大西助教は「金属アレルギーのある人は、黄砂が飛来した時に肌がかゆくなるなどの症状が出るケースがあるので、黄砂の日は肌の露出を抑え、
家に帰ったら洗顔やシャワーを浴びるなどして対策を心がけてほしい」と呼びかけている。
また、大西助教は黄砂の飛来経路も米航空宇宙局(NASA)の人工衛星による写真などで特定。
経路には▽中国の重工業地帯を通る西よりの経路▽ゴビ砂漠を発生源として中国の工業地帯を通る東よりの経路▽
ゴビ砂漠から中国の北方を通って朝鮮半島を通る経路――の3パターンがあるとした。
重工業地帯を通る黄砂は硫黄酸化物、鉛などの汚染物質が多く、健康への影響が大きいとみられる一方、
朝鮮半島を通る経路では、汚染物質は少ないという。
大西助教と共に黄砂の研究をしている同大学医学部健康政策医学分野の黒沢洋一教授(54)は
「経路によってアレルギーを引き起こす汚染物質などが異なるのが分かったので、この研究を基に経路を事前に調べて、
細やかな『黄砂予報』が出せるようにして、黄砂で苦しむ人を減らしていきたい」と話している。
(2012年2月29日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tottori/news/20120228-OYT8T01336.htm