ステロイドが悪いって思ってる人ってまだいるんだ?

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317名無しさん@まいぺ〜す
●ステロイド外用剤はアトピー性皮膚炎を悪化させていく

 そもそも、ステロイドホルモンは他の性ホルモンやビタミンDなどと同
様にコレステロールから合成される。つまりコレステロール骨格をもつグ
ループである。新鮮なステロイドホルモンは側鎖のほとんどが酸素フリー
(oxygen-free)で極限ともいってよい抗炎症作用を示す(図3)。そして
生体内で次第に酸化を受けていく。
酸化レベルのまだ低いステロイドホルモンは17-OHCSなどとして尿から排出
される。しかし、酸化レベルが高くなると通常のコレステロールと同様、
胆汁酸として肝から腸へ排泄される。
 コレステロールが生体内に停
滞し、加齢とともに動脈硬化を
引き起こすことでもわかるよう
に、過剰に生じた酸化コレステ
ロールの排泄はいつでも困難さ
を伴う。
 特に、外用薬として生理的濃
度を超えて体内に入ったステロ
イドホルモンは、組織に停滞し
酸化コレステロールに変成して
いく。
 酸化物質は組織を交感神経緊
張状態にし、血流のうっ滞(peripheral circulation failure) と顆粒球
増多をまねく。顆粒球は組織に浸潤しすき間のない炎症を引き起こすに至
る。これがアトピー性皮膚炎から酸化コレステロール皮膚炎への移行であ
る。この移行はステロイド外用剤を使用し始めてから数ヶ月から数年で引
き起こされる。
 このような酸化コレステロール皮膚炎を静めるために、もしステロイド
外用剤を使用するとすれば、前よりも多量の外用薬を使用しなければなら
なくなる。これが患者や医者がいつも経験しているステロイド使用時のス
テロイド剤増量のメカニズムである。『ステロイド依存症』 のメカニズム
である。
 減量どころか、増量せずには変成した酸化コレステロールを中和できな
いのである。そして、それも一時的なことである。全身投与よりも局所投
与の方が副腎機能低下を招きにくいが、局所投与には組織沈着による酸化
コレステロールへの変成という別の困難さがある。
 このようなステロイド依存がくると、酸化コレステロールの反応により
炎症性サイトカインがストレスによって多量に放出されるようになり、独
特の炎症像がつくられていく。 元のアトピー性皮膚炎とは異なり、ステ
ロイドを塗った場所に特異的にすき間のない炎症が出現してくる。全身反
応なので、ステロイドを塗らない場所にさえ広がる。ステロイドが切れた
時にである。
 誤解のないために言うが、痒くて掻いたから炎症が出たのではなく、ス
テロイドが切れたために一瞬にして炎症が引き起こされ痒くなるのであ
る。
http://www.osk.3web.ne.jp/~medinet/essay3.html