会見を東京・経団連会館で開いた。
この会見に出席しようとした業界誌の記者を、ホンダ側が会見場から排除しようとしたのだという。
この業界誌がホンダの「詐欺疑惑」を報じてきたことはいうまでもない。
その会場では、記者とホンダとの間で次のようなやりとりがあったという。
「入場拒否とは、ホンダさんは媒体を選別するのですか」(業界誌記者)
「その通りだ。情報をやるかどうかはこちらが決める」(ホンダ)
ホンダがこうした殿様感覚に陥った原因のひとつに、自動車雑誌を中心とする恁范p媒体揩フ存在がある。その象徴ともいえるのが「日本カー・オブ・ザ・イヤー」という賞で、その年に発売された新車で最も優秀な車種に贈られるとされている。
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名無しさん@そうだドライブへ行こう:03/04/03 03:06 ID:8fkdeR8r
この賞の選考委員は、自動車評論家や自動車雑誌の編集長など約20人で構成されている。
御用媒体の関係者にとっては、この委員に選ばれること自体が恂シ誉揩ニされる。
「委員に選ばれると、各メーカーが開催する海外でのイベントにアゴアシ付きで招待されるほか、国内の試乗会でも優遇され、食事券など『金品』の提供もある」(事情通)
こうした便宜は多かれ少なかれどこのメーカーでも図っており、ホンダも例外ではない。
業界新聞の記者によると、「選考委員のうち5〜6人は常にホンダ車に満点の票を入れるし、いわゆるシンパも多い」と話す。
事実、’02年の日本カー・オブ・ザ・イヤーは、事前にはBMWの「ミニ」か、日産の「フェアレディZ」が本命視されていた。だが蓋を開けてみればホンダ・アコードが受賞していた。
「アコードに満点を入れた選考委員はフェアレディZより少なかった。
だが、2、3位の点数をかなり拾って逆転した。普段からホンダが媒体を『懐柔』してきた成果だろう」(業界新聞記者)
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名無しさん@そうだドライブへ行こう:03/04/03 03:08 ID:8fkdeR8r
■小型車「モビリオ」でも問題が
ホンダは恁范p媒体揩通じてバラ色の情報ばかりを流し続け、「税金詐欺」疑惑が世間に忘れられるのを待つつもりだろう。
だが、これまでの被害が消えるわけではなく、将来も同様の被害が起きないという保証もない。
この詐欺疑惑に関して、現在までにホンダがとった対応が問題だ。
「5販売会社で14件」という数字は、業界誌や新聞の独自調査で明らかになったものだ。ホンダはマスコミから突きつけられた分だけを認めているにすぎない。
「報道がなければこれ以上ホンダは認めない」(事情通)という見方が大半だ。
ある自動車販売の関係者は、ホンダが本気で調査できない理由をこう語る。
「税金詐欺は販売店にとっては日常茶飯事だからね。本気で調査したらとんでもない件数が出てくるはず」
税金詐欺疑惑は、静岡県内のホンダ・プリモ販売店で’02年秋に発覚したことが発端だった。これは、軽自動車の新古車(販売店が自社登録した車で、法律上は中古車)を新車と偽って購入者に販売し、新車と同額の税金を取っているという疑惑だ。
この時点では、税金詐欺は軽自動車の販売時に限られて行われているとみられていた。
なぜなら、登録車(軽自動車より排気量の大きい小型車や普通車)と違って、軽自動車のナンバー登録は「届け出制」をとっているからだ
292 :
名無しさん@そうだドライブへ行こう:03/04/03 03:09 ID:8fkdeR8r
新車と思って購入した自動車が、実は中古車かどうかを見分けるには、購入者自身より前に所有者がいたかどうかを調べればよい。
だが届け出制の軽自動車の場合、以前の所有者を示す書類の閲覧や複製を自動車税事務所などに依頼しても、「前例がない」といって拒絶されてしまう場合が多いのだ。
たとえ購入者自身が請求した場合であってもである。
これに対して登録車の場合、購入者本人でなくても、所定の手続きによって所有者や税金の流れがわかる。
たとえば所有者については陸運事務所、自動車取得税については都道府県庁という具合に窓口が決まっている。
だから、購入者が疑問を抱きさえすれば、比較的簡単に税金を余分に取られているかどうかが判明するのだ。
こうした法的な違いがあるにもかかわらず、「税金詐欺」疑惑は軽自動車以外にも広がっている。
埼玉県内のホンダ・プリモ販売店で、新古車のモビリオ(1千500cc)を新車と偽って販売し、購入者から税金を余分に取っていた事例も発覚した。販売店が余分に取っていた金額は約2万円で、すでに返金されている。
だが被害者によると、「疑惑を持って販売店にただしてから、返金までに約4か月もかかった」という。
そこまでに要した労力や精神的な苦痛を考えると、とても2万円では済まない話だ。
現実には、数か月もかけて返金を求める被害者は少ない。
ましてや、裁判にまで訴えてホンダの姿勢をただそうとする者は、まずいないだろう。
全国紙記者は、「そこがホンダにとっては、購入者につけ入るスキになっている」とこう語る。
「税金詐欺疑惑は、1件あたり数万円までの被害であり、法的に返金を求めようとすれば、都道府県庁などが発行する書類も必要となる。
仮に勝訴しても数万円を勝ち取るだけというのでは、なかなか裁判にまでは踏み切れない」
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名無しさん@そうだドライブへ行こう:03/04/03 03:10 ID:8fkdeR8r
■疑惑調査も情報公開もしない
この点について法律に詳しい全国紙社会部記者は、「米国で広く行われている集団訴訟という方法がある」と話す。
米国の集団訴訟は「懲罰的損害賠償」という考えに基づき、立証された被害金額の何倍もの賠償をしなくてはならない場合があり得る。
「企業を集団で訴えること自体は日本でも珍しくはない。
水俣病や薬害エイズの訴訟などもそうだ。今回のホンダの件に関しては、米国では間違いなく集団訴訟の対象になるし、日本でも可能な事案だ」(社会部記者)
この「税金詐欺」疑惑について、ホンダの吉野浩行社長は「ちゃんと調査はしていると思う」といった程度のコメントしかしていない。
その吉野社長はこの6月で社長就任が丸5年になる。1期が1年のホンダでは、6月の社長交代も十分ありうる。
日頃から「社長業をやりたくてやってるわけじゃない」と公言している吉野社長にしてみれば、税金詐欺事件がクローズアップされ、華々しい業績にかげりが見える前の今が恷ォめ時揩ニもいえる。
その後継には技術研究所の社長を務める福井威夫専務が本命といわれ、他にも四輪担当の萩野道義専務、加藤正彰取締役、伊藤孝紳取締役など若手の名前が挙がっている。
企業としての情報公開も不十分だ。
ホンダ広報部によると、「疑惑に関しての調査は行っていない。
よって発表もしない」という。あの雪印でさえ、偽装牛肉の問題が起きた際には全国でただちに調査を実行した。
かつてホンダは「クリーン」な企業だった。
だがそれは、自動車業界のダーティな部分を、トヨタや日産という二大企業が背負ってきた裏返しでしかない。
それがホンダというブランドを作ってきたのだ。
いまやホンダはトヨタに次ぐ国内販売2位の企業だ。
雪印と同程度の調査もしないとすれば、もはやホンダブランドは、地に墮ちたというほかはない。
月刊テーミスウエブサイトより
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